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楽天、西友/横須賀市で「自動走行ロボット」配送サービス

2019年09月19日 18:00 / IT・システム

楽天と西友は9月21日~10月27日、神奈川県横須賀市の「西友 リヴィンよこすか店」から港湾緑地「うみかぜ公園」へ自動走行ロボット(UGV:Unmanned Ground Vehicle)を活用して商品を配送するサービスを実施する。19日、配送サービスのデモンストレーションを実施した。

<自動走行ロボット>
自動走行ロボット

楽天とウォルマートの業務提携の取り組みの一環として、自動走行ロボットを活用した商品配送サービスを行うもの。

今回は、「西友 リヴィンよこすか店」に隣接する「うみかぜ公園」でピクニックやバーベキューを楽しんでいる人に向けて、店舗で販売している精肉、野菜、飲料、弁当、消耗品などを配送する。

<うみかぜ公園での配送の告知>
うみかぜ公園での配送の告知

配送料は1回税込300円で、ピクニックで虫よけを忘れた、飲み物やお菓子が追加で欲しい、バーベキューで肉やお酒を追加で購入したいといったニーズに対応する。両社によると、自動走行ロボットを使った配送サービスを有料で行うのは、日本初の取り組みとなる。

自動走行ロボットは、最大積載重量50kgで、大4つ、小7つのボックスを備えている。最大時速は20kmだが、今回は、人の歩行速度以下となる時速5km~6kmで運行する。

<楽天ドローンアプリで注文>
楽天ドローンアプリで注文

サービスはスマートフォン専用アプリから利用でき、「西友 リヴィンよこすか店」で取り扱う、生鮮食品を含む食材や飲料、救急用品など約400品目の商品を注文できる。

<アプリの注文画面>
アプリの注文画面

今回は、期間中の土曜・日曜の週2回、注文受付時間は8時からで、最大で1日6便、1便あたり2拠点への配送で、12件の配送を予定している。雨天時はサービスは中止する。

<商品の搬入>
商品の搬入

利用者は、「楽天ドローン」アプリをダウンロードし、楽天IDログインする。アプリ内の希望商品を指定し、提示される配送可能時間帯と場所を選択し、楽天ペイで支払いすると注文が完了する。

<商品受け取りは暗証番号で管理>
商品受け取りは暗証番号で管理

配送状況は、アプリ上で確認でき、商品が到着するとアプリにプッシュ通知が届き、通知に記載された暗証番号を自動走行ロボット後部のタッチパネルに入力することで、商品を受け取ることができる。

<商品を受け取ったのち保冷バッグは返却する>
商品を受け取ったのち保冷バッグは返却する

楽天の安藤公二常務執行役員インベストメント&インキュベーションカンパニーシニアヴァイスプレジデントは、「人手不足による配送クライシスや買い物困難者の増加といった課題がある中で、楽天は自動走行ロボットやドローンを活用した技術で対応していく。1人でも多くの方に、未来の買い物体験をしてもらいたい」という。

自動走行ロボットの本格的な社会実装に向け政府は、2019年度内に官民による協議会の立ち上げや公道上での実証を実現するための基準策定などを予定している。

楽天は、早期に一般利用者に自動走行ロボットの利便性を体感していただく機会を設け、自動走行ロボットによる配送の実績を重ねることで、公道を含む様々な場所におけるサービスの本格実現を目指す。

<楽天の安藤常務執行役員>
楽天の安藤常務執行役員

西友の野村佳史ドットコム事業本部ディマインド・クリエーションバイスプレジデントは、「ドライバー不足の課題があり、将来的に次世代配送の時代がやってくる。新たらしいテクノロジーを早期に取り入れることで、時代の変化にいち早く対応したい。新しいサービスは実際に運用してみないとお客様の動向が分からないので、楽天との取り組みを通じて、配送料金の設定などサービスを進化させていきたい」と語った。

<西友の野村バイスプレジデント>
西友の野村バイスプレジデント

今回の取り組みは、猿島の配送サービスと同様に、横須賀市が推進するスマートモビリティ(賢い移動運搬手段)を活用した新規ビジネス創出や社会的課題解決を目指す「ヨコスカ×スマートモビリティ・チャレンジ」の一環となる。

<ドローンによる配送サービスも>
ドローンによる配送サービスも

先行して7月4日~9月28日、「西友 リヴィンよこすか店」から1.5km先の離島「猿島」へのドローン配送サービスを実施している。ドローンの配送料金は1回500円で、期間中の木、金、土の3日間限定でサービスを提供している。直近では、猿島に観光やバーベキューで訪れる人の利用があり、注文数70以上、配送商品数450以上の実績となった。

両社は今後も、ドローンおよび自動走行ロボットを活用した無人配送や協働運営する「楽天西友ネットスーパー」などにおけるイノベーションを通じて、新たな利便性の提供とショッピング環境の向上を図り、より便利で豊かな生活の実現に向けて協力するという。

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