アスクル 決算/6~2月売上・利益過去最高、コロナ特需終了などで通期修正

2024年03月18日 14:30 / 決算

アスクルが3月15日に発表した2024年5月期第3四半期決算によると、売上高3500億6300万円(前年同期比4.7%増)、営業利益124億9300万円(20.6%増)、経常利益122億9000万円(19.7%増)、親会社に帰属する当期利益161億4600万円(127.6%増)となった。

第3四半期連結累計期間としては、売上高、営業利益、経常利益および親会社株主に帰属する四半期純利益いずれも過去最高となっている。

BtoB事業については、飲料、日用消耗品等の生活用品商材、抗原検査キット等の新型コロナウイルス感染症関連商材、袋・梱包資材等のMRO商材など幅広くラインアップ。新型コロナウイルス感染症関連商材については、感染症対策の落ち着きにより、抗原検査キット、消毒剤等の売上高が減少したが、ペットボトル飲料や日用消耗品等の生活用品の売上高が順調に増加した。

感染症関連商材の特需の減少や注文数の計画未達等の影響はあるものの、主力商品の一部の価格改定等による購入単価の上昇や2022年7月の新アスクルWEBサイト構築に関連する一部機能(中堅大企業向けのWEBサイトであるソロエルアリーナサイトのオープン化)のリリースの効果等により、当社サービスによる中小企業向け、中堅大企業向け売上高は、ともに増加している。

2023年7月に本格稼働した新アスクルWEBサイトへの顧客の移行は約3割が完了しており、2024年8月までに全ての移行が完了するように進めていく。

また、前連結会計年度末に連結子会社化したAP67の事業子会社であるフィード等の業績が寄与したことや、連結子会社であるアルファパーチェスの業績が順調であることが、売上高の成長に貢献している。この結果、BtoB事業の売上高は、前年同期比で263億200万円増収の3039億1000万円(9.5%増)となった。

BtoC事業は、第3四半期連結累計期間の売上高は、LINEヤフーのコマース事業のコスト最適化によるキャンペーン変更も影響し、減収となったが、概ね計画通り進捗。第4四半期ではLINEヤフーと連携した販促施策や商材拡大等により「LOHACO」の売上高再成長を進めていく。

結果、「LOHACO」の売上高は、100億5400万円減収の263億6800万円(27.6%減)となり、BtoC事業合計で、101億6100万円減収の393億400万円(20.5%減)となった。

販売費と一般管理費は、主力商品の一部の価格改定や配送バーの変更による顧客のまとめ買いが進んだ影響等で、一箱あたり売上単価が上昇し、売上高配送費比率が減少した。一方、投資を行ってきた新アスクルWEBサイトや「ASKUL東京DC」の稼働によりソフトウエア償却費や減価償却費が増加している。

また、当連結会計年度の重点施策の一つとして、BtoB事業のサービス名称や戦略商材の取扱い認知度向上を目的としたテレビCMの実施とそれと連携したインターネット広告出稿の増加等により、売上高販管費比率が前年同期比0.4ポイント増加している。以上の結果、販売費と一般管理費は741億7000万円(6.8%増)となり、営業利益は126億100万円(19.6%増)となった。

通期売上高は、新型コロナウイルス感染対策関連商品の想定以上の需要減少および年末年始の日並びにともなう休暇の長期化などで、期初計画よりも減少する見込みであり、前回発表予想数値を下方修正する。親会社株主に帰属する当期純利益については、2024年2月29日付適時開示「損害賠償請求訴訟の判決確定に関するお知らせ」で告知した判決確定により特別利益117億円を計上したことから上方修正する。

売上高は前回予想比120億円減の4700億円(5.2%増)、営業利益165億円(12.9%増)、経常利益162億円(12.1%増)、親会社に帰属する当期利益は77億円増の180億円(83.9%増)を見込んでいる。

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