三井住友銀行/「Olive LOUNGE 下高井戸店」10/7オープン、学生などの利用見込む
2024年10月04日 17:16 / 店舗レポート
三井住友銀行は10月7日、三井住友銀行と三井住友カードの共同商品「Olive(オリーブ)」をモチーフとした新コンセプト店舗「Olive LOUNGE(オリーブ ラウンジ)下高井戸店」(東京都世田谷区)をオープンする。4日、メディア向け内覧会を開催した。
CCCグループとの共同企画である「Olive LOUNGE」は、銀行の店舗を広く開放。他テナントと共存したオープンスペースで顧客に心地良く過ごしてもらい、「Olive」アカウント契約の特典を感じられる空間を目指す。従来の銀行窓口は9時~15時営業が一般的だが、土日祝日問わず利用できるようにした。5月に開設した1号店「渋谷店」は、幅広い客層が利用しているという。
今回の店舗は「三井住友銀行 下高井戸支店」を改装したもの。設計コンセプトは「下高井戸の森」。豊かなグリーンが外構から店内へと緩やかにつながることをイメージし、下高井戸の新たな交流拠点となるようリニューアルした。カフェのある1階、コワーキングスペースと銀行窓口を持つ2階各フロアには、アイデアや閃きのヒントになる本、金や暮らしに関する書籍が並ぶ。
Olive LOUNGEについて、三井住友銀行の泉純 チャネル戦略部長は「たくさんのお客様を増やし、銀行の経済価値につなげていく。従来の銀行は、取引するためだけの場所で、ふらっと入ってくる人はまずいない。お客様が普段の生活でご利用する場所で、銀行のサービスを受けられるようにする。15時にシャッター下げる銀行を、7時~22時まで誰でも利用できる場所に変えていく。
Olive LOUNGEそのものは広告塔に当たる。フラッグシップ店としてオープンした渋谷店の実績では、通常の銀行利用者数が約3.5倍に増えた。Olive(金融サービス)の案内についても、ストア(商業施設内の小型店)と比較して約1.4倍ほど顧客を獲得できている。渋谷店は広告塔として一定の成果を上げた。
渋谷店がスターバックス、シェアラウンジも含めてデイリーで1500人利用しているのに対し、下高井戸店は約1000人の来客を想定している。地域に住む主婦・学生の来客を見込む。Oliveは、若年層の方によくご利用いただいている商品。どう呼び込むかが課題だ」と説明している。
下高井戸店について、中村裕信 リテールIT戦略部長は「地域の方にリピートいただくことを大事にしたい。渋谷とは、街並・地域性・お客様が異なる。落ち着いた雰囲気の中でくつろいでもらい、Oliveを好きになって頂く。ノベルティのコースターや専用ポスターも用意し、外の花壇にはオリーブの木を植えた。地域交流の場を目指したい」と述べた。
1階のスタバは、7時~22時営業。104席設け、1日に700人の利用を見込む。
カフェエリアを円形のデザインとし、訪れる人がシームレスにつながり、緑や本に囲まれてくつろぎを与える木陰のようなイメージを表現している。コーヒーを片手に書籍も楽しめるようにした。
1階の奥側には、階段とエレベーターのほか、ATMを5台設置している。
2階には、シェアラウンジと三井住友銀行の窓口を併設。階段から昇って右手の銀行窓口では、口座開設などの各種手続きや資産運用の相談に対応する。NISAを始めとした投資商品の案内も行う。Oliveの操作方法や、Vポイントの使い方についても専門スタッフが案内する。Olive会員なら、銀行での用事がなくても無料で利用できる「Oliver’s Place」も設置した。
シェアラウンジは8時~22時営業。席数は63席で、下高井戸の街を感じられる窓際席、会議室、モニター付きの半個室などを設けた。料金は1時間税込1100円で、学生向けプランも用意。高速Wi-Fi、電源、イアホンなどの貸出備品も充実している。1日に約110人の利用を見込む。
空間デザインはCCC監修のもと、有限会社トネリコに依頼した。
無料で提供しているドリンク・スナックは料金に含まれる。おかわり自由。スターバックスの味が楽しめるコーヒーマシンも用意した。これは「Olive LOUNGE 渋谷店」同様、一部店舗限定で導入しているものだという。
カルチュア・コンビニエンス・クラブの堤晃 新業態開発本部 特務案件部 部長は「CCCにとって、Olive LOUNGEはSMBC様のOlive戦略を、CCCグループのノウハウを活用しながら銀行の空間価値を再定義してプロデュースするもの。1号店目の渋谷についても、Olive LOUNGE化によって顧客が増え、タッチポイントの拡大につながったと考えている。
今回の2号店では、渋谷同様、銀行の空間価値を再定義しながらシェアラウンジとスターバックスを出店した」と語った。
今回、下高井戸店オープンを記念して、三井住友銀行専用として初めてオリジナル調合のアロマを店内に導入した。自然の植物などから抽出した天然由来成分100%で、オリーブが熟す前の瑞々しい青い実や、葉を彷彿とさせる香りにしたという。
三井住友銀行の中村部長は「店舗で香りを用意するのはSMBCでは初めて。店舗コンセプト『下高井戸の森』を意識した。ベースとなる香りは、森林の息吹を感じられるような奥ゆかしさや落ち着きを感じさせるイメージで調香している。お客様に五感でOliveを感じてもらいたい」と話す。
また、Olive LOUNGEの今後について、三井住友銀行の泉部長は「大阪や東京・新宿などでの次の展開も計画している。今回のような郊外型店舗の予定としては、都立大学などで出店予定だ。
優先的に検討してるのは銀行の自社物件。これを有効活用する。目途としては全体の1割くらい、こういう感じになると目算を立てた。自社物件の中で立地が良い、お客様にご利用いただきやすい場所を選ぶ。マーケットありきだが、30カ店~40カ店まで増やす」と明かした。
■Olive LOUNGE 下高井戸店
開設日:2024年10月7日
所在地:東京都世田谷区赤堤4-47-10
三井住友銀行営業時間
窓口:平日10時~16時
無人受付端末:平日16時~19時、土日・祝10時~18時
ATM:平日・土7時~22時、日7時~21時
テナント:スターバックスコーヒー、SHARE LOUNGE
Olive LOUNGE 下高井戸店 特設サイト:https://www.smbc.co.jp/kojin/olive/olivelounge/shimotakaido/
取材・執筆 古川勝平
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