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セブンイレブン/ネットコンビニ「7NOW」2023年度・1万2000店に導入

2023年03月03日 15:50 / EC

セブンーイレブン・ジャパンは3月3日、2023年度中に1万2000店にネットコンビニ「7NOW(セブンナウ)」を導入すると発表した。

現在、一都三県・札幌・広島の約5000店舗で7NOWを実施しており、2023年度中に1万2000店舗に導入、2024年度中に全国導入を目指す。

<7NOW>
7NOW

7NOWは、セブンイレブンの店舗の商品をスマートフォンで注文し、最短30分で届ける配達・宅配サービス。注文可能時間は9時~22時15分で店舗によって異なる。配達時間帯は、10時~23時。現在の配達エリアは、北海道・埼玉・千葉・東京・神奈川・広島の一部地域に限定されている。

対象商品は、おにぎり、揚げ物、冷凍食品、スイーツなど、セブンイレブン店舗で販売する約2800アイテムとなる。7iDにログインして注文する方法のほか、ゲストとして会員登録不要での購入もできる。

配達可能エリアは、概ね2km程度で、都市部や郊外など立地によって異なる。7NOW専用サイトから注文し、商品価格は店頭と異なり、数%の配送料を加味した価格となる。

配送料金は、1回の利用につき税込110円~550円。ダイナミックプライシングを採用しており、深夜時間、早朝といった利用時間帯は、配送料金が高めに設定されている。発注数が多いことにより、配送料金が上昇することはない。また、一部エリアでは、税抜1000円未満での注文時は、別途少額注文配送料金220円がかかる。

酒・たばこといった販売許可が必要な商品も販売するが、たばこ購入時は、注文条件に限らず550円の配送料金がかかる。切手など、一部商品は配達できない。

支払い方法は、サイト上での「クレジットカード決済」または「コード決済(PayPay・au PAY・d払い)」となる。

<安達マネジャー(右)>
安達マネジャー(右)

3月3日に開催した、7NOW概要説明会で、企画本部ラストワンマイル推進部の安達到マネジャーは、「7NOWのコンセプトは、手のひらにセブンーイレブンで、スマホの数だけ店になる。全国の2万1402店というお客様に近くて便利なお店を在庫拠点とすることで、手頃な価格・配送料で、店内のほぼ全ての商品を10時~23時まで、最短30分で、全国で届けられるサービスを実現した」とサービスの概要を解説した。

フランチャイズ加盟店の負担を軽減したのが特長で、リアル店舗の店頭在庫とネット上の在庫をリアルタイムで連動させた。そのため、お客は、注文時の店頭在庫をスマホで見ながら注文できる。店舗には、音楽と音声で注文が入ったことを通知する。

店舗の従業員は専用端末で、商品のバーコードをスキャンすることで商品ピックアップを行う。専用端末では、商品カテゴリー順に商品を表示することで、商品が探しやすく、店内での無駄な動きを削減する。また、商品画像を表示することで、商品を間違えない工夫をした。さらに、商品をスキャンするだけで、売上連携が完了し、在庫も変動する。

商品ピックアップ後は、各エリアごとに連携する配送業者が集荷し、配送員が商品を届けるため、店舗従業員の配達作業は発生しない仕組みとした。

デリバリーサービスのウーバーイーツを活用した配達・宅配サービスを活用する競合コンビニもあるが、発注から配達までの仕組みを自社で構築したことで、デリバリーサービスの利用料金を削減でき、より安価に配達・宅配サービスを提供できるという。

7NOWは、2014年8月に広島地区5店舗でセブンミールの商品をセイノーホールディングスの子会社ココネットで配送する実験を開始した「セブン-イレブン ネットコンビニ」が進化したサービスとなる。現在、配送パートナー会社は1社に限らず、エリアごとに複数の事業者をパートナーとしている。

2020年10月からリアルタイム在庫連携を開始、2020年12月から最短30分のお届けを開始し、2022年2月から本格的に実施店舗を拡大してきた。

2018年から実験店舗を拡大した「セブン-イレブン ネットコンビニ」は、札幌、広島で実証実験を行った。当日は、1店あたり1日10件の受注、客単価2000円、平均日販で2万円の拡大を目標数値としていた。

現在、7NOWで好調な店舗では、1日21件の注文があり、5万4219円の売上となっている。店舗の平均客単価約700円で割ると、客数約80人分に相当する。2022年度の7iD会員分析によると、セブンーイレブン店舗への来店客は、40代、50代が多いが、7NOWは30代、40代が多くなっている。

7NOWで売れている商品は、「セブンプレミアム毎日の食卓牛乳1L」「おでん味しみ大根」「ななチキ」「おでん味しみたまご」「ポカリスエットPET500ml」「セブンプレミアムフレッシュ新鮮たまご10個」「からあげ棒」「アメリカンドッグ」「ななチキレッド」「手巻おにぎりツナマヨネーズ」となっている。

7iD会員を分析すると、2022年11月時点での、店舗の平均買上点数は3.4品、7NOWの買上点数は9.9品で、店舗の2.9倍となった。また、客単価は店舗が693円に対して、7NOWは2366円となり3.4倍となった。

2021年3月~11月と2022年3月~11月までの店頭利用のみから併用利用につき変化した7iD会員の利用金額を分析すると、7NOWで購入したお客の店頭来店購入は減ることがなく、店頭利用はそのままで、7NOWの買い物が新たな買い物のタッチポイントとして、利用されているという。

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