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日本小売業協会/上質なサービス嗜好への取組を紹介

2009年07月07日 / トピックス

日本小売業協会・生活者委員会は7月1日、報告書「プレミアム・マーケティング~上質な生活時間を求める生活者の研究~」をまとめた。食品製造業、百貨店などの取組の講演と講演者のディスカッションを収録したもので、資生堂、虎屋、ザ・リッツ・カールトンホテル日本支社など6社の事例の講演内容が収録されている。

報告書では、小売業におけるプレミアム戦略を追求し、エモーショナル、バリュープライス、オプティマム、本質回帰のキーワードで低減・整理している。表題のプレミアム・マーケティングについては、谷口正和・ジャパンライフデザインシステムズ社長が小売店の店頭を「ライブシアター的な側面を持たせ、店頭をただ単純に商品が陳列された倉庫にせず、店頭そのものを劇場や教室に置き換えることが顧客への新しい価値創造につながる」と指摘。どのような顧客サービスを店頭に付加できるかが今後の課題になると指摘している。

これに連関した取組では、守谷一誠・資生堂顧問/明治大学大学院講師が資生堂の「太く強い」ブランド戦略を紹介している。資生堂は商品のラインナップが増えたため、新製品を出しては売上を作るという「消耗のマーケティング」からの脱却を試み、太く強いブランドの育成を掲げた。このため、可能な限り多数の店頭で扱ってもらい、顧客に喜んでもらえることを目指す「顧客接点拡大ブランド」と、顧客ニーズに独自の価値を提供し、関係性を強化する「顧客接点深耕ブランド」に商品を大別。拡大ブランドはカテゴリートップを目指し、中・低価格帯のマスブランドで考え、深耕ブランドは雑誌宣伝を中心にカウンセリング・売場環境を整える展開を行っている。

また、高野登・ザ・リッツ・カールトンホテル日本支社支社長は現場の従業員を「仕事人」と考えることで、仕事人一人ひとりがその場で考え、提案したこと、自分がいつも思いながらチームの中で共有していることが認められる点が重要とした。そのためには「みんなが考える」ステージを用意する必要があり、常に考えることを企業体質に組み込まないとできないと述べている。

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