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アダストリア 決算/2月期はEC拡大や売上総利益率改善などで増収増益

2024年04月05日 11:00 / 決算

アダストリアが4月4日に発表した2024年2月期決算は、売上高2755億9600万円(前年同期比13.6%増)、営業利益180億1500万円(56.4%増)、経常利益183億8900万円(52.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益135億1300万円(79.2%増)となった。

<アダストリア>

成長戦略に沿ってコロナ禍の中でも投資を続け、外出需要とファッションのカジュアル化の追い風を的確に捉えたことで、ブランド力や商品力の向上に加え、ECの拡大も寄与し、過去最高の連結売上高・利益を実現した。アパレル・雑貨関連事業の国内売上高は、好調な外部環境に加え、猛暑や暖冬などの気候変化への適応や、トレンドに対応した商品展開、ヒット商品の育成、高付加価値化による商品価格の見直し、TVCMやポイント還元等のプロモーションなどの結果、11.5%の増収となった。

デジタル戦略では、自社EC「ドットエスティ」のTVCMとリアル店舗でのキャンペーンを連動させた「ドットエスティフェス」、人気アーティストやキャラクターとのコラボ商品などの集客施策、他社商材の取り扱いによる品揃えの拡充などを進めたことで、自社ECの会員数は前期末比200万人増の1750万人に伸長した。また、EC専業子会社のBUZZWITが前期第2四半期から子供服ECのオープンアンドナチュラル(現BUZZWIT)を連結子会社化したことも寄与し、EC売上高は10.1%増となった。

収益面は、円安による原価上昇の影響が続いたものの、「適時・適価・適量」の商品提供による在庫コントロールと値引き販売の抑制、商品の高付加価値化、商品価値とのバランスを考慮した商品の価格見直し、生産地のASEANシフトによる製造原価の抑制により、収益性の改善を図った。

また、自社ポイント制度の変更による一過性のポイント失効などの影響や、海外事業の収益性改善、前期の2023年1月に発生した自社サーバーへの不正アクセスの影響からの回復などもあり、アパレル・雑貨関連事業の売上総利益率は改善した。

その結果、連結売上総利益率は55.3%となり、前年同期比0.6ポイント改善した。販売費・一般管理費は、積極的なプロモーションによる広告宣伝費の増加に加え、従業員の処遇改善や売上高の伸長により、人件費、店舗家賃、カード手数料などが増加したが、増収効果により販管費率は48.7%と前年同期比1.2ポイント改善し、営業利益は前年同期比56.4%増と伸長した。また、為替差益2億3500万円を営業外収益に、店舗等の減損損失10億29百万円を特別損失に計上した。

来期は、売上高2900億円(5.2%増)、営業利益190億円(5.5%増)、経常利益190億円(3.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益127億円(6.0%減)の見通し。

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