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セブンイレブン/本社ビル内で「7NOW」注文商品のロボット配送実証実験

2023年03月03日 16:50 / IT・システム

セブンーイレブン・ジャパンは3月13日~2024年2月、東京都千代田区の本社ビルで、ネットコンビニ「7NOW」の仕組みを活用した配送手段として、ロボット配送の実証実験を実施する。

<配送ロボット>
配送ロボット

セブン&アイ・ホールディングスが2021年7月に発表した「中期経営計画の2021ー2025」では、グループ重点戦略として、ラストワンマイルへの挑戦を掲げており、その一環として、ロボット配送を行う。

3月3日、千代田区の本社で開催したロボット配送実証実験の記者会見で、企画本部ラストワンマイル推進部の長尾大志マネジャーは、「現在、7NOWでは、エリア別配送手段を考えている。離島・山間エリアではドローンを活用、住宅エリアでは店舗がからのセブン安心お届け便、EV配送といったサービスを活用する。そして、都市部エリアでは、配送ロボットの活用を検討している」と述べた。

<長尾マネジャー(左)>
長尾マネジャー(左

今回、香港のRice Robotics社が開発し、ソフトバンクグループのアスラテックが日本国内向けの開発、販売、導入にあたってのシステムインテグレーション、カスタマーサポートなどを行う自律走行型の屋内配送ロボット「RICE(ライス)」を活用する。

ライスは、人と協調して働くことを前提に設計されており、人との衝突を回避したり障害物を避けたりする機能などを備えている。エレベータと連携することで、異なるフロアに荷物を届けることも可能だ。

<注文から配送までの流れ>
注文から配送までの流れ

本社の従業員が、セブン-イレブンネットコンビニである「7NOW」を使って商品を注文すると、本社7階にある直営店「セブンーイレブンFSガーデンビル店」のスタッフがライスに商品を載せ、配送先を選択すると、ライスがエレベーターに乗って指定されたフロアへ移動する。ライスを建物内で稼働させるためには、エレベーターをIoT化する必要があるため、施設の改修工事が必要となる。

<スタッフが商品を載せる>
スタッフが商品を載せる

<エレベーターと連携し配送>
エレベーターと連携し配送

ライスには、施設内の地図を覚えさせることができ、会議室など指定された配送先に到着すると、注文者のスマートフォンに暗証番号が通知され、ライスに暗証番号を入力することで商品を取り出すことができる。

<配送中>
配送中

<お客が商品を取り出す>
お客が商品を取り出す

ライスは、ホテルやオフィスビル、ショッピングモール、病院、高層住宅、飲食店、量販店など、屋内のさまざまな施設で活用することができる。また、物品の配送だけでなく、お客の先導・案内といった用途にも利用可能だ。

一度に複数の注文を受けて、複数カ所に商品を配送することもできるが、配送できる商品量に限りがあるため、実証実験では、1注文1配送で行う予定だ。荷物スペースは、高さ40cm、幅30cm、奥行30cmで、最大で10kgまでの商品を運ぶことができる。

<2021年の実証実験の様子>
2021年の実証実験の様子

2021年1月18日~6月30日、ソフトバンク、アスラテックと共同で、ソフトバンクの社員が「セブンーイレブンネットコンビニ(現7NOW)」で注文した商品を、ライスで、東京ポートシティ竹芝オフィスタワー内のセブン‐イレブン店舗から同じフロアの指定された場所まで配送する実証実験を行っていた。東京ポートシティ竹芝オフィスタワー内では、実証実験後も、ライスによるロボット配送を継続しており、実装段階となっている。

東京ポートシティ竹芝オフィスタワー内の実証実験は、オフィス内でのロボット配送をメインにした実証実験にセブンーイレブンが参加する形態だった。今回は、セブンーイレブンが主体となって、ネットコンビニのラストワンマイルを埋める施策として、ロボット配送を活用するための実証実験となっている。

今後の展開については、オフィスビルのほか、病院内、工場といった事業所での福利厚生的なサービスの一環として、ロボット配送を実装できるかを検証する。福利厚生的なサービス導入を想定しているため、ロボット配送による配送料は無料とする予定だ。

現在、オフィスビルの運営会社や事業者などからの問い合わせがあるため、実証実験先を順次、拡大する計画だ。また、将来的には、公道を走行できる自動配送ロボットによる実証実験も検討している。

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