イオンモール/「新しい生活様式」対応の感染防止策を公開
2020年05月28日 16:40 / 店舗レポート
イオンモールは5月28日、千葉市の「イオンモール幕張新都心」で、同社が実施している新型コロナウイルス感染拡大防止策の取り組みを開店前に報道陣に公開した。
政府の緊急事態宣言が終了したことを受け、同日から、専門店を含む全館で営業再開したことに伴うもの。モール内で、新型コロナウイルスの感染リスクを高めるとされる、「密閉」「密集」「密接」を避けるための各種施策について、担当者が説明した。
幕張新都心では、館内の8カ所の出入口で、入口と出口を分け、AI検温ソリューション「SenseThunder(センス・サンダー)」による検温を実施している。検温により、お客に対して、自身の体調を知らせることで、発熱等の症状がある場合、入館を遠慮するように広報している。
従業員の体調管理のため、従業員専用入口にもAI検温ソリューションを導入。全館で合計40台の検温ソリューションを配置した。
すべての出入口に手指消毒液を設置したほか、エスカレーターの手すりなど、お客が管内で高頻度で接触する部位の消毒を行っている。
全ての入口を開放し、換気を強化するほか、館内換気システムを最大限稼働させるとともに、館内の空気の流れをつくり換気を促進している。
館内の総合スーパーと専門店の境や吹き抜けなど、人の往来が多い場所を選び、あらたに館内8カ所にサーキュレーターを設置。床から天井に向けて空気の対流を起こすことで、換気を促している。
イオンモールでは、館内の各入口に入館管理システムを導入しており、館内の入館者数をリアルタイムで把握している。入館管理システムを活用して、「密閉」「密集」を防ぐため、独自の「密集指標」と「密閉指標」を算出している。
指標は、厚生労働省が発表した商業施設における換気の基準を参考に作り上げた。この2つの指標に基づき、混雑度を算出し、混雑度が80%を超えると30分に一回、館内の混雑を伝えるアナウンスを実施する。
混雑度が90%を超えると入場制限を実施し、入場制限を行っていることを館内でも15分に1度アナウンスする。入場制限が解除された時は、10分に1度、合計3回、入場制限解除のアナウンスを行う。
フードコートの客席は、向かい合わせに人が着席することがないように席の間引きを実施。着席禁止の用紙をテーブルや座席に貼ることで、必ず、1人分のスペースを空けて着席するレイアウトに変更した。通常約1500席の客席を約50%削減し、約750席で運用している。
フードコートやインフォメーションカウンターなど対面での接客を伴う箇所には、アクリル板、ビニールカーテンなどを設置することで、飛沫感染防止を図っている。
エスカレーターでは、4段を目安に前の人と間隔をあける目安を表示し、エスカレーターの密集を避けている。
イオンモールは、中国・武漢でもモールを展開している。日本に先駆け、新型コロナウイルスの拡大が始まった中国では、社会的規制が日本とは異なる。また、中国以外の海外のモールでは、日本に先駆け営業を再開しているモールもある。
そこで、海外で先行した取り組みを日本でも導入した。武漢では、エレベーターの内部を4区画に分けて運用しており、幕張新都心でも、エレベータの内部を4等分に区分けしている。
イオンでは、各エリアでの営業再開にあたり、「キープ ディスタンス」(社会的距離の確保)をキーワードに、各種取り組みを導入している。エスカレーター前や広場の大型ビジョンでも、「キープ ディスタンス」の」取り組みを動画や映像で告知している。
「キープ ディスタンス」の取り組みを館内各所で伝えるため、エスカレーター前など人の往来が多い場所に、新たにデジタルサイネージ25台を増設した。
今後も、お客にとって、何よりも安全・安心な場所であるためのさまざまな取り組みを実施し、お客への協力のお願いも継続して実施するという。
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