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U.S.M.H 決算/2月期営業利益8.2%増、客数・客単価が回復し収益改善

2024年04月09日 15:49 / 決算

ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(U.S.M.H)が4月9日に発表した2024年2月期決算によると、営業収益7066億5700万円(前年同期比0.3%減)、営業利益69億700万円(8.2%増)、経常利益69億2900万円(6.0%増)、親会社に帰属する当期利益10億800万円(24.6%減)となった。

マルエツとマックスバリュ関東で来店客数・客単価が回復。営業収益、売上総利益をはじめとした数値の改善により、増収増益となった。一方、カスミでは2023年7月より新たなカードを発行。初動で若干の浸透期間を要したことから、営業収益は5.2%減となり、減収減益となった。だが、足元では営業収益や売上総利益高の回復基調が現れているという。

グループ全体では、売上総利益率が前期に対して0.4%改善したことで、営業総利益は1.0%増となった。販管費は、電力の使用量抑制や電力調達契約の変更などで削減を図ったが、労務費上昇や顧客の買物スタイル多様化に対応するため、ECの利便性向上やセルフレジ含む決済機能多様化、省力化機器の導入など、投資による減価償却費、販促費の増加で0.7%増と前年を上回っている。

店舗は、マルエツが4店舗、カスミが1店舗を新設。一方、経営資源の効率化を図るため、マルエツが4店舗、マックスバリュ関東が1店舗を閉鎖し、グループの店舗数は529店舗となった。

マルエツでは、リンコス 白金ザ・スカイ店を皮切りに新規4店舗オープン。「オンラインデリバリー」を44店舗、「Uber Eats」が利用できる店舗を119店舗に拡大した。「移動スーパー」2車両による販売を新たに開始。セルフレジは214店舗に導入し、全店でスマホ決済が利用可能になった。電子棚札を107店舗に増やし、需要予測型発注の運用を全店で開始している。

カスミでは、主要施策としてignica(イグニカ)ブランドのプリペイド機能付きポイントカード「Scan&Goカード」の利用率拡大に注力。発行枚数は2024年2月末時点で119万枚を超えている。2023年12月には、新たなフードマーケット業態のモデル店として、埼玉県上里町にイオンタウン上里店をオープンした。

マックスバリュ関東では、従業員の声を生かした店舗活性化を2店舗で実施し、地域住民のライフスタイルにあわせた商品・サービスを強化。特に2024年2月に活性化したマックスバリュ蕨店では、「対面販売の強化」「生鮮惣菜の強化」「当社こだわり商品の拡大」「OMOの強化」「Cafe&Dineスペースの新設」に取り組み、買物体験型スーパーマーケットとして価値を向上させた。

2024年2月には千葉市と協業し、「移動スーパー」を千葉県千葉市花見川区にて運行を開始している。

このほか、物流コストや資材価格、水道光熱費など各種コストの上昇による利益の圧迫を見据え、サプライチェーンの改革や省力化のための物流・デジタル投資の実行など、これまでとは異なる構造への転換を急ぐ手立てを打った。

具体的には、サプライチェーン改革において、物流の2024年問題を見据えて自動化・省人省力化に寄与する設備やマテハン機器を導入した共同物流センター「U.S.M.H 八千代グロサリーセンター」を2023年9月より本格稼働した。

また、製造から販売までの一貫した新たな製造小売モデルの実践例となる「INNER COLOR DELI(インナーカラーデリ)」を、サステナブル商品を取り扱うブランド「Green Growers(グリーングロワーズ)」のシリーズとして化粧品会社のオルビスと協働で企画開発し、子会社のローズコーポレーションで製造。2023年10月より販売を開始している。

デジタル施策では、2023年12月にITサービスを中心に事業を展開するベトナムのVTI JOINT STOCK COMPANYと業務提携契約を締結。「ignica(イグニカ)」をはじめとする各種プロダクト・サービスの開発を加速し、顧客価値の向上と製品展開事業の拡大を目指す。

次期は、営業収益7451億円(5.4%増)、営業利益85億円(23.1%増)、経常利益84億5000万円(21.9%増)、親会社に帰属する当期利益18億円(78.6%増)を見込んでいる。

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