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ショッピングセンター/12月既存SC売上14.4%減、感染者増加で客数減

2021年01月22日 17:00 / 月次

日本ショッピングセンター協会が1月22日に発表した12月のショッピングセンター(SC)販売状況によると、既存SCの売上高は前年同月比14.4%減となった。

<既存SC売上高伸長率の推移>
既存SC売上高伸長率の推移

12月度の既存SC売上高(総合)は前年同月比14.4%減となり、前月と比較して3.1ポイント悪化した。上旬から、新型コロナウイルス感染者が全国で1日あたり3000人に迫る勢いとなった。広域商圏の大型SC、都心のファッションビルなどでは外出自粛傾向がみられ、客数減が顕著となった。

加えて、中旬から「GoToトラベル」キャンペーンの対象から一部地域が除外となり、続いて28日からは全国一時停止となったことで、観光客や帰省客が減少したことも影響した。

立地別では、総合で中心地域が23.2%減、周辺地域が10.2%減となり、ともに前月よりマイナス幅を拡大した。また構成別では、テナントが16.6%減で前月より4.1ポイント悪化したが、キーテナントは5.8%減で前月より0.9ポイント改善した。

中心地域・大都市では百貨店がキーテナントであるSCが多く、美術や宝飾などの高額品が好調だった。周辺地域では生活必需品を扱うGMSやSMなどのキーテナントが堅調だった。

立地別・地域別をみると、新型コロナウイルスの全国的な感染拡大を受けて、北海道を除く8地域で前月よりマイナス幅が広がった。特に中国地域は12月に入り感染拡大がみられた広島県、岡山県に立地する広域商圏SCのマイナス幅が大きく、前月比9.6ポイント減となった。

一方で、北海道は前月から1.8ポイント改善。北海道独自の警戒ステージ引き上げに伴う外出自粛要請が11月中旬に行われてから1カ月が経過した12月中旬頃から感染者数が減少し、消費マインドの改善がみられたと思われる。

都市規模別・地域別をみると、総合で大都市は20.4%減、その他の地域は9.8%減と、両者ともに前月より悪化した。都市、地域単位でみると、北海道は前月から改善したものの、前年同月比では札幌市内が32.1%減、札幌市を除いた地域が31.1%減と前年を大きく下回った。

その他の大都市では、前月とほぼ横ばいの京都市(11.0%減)を除く10都市で前月より悪化した。特に広島市は前月比11.5ポイント減(23.4%減)、大阪市は同9.2ポイント減(29.7%減)、福岡市は同7.0ポイント減(22.1%減)と落ち込みが大きかった。

業種別の動向を見ると、外出自粛傾向の強まりとともに、巣ごもり需要がさらに高まった。時節柄、クリスマスケーキ、オードブル、おせち、正月飾りなどが好調だった。衣料はホームウェアやインナーなどは好調だったが、アウターは苦戦した。飲食は感染拡大による宴会、忘年会の自粛傾向が強まり、苦戦が続いている。

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