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セブン&アイ/千葉県松戸市に新コンセプト店舗「SIPストア」オープン

2024年02月27日 19:11 / 店舗レポート

セブン&アイ・ホールディングスは2月29日、セブン&アイグループの新たなグループシナジー創出に向け、千葉県松戸市に新コンセプト店舗「SIPストア」として「セブン‐イレブン松戸常盤平駅前店」をリニューアルオープンする。27日、現地で店舗内覧会を開催した。

<セブン‐イレブン松戸常盤平駅前店>

セブン‐イレブン・ジャパンの永松文彦社長は、「SIPストアは、グループのシナジーを表現した店舗になる。セブンイレブンが50年間培ってきたコンビニエンスストアのノウハウに加えて、イトーヨーカドーをはじめとしたグループ各社の良さを持ち寄ってシナジーを発揮する店舗としてオープンする」とあいさつした。

また、「コロナ禍であり、働き方改革であり、そして、この直近の半年間でのインフレということがあり、時代の在り方が大きく変わってきた。その時代のあり方に対して、次世代に向けた店舗の在り方を表現した店舗として、ここでのノウハウを拡大したい」と述べた。

<永松社長(左)と加藤部長(右)>

イトーヨーカドー執行役員の加藤聖子食品事業部長は、「SIPストアについて、イトーヨーカドーとしても推進チームを立ち上げて、セブンイレブンとともに店づくりに貢献してきた。スーパーストア事業の得意とする、生鮮食品の品ぞろえ、売り方、商品管理について、ノウハウ、知識をSIPストアに取り入れることができた。一方で、SIPストアの商品構成、品ぞろえをイトーヨーカドーの小型店にも生かして、さらなる進化をしていきたい」と語った。

<店内レイアウト>

2022年8月、セブン‐イレブン・ジャパン(SEJ)とイトーヨーカ堂(IY)は「SEJ・IY・パートナーシップ(通称SIP)」を立ち上げ、商品やサービスにおける相互供給、アプリを通じた相互送客などの販売促進、店舗オペレーションといったテーマにおいてシナジーの最大化を進めてきた。

セブン&アイグループの強みを集結した「SIPストア」は、急速な環境変化の中で大きく変化する顧客の消費行動や生活に対する価値観、また、幅広いニーズに対応するために、商品などにグループの知見を活かしたテスト店舗として位置付けている。今後、検証を進めていくとともに、異なる商圏特徴を持った場所でのテスト店舗展開も検討する。

<山口部長>

セブン‐イレブン・ジャパンの執行役員の山口圭介ラボストア企画部長は、「セブンイレブンの平均日販は、この20年間、70万円程度で推移している。しかし、取り込めていないニーズがまだあり、イトーヨーカドーを中心とした、ロフト、赤ちゃん本舗のリソースを活用すれば、まだ伸びる。あらゆる事業会社とのシナジーを考えた、次世代のセブンイレブンを模索するのがSIPストアの趣旨だ。新業態、ミニスーパーといった事前報道があったが、そういうことではない。この店を多店舗展開するのではなく、この店で検証した取り組みを拡大するための店舗だ」と実験店舗の役割を解説した。

<青果コーナー>

店舗は今後の新たなセブン‐イレブンの姿を検討していくため、通常店舗よりも売場面積を広げ、品ぞろえの拡大を図った。今回、「Peace Deli」で製造された鮮魚や精肉を取り扱うなど、イトーヨーカドーが持つ生鮮食品の品ぞろえ、展開方法、商品の管理方法のスキル、ノウハウを活かした取り組みを行った。

<Peace Deliで製造した鮮魚や精肉を展開>

セブン‐イレブン松戸常盤平駅前店の店舗面積は、約290m2で標準的なセブンイレブンの約2倍に拡大した。取扱アイテム数は約5300で、内訳は既存のセブンイレブン商品約3300、イトーヨーカドー、ロフト、赤ちゃん本舗といったグループを生かした商品約2000となっている。

<セールスカウンター>

セブンイレブンの強みを生かすため、カウンターを拡大し、7カフェ、7ティー、スムージーを販売する。

<カウンターファストフード>

カウンターファストフードとして、定番のおでん、中華まん、フライヤー商品に加えて、パン、焼き立てピザを加えた。

<焼き立てピザ>

カウンターファストフードを売り込むため、レジ上には電飾掲示板を設置。7カフェやパンなどをアピールしている。

<内食需要に対応した品ぞろえ>

日配食品では、イトーヨーカドーでも展開するセブンプレミアムの商品を多数取りそろえ、内食の需要に対応する。IY開発ブランドの冷凍食品「EaseUP」も導入した。

<冷凍食品売場>

セブンイレブンで展開し好評となっている100円ショップ「ダイソー」の商品については、冷凍食品との関連性を考慮して、保冷バッグや弁当グッズなど、調理グッズを集めて展開している。

<ダイソー商品も販売>

グループシナジーの追求では、ロフトコーナーを設置。商圏特性を踏まえて、バラエティ雑貨やコスメなどの買い場がなく、親和性が高いと判断したとしている。

<ロフトコーナー>

また、赤ちゃん本舗の商品も新たに導入した。高齢者の多い商圏だが、ファミリー層の取り込みを狙い、赤ちゃん本舗の全面協力により、商品選定と販促物を含む売場づくりを行った。

<赤ちゃん本舗コーナー>

さらに、環境配慮への取り組みとして、実験的にナッツ類、チョコレート、グミの量り売りコーナーを設けた。欲しい量だけ買えるニーズについて検証をする。

<量り売りコーナー>

■セブンーイレブン松戸常盤平駅前店
所在地:千葉県松戸市常盤平1-20-1
売場面積:約290m2
取扱アイテム数:約5300アイテム

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