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イル パンツェロット/イタリア発「包み揚げピザ専門店」代官山に上陸

2019年01月22日 16:40 / 店舗レポート

エンポリオは1月25日、東京・代官山にイタリア・ミラノで人気の包み揚げピザ専門店「IL PANZEROTTO(イル パンツェロット)」をオープンする。22日、関係者向けに内覧会を開催した。

<イル パンツェロット>
イル パンツェロット

パンツェロットとは、イタリアプーリア州のソウルフードで、第二次世界大戦の最中にプーリア州で生まれ、貧困の時代にパン種を揚げて作ったのが始まりと言われている。

イタリアでは、気軽に楽しめる、おにぎりのような存在で、朝食・昼食・おやつ・お酒のつまみなど、幅広い生活のシーンで食べられているメニューだという。

イル パンツェロットは、プーリア州出身のジョゼッペ ダレッシオ氏(弟)とマリエッラ ダレッシオ氏(姉)の兄弟が2013年にミラノで創業した。

<ダレッシオ兄弟と店長の鈴木氏(中央)>
ダレッシオ兄弟と店長の鈴木氏(中央)

イタリア本国の店舗は、世界最大の旅行口コミサイト・トリップアドバイザーで「優良な店舗」として認定を受けている。

伝統的なパンツェロットは、トマトやチーズなどの具材をカットしてピザに乗せるのと同様に包み込んでいるが、ダレッシオ兄弟は、具材をミンチにして混ぜることで、生地のどこをたべても同じ具材のおいしさが感じられる製法を開発した。

ピザ生地に牛乳を加え、生地は通常よりも薄くのばすことで、パリッと香ばしい食感を実現した。生地に独特のひねりを加えることで、さっぱりした食感を生み出しているという。

<クラシコ>
クラシコ

伝統的なパンツェロットの味わいを再現した「クラシコ」(税込500円)は、モッツアレラチーズ・トマトソース・オレガノを具材に使用している。

元々は、プーリア州の代表的な家庭料理であったため、具材はシンプルであまりバリエーションがなかったが、ダレッシオ兄弟は、「プロシュート」「サーモン」「サラミ&クリームチーズ」「ポテト」(各650円)、「チーズ&ミート」(600円)など、さまざまな具材を入れることで、パンツェロットの新たな魅力を引き出したという。

<具材をミンチにしたのが特徴のひとつ>
具材をミンチにしたのが特徴のひとつ

揚げたての商品はピザに近い食感だが、冷めた商品は揚げパンに近い食感になり、できたてと持ち帰りでそれぞれ異なった味わいが楽しめるのが特徴となっている。

食べ方も、揚げたてを好む人、冷めたものを好む人とそれぞれで、自分好みの食べ方を探る楽しさも提供したいという。

<チョコラータ>
チョコラータ

ヘーゼルナッツを使用したチョコレートのヌテラチョコスプレッドを使用した「チョコラータ」(600円)など、スイーツ系の商品も新たに開発した商品で、カフェタイムに楽しめるスイーツ系商品も打ち出していきたいという。

パンツェロットの大きさは、縦約11cm×横約17cmで、イタリア本国と同じ大きさとした。使用する食材も可能な限り、イタリア本国と同じものを使用して、イタリア本国と同じ味わいを再現した。

<1階の全景>
1階の全景

エンポリオの鈴木一郎社長は、「6年前にイタリアで、イル パンツェロットに出会って、胸焼けしない、さっぱりした、消化にいい商品で、3つくらいを食べてしまった。親子三代にわたりパンツェロットを作っているダレッシオ家の若い兄弟が、伝統的な料理を新しい形に変えたことにも感銘を受け、日本上陸を決意した。今後、日本で100店くらい展開したい」と語る。

店舗面積は、1階約60m2、地下1階約60m2、合計約120m2。1階に注文カウンター、厨房、カウンター席4席を配置した。地下1階は客席専用フロアで、カウンターとテーブルで22席を用意した。

<地下1階の全景>
地下1階の全景

1階はイタリア・ミラノ本店をイメージしてデザインした。地下1階は、旗艦店として、イル パンツェロットの歴史を感じられることをコンセプトに、プーリア州の街並みやミラノ本店の外観をイメージした壁画を描いた。

<プーリア州の街並み>
プーリア州の街並み

サンペレグリノ(炭酸入りミネラルウォーター)、コカ・コーラ、ジンジャーエール各300円、エスプレッソ、コーヒー(ホット・アイス)各350円、カフェラテ(ホット・アイス)各400円、サンペレグリノオレンジ・レモン各500円といったソフトドリンクを販売。

イタリアのビール・モレッティ650円、ハウスワイン赤・白各350円、グラスワイン赤・白各600円、スパークリングワイン600円、フルーツスパークリングワイン650円、アマレットジンジャー600円、ミモザ700円、ベリーニ700円といったアルコールも販売する。

イタリアでは昼からお酒をたしなむ文化があるため、11時30分から20時までの営業時間中は終日、アルコールを提供する。もっとも、パンツェロットと相性が良いお酒はビールだという。

<メニュー>
メニュー

平均客単価は、ランチは800円から900円、ディナーはアルコール込で1000円以上を想定している。

胸焼けしない、さっぱりした味わいが特徴で、店内で小麦粉から作る生地は熟成に2日を要する。オープン当初は、1日あたり500~700個の販売を目指す。

<商品ディスプレイ>
商品ディスプレイ

イタリア本国では22種類程度のパンツェロットを販売し、毎月、1つは新商品を発売し、商品の入れ替えを行っている。日本でもオープン当初は7アイテムだが、今後、販売アイテム数を拡大する予定だ。

伝統的な食事系のパンツェロットのほか、チョコレートなどスイーツを使用したおやつ系のパンツェロットにも注力する方針で、現在、日本オリジナルのりんごとカスタードを使用した商品を開発している。

お花見の時期に合わせて、レギュラー商品よりも小ぶりなパンツェロットを詰め合わせたお花見セットといった商品も販売する予定だ。

<店舗後方にオープンキッチンを配置>
店舗後方にオープンキッチンを配置

イタリア本国では、サイドメニューも販売しているが、日本国内では、パンツェロット単品でも食事として完結できると考え、サイドメニューは販売しないという。

商品開発を担当しているジョゼッペ ダレッシオ氏は、「イタリアでは各地域の食文化を大切にする文化があるため、ミラノではパンツェロットを知らない人もいた。プーリア州のソウルフードを、もっと多くの人に知ってもらうために、ミラノ近郊にイル パンツェロットを創業した。これが本物のパンツェロットだという思いを込めて、店舗名にパンツェロットを採用している。日本の皆さんにも是非、本物のパンツェロットを味わってもらいたい」と語る。

<注文カウンター>
注文カウンター

商品は、できたてを店内で食べるほか、テイクアウトにも対応している。イタリア本国では、売上の約60%がテイクアウトとデリバリーとなっている。

日本でも、ウーバーイーツなどの宅配サービスを利用したデリバリーも実施したいという。

<レジ>
レジ

エンポリオは、輸入雑貨の卸売業を展開しているが、2016年6月に韓国で人気のかき氷カフェ「ソルビン」を日本に上陸させて成功をおさめた。

ソルビンが成功した実績もあることから、今回、イル パンツェロットのアジアにおけるマスターフランチャイズ契約を締結している。

日本国内の2号店の計画はまだ未定だが、路面店に限らず、ショッピングセンターへの出店も想定している。

すでに韓国でも出店向けた準備が始まっており、アジアでもイル パンツェロットを出店したいという。

<店内には調理道具もディスプレイしている>
店内には調理道具もディスプレイしている

店舗概要
所在地:東京都渋谷区代官山20-9
HBLD代官山1階・地下1階
交通:代官山駅北口降りてすぐ
営業時間:11時30分~20時
TEL:03-6416-0824
定休日:不定休
業態:テイクアウト、イートイン
店舗面積:約120m2
座席数:26席(全席禁煙)

■IL PANZEROTTO
http://www.ilpanzerotto.jp/

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