エキュート秋葉原/オールキャッシュレス対応の駅ナカ施設4/7オープン

2025年04月02日 17:18 / 店舗レポート

JR東日本クロスステーション デベロップメントカンパニーは4月7日、駅ナカ商業施設「エキュート秋葉原」(東京都千代田区)をオープンする。2日、メディア向け内覧会を開催した。

<施設内観>
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JR「秋葉原駅」1階の改札内外に位置する。グループの駅ナカ店舗初となるオールキャッシュレス化を実現し、複数ショップの商品をまとめて会計できる集中レジエリアと、スイーツ・総菜中心のセルフレジエリアを導入した。モバイルオーダーを核とした注文受取サービスも4月中に開始する。社会的課題となっている人手不足への対応と顧客体験価値向上の両立を目指す。

「my gradation AKIHABARA」をコンセプトに、秋葉原駅を利用するオフィスワーカーやビジターをターゲットに設定した。365日、時間毎に異なるニーズに対し「クイック」に対応する常設23店舗と催事1店舗がオープン。このうち16店舗ではエキュート秋葉原の限定商品もラインアップする。

<西田店長>
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エキュート秋葉原の存在意義について、営業部の西田宏店長は「大宮のエキュート1号店開業から20周年の記念すべき年に開業する。検討を開始した2022年時点では先進的であっても、2025年には当たり前になってるかも知れないということを常に視野に入れながら、時代の半歩先を提案するためにマーケット分析はもちろんのこと、エキュート秋葉原の存在意義を深く追求してきた。

ライフスタイル予測にテックトレンド、ビジネス潮流を読み解くといったバックキャスティングを行った。エキュート秋葉原として『人手不足の中でキャストが活きる舞台』『お客様の生活を豊かにする提案』『単なる社会貢献ではなく楽しみながら持続させること』『秋葉原という街を楽しんで頂く入口として存在すること』の4つの変化を生み出す」と語った。

<蒔苗課長>
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開発趣旨について、蒔苗沙都子 マーケティング戦略部 リーシングユニット課長は「Suica(スイカ)の利用者データを使って開発を進めた。主な情報は生年代・性別・スイカのプリペイド利用か定期利用か。データは個人情報を取り除いたもので、大まかなお客様の特性・傾向が分かるものだ。

これらを読み解くと、秋葉原駅(の主な利用者層)は『男性型』であり、趣味で訪れるお客様が多いことを意味する『休日型』が多く、通勤などの定期的な乗降客よりもスイカをプリペイド利用するような『訪問型』のお客様が多いことが分かる。実際に街を見た様子が本当にそうであるかという定性的な分析に、データ型の分析を加えることで我々の施設の輪郭が出来上がる。

今回はスイカのデータに加え、弊社初となるGPSデータもツールとして併用した。平日は急ぐお客様が多く、休日には駅を基点として趣味に勤しむ方が多くいる。生活様式・行動タイプが異なるお客様やインバウンドがダイナミックに交差する秋葉原では、いずれのお客様もサポートでき、お客様自身がさまざまなサービスや使い方を選択できる施設を目指した」と説明した。

<フロアマップ>
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エキュートで初めて、複数ショップの商品をまとめて会計する集中レジを設けたフードエリアが誕生。鶏総菜・魚総菜・揚げ物など専門店ならではの商品が並び、店内を自由に買いまわる楽しさを提供する。

集中レジで買物できる店舗は6店。神戸屋のスタンド型ベーカリー「THE STAND by KOBEYA」、ヒレかつサンドなどでお馴染みの「とんかつ まい泉」、鶏総菜専門店「ビッグオーブン チキン・アサヒ」、鮮魚専門店が手掛ける海鮮弁当ショップ「sakana bacca(サカナバッカ)」、サラダデリ専門店「サラダデリ MARGO」、江戸前天丼の「日本橋 天丼 天むす 金子半之助」が出店した。

集中レジエリアの奥にはフードホール2店舗も導入。「関谷スパゲティEX」「タイ料理研究所」が出店し、こちらはイートイン専用の店舗となる。

フロア中央のスイーツエリアでも、セルフレジで商品を購入可能。スタッフからの接客を避けたい男性にとって、スイーツ購入の心理的ハードルを下げる狙いもある。

<キャッシュレス決済端末>
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キャッシュレス決済端末には、TOUCH TO GOの多機能セルフレジ「TTG-MONSTAR」を採用。全店舗キャッシュレスでの対応となったが、出店テナントからは概ね好評だったという。蒔苗課長は「取引先からのネガティブな声は少なく、『今後の商売をキャッシュレスで展開する際に、どのデベロッパーとタッグを組むか考えていた』と好反応だった。

我々が時代に先駆けて(オールキャッシュレス化に)切り込みたいと話した所、かなり意欲的に組みたいと語ってくれた方たちが集まってくれた。停電によるシステムダウンなどの心配事を考えるとキリがないが、そこも含めて取引先と取り組んでいく」と振り返る。

<ugo Pro>
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集中レジエリアの入口付近では、地元・秋葉原に本社を構え、警備業界への導入でNo.1のシェアを誇るugoのロボットスタッフ「ugo Pro」が顧客対応を行う。将来にわたる商業施設のスマートオペレーション実現を目指し、ロボットの活用に取り組む。

問い合わせの内容に合わせて施設の案内やおすすめショップを紹介する。生成AIを活用した「案内ロボットソリューション」を搭載することで、幅広い顧客に向けた案内業務、簡単な接客業務、緊急時の一次対応への活用が期待できるという。

現時点での他言語対応は英語のみ。今後、対応言語を拡大していく。

<買物カゴ>
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このほか、地球環境に配慮した取り組みやゲームを通した地域への還元など、持続可能な次世代型の商業施設としても運営する。

集中レジでの買物時に使えるカゴには、駅の忘れ物としても多いビニール傘を再活用した。新事業戦略部の田口宏弥課長は「忘れ物のビニール傘をカゴ1つにつき6~8本使用した。カゴごとに異なる色のボタンを使用し、お洒落に使えるよう工夫している」と説明する。

octangle合同会社とのコラボレーションでアップサイクルしたもの。廃棄されたビニール傘を回収・選別・分解・洗浄し、専用のプレス機でビニールを何層にも圧着。再生素材の生地にした。

購買行動によるゴミの発生も最小限に抑える。レジに置かれているカトラリーのは有料。買う、買わないを顧客が選択できる。

<PLAY FOR THE FUTURE -AKIBA DONATION->
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また、エキュート秋葉原では、今まで数多くの文化を育んできた秋葉原地域の文化の1つ「ゲームの街・秋葉原」に着目し、地域貢献プログラム「PLAY FOR THE FUTURE -AKIBA DONATION-」をスタート。改札内の2カ所にゲームが遊べる筐体を設置した。

レトロゲームをプレイする楽しさはそのままに、プレイ料金が秋葉原周辺の活性化につながる施策に寄付されるという。ゲームを楽しむことで周辺の活性化にもつながる仕組みだ。

■エキュート秋葉原
開発運営:JR東日本クロスステーション デベロップメントカンパニー
開業日:2025年4月7日
施設所在地:東京都千代田区外神田1 JR秋葉原駅1階(改札内)
店舗面積:約900m2
店舗数:24ショップ(内1店舗は催事区画)

取材・執筆 古川勝平

エキュート秋葉原/4月に20店舗オープン、オールキャッシュレス化

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