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U.S.M.H/3~11月営業利益18.5%増、来店客数が回復基調に

2024年01月11日 11:26 / 決算

ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(U.S.M.H)が1月10日に発表した2024年2月期第3四半期決算によると、営業収益5249億8000万円(前年同期比0.2%減)、営業利益26億5700万円(18.5%増)、経常利益26億4000万円(8.3%増)、親会社に帰属する当期利益1億8900万円(58.2%減)となった。

グループ全体では、来店客数が回復基調にあり、客単価は1人当たりの買上点数が減少したものの、1点単価が上昇したことで前年同四半期を上回っている。

営業総利益は売上総利益率が前期に対して1.4%改善したことにより、前年同四半期比1.1%増。販管費は、顧客の買物スタイル多様化への対応を目的として、ECの利便性向上に決済機能の多様化、セルフレジの拡大や省力化につながる設備導入などの投資を先行したことで減価償却費が増加し、加えて来客数拡大に向けた販促強化によって前年同四半期比0.9%増と前年を上回った。

物流コストや資材価格、水道光熱費など各種コストの上昇が利益を圧迫する影響を受け、さらにはガソリン価格や食品価格の変動により来店頻度や買上点数の減少が続いていることから、省力化のための先行投資や新たな顧客カードの発行による販促施策の実行など、これまでとは異なる構造への転換を急ぐ手立てを打っている。

サプライチェーン改革にも着手し、物流の「2024年問題」を見据えて自動化・省人省力化に寄与する最新設備やマテハン機器を多数導入した共同物流センター「U.S.M.H 八千代グロサリーセンター」を、2023年9月より本格稼働した。

また、製造から販売までの一貫した新たな製造小売モデルの実践例となる「INNER COLOR DELI(インナーカラーデリ)」を、2023年10月よりサステナブル商品を取り扱うブランド「Green Growers(グリーングロワーズ)」のシリーズとして販売開始した。

マルエツ単体の営業収益は2894億3700万円(3.6%増)、カスミ単体の営業収益は2008億5000万円(4.8%減)、マックスバリュ関東単体の営業収益は336億1100万円(5.1%増)。

店舗数は、マルエツが4店舗を新設、1店舗を閉鎖し、グループの店舗数は532店舗となった。

マルエツでは、顧客の利便性向上のため「オンラインデリバリー」を44店舗、「Uber Eats」のサービスを利用できる店舗を116店舗に拡大し、11月にはマルエツ初となる「移動スーパー」を神奈川県横浜市にて運行開始。さらに、セルフレジを215店舗に拡大し、9月より全店でスマホ決済が利用できるようになった。

生産性向上施策として、電子棚札を109店舗に拡大し、需要予測型発注の運用を11月に全店で開始した。新規出店については、リンコス 白金ザ・スカイ店を皮切りに4店舗をオープンしている。

カスミでは、ignicaブランドのプリペイド機能付きポイントカード「Scan&Goカード」の発行枚数が11月末時点で105万枚を超え、利用者を対象としたシニア特典、子育て特典、対象商品へのignicaポイント付与などで利用率が増加し、5割を超える顧客が利用しているという。

10月には日常の生活を豊かにする商品とともに、BLANDEで好評を得た商品を導入した新たなフードスクエア業態のモデル店舗として、茨城県つくば市のフードスクエアつくばスタイル店をリニューアルオープンした。

マックスバリュ関東では、店舗従業員の声を生かした店舗活性化を3店舗で実施し、地域住民のライフスタイルに合わせた商品・サービスの強化を実施。9月に活性化を行ったマックスバリュおゆみ野店では「対面販売の強化」「当社独自商品の拡大」「即食の強化」に取り組み、買物体験型スーパーマーケットとしての提供価値を向上させた。

オンラインデリバリーでは「生鮮食品の品ぞろえ強化」「即配サービスの新規導入」に取り組み、利便性向上を図った。

通期は、営業収益7090億円(0.0%増)、営業利益60億円(6.0%減)、経常利益60億円(8.2%減)、親会社に帰属する当期利益7億円(47.6%減)を見込んでいる。

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