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NEC/サントリービールがAI活用した設備の異常予兆検知システムを工場に導入

2022年02月18日 12:40 / IT・システム

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NECは2月18日、サントリービールに、AIを活用した設備の異常予兆検知システム「NEC Advanced Analytics-インバリアント分析」を提供すると発表した。

システムは、NECのAI技術群「NEC the WISE」の一つ「インバリアント分析技術」を使った「NEC Advanced Analytics-インバリアント分析」を中核として構築する。

「インバリアント分析技術」は、大量に収集したセンサーデータの中に埋もれている、システムの特徴を表す普遍的な関係性(インバリアント)を、対象のプラントシステムのドメイン知識に頼らず自動で網羅的に抽出してモデル化し、モデルと一致しない、通常と異なる挙動を「サイレント障害」として検知するAI技術。

<システム概要図>

具体的には、「PLC(Programmable Logic Controller)」などの制御システムを通じて設備に設置されている多数のセンサーから大量の時系列データを収集・分析して、センサー間の不変的な関係性(インバリアント)をモデル化し、予測されるデータの変化と、実際のデータを比較することで「いつもと違う」という状態を予兆段階で検知する。

また、ホワイトボックス型AIの特長を生かして、「どこがどのような理由で異なるのか」といった、保全現場でのアクションに必要な情報を提供する。

システムは、サントリの「サントリー〈天然水のビール工場〉京都」に新設される缶の充填ラインで5月下旬からの稼働開始を予定する。

同工場で4月に稼働するIoTを活用した缶充填の新ラインにシステムを導入。制御システムが管理する電流値や電圧値などの約1500のセンサー情報からセンサー同士の関係性を自動的に発見して関係性に変化が起きた際にアラームを出すようにすることで、設備の異常を予兆段階で検知し、早期対処を支援する。

<充填機>

同時に、新たな試みとして、充填機の設置されている部屋内にマイクを設置し、いつもと違う音の特徴を見ることで早期の異常検知が可能かを検証。施策を通じて、人による属人的な保全業務の脱却や作業負荷の軽減、早期の異常検知につなげる。

従来、大量生産を行う製造現場の生産ラインでは、現場担当者が設備のセンサーデータを活用して、しきい値による監視を中心に行っていた。しかし、個々のデータの微細な変化を捉えるためには経験やノウハウが必要で、これらの継承が課題となっていった。

サントリービールでは今回、こうした課題解決のため、AIで設備の異常を検知するシステムを導入した。NECでは、サントリーグループのIT技術を担うサントリーシステムテクノロジーと協働でプロジェクトを進める。今後はサントリーグループ各社への展開も視野に入れている。

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