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日本フードサービス協会/6月外食売上19.9%増、ファーストフード好調

2022年07月26日 10:30 / 月次

日本フードサービス協会が発表した外食産業市場動向調査によると、外食産業の6月度売上状況は、前年同月比19.9%増となった。

昨年とは異なり、大都市圏でも「緊急事態宣言」や「まん延防止等重点措置」の適用が無く、外食産業の売上が大幅に伸びた。夜間の集客は依然として弱いものの、家族客を中心に客足の好調が継続。外食店舗は徐々に営業時間をコロナ前に戻すなど、コロナと共存して社会経済活動を維持しようという動きが見られ回復傾向だが、パブ・居酒屋業態では依然苦戦が続いている。

ファーストフード業態はデリバリーの定着化に加えて、行動制限がなくなり外食客も増えたことで、全体売上は8%増となった。

「洋風」は、デリバリーや注文のデジタル化などの利便性と各種キャンペーンの好調があいまって、売上8.1%増。19年比でも21.4%増と、引き続き業態をけん引した。「和風」は、駅前立地の回復が一部遅れているものの、デリバリーの堅調や朝食のテークアウト訴求が奏功し売上9.5%増。「麺類」は、6月下旬の猛暑の中で冷たいメニューが好調、売上15.6%増となった。「持ち帰り米飯/回転寿司」は、「持ち帰り米飯」にテークアウト需要の一服感があるものの、「回転寿司」の休日の集客が後押しして売上0.8%増となった。「その他」は、「カレー」の価格改定による単価上昇と、猛暑の下旬に「アイスクリーム」のイートインが好調で、売上9.3%増となった。

ファミリーレストラン業態の全体売上は31.3%増と、昨年の営業制限の反動から大きく伸びたが、引き続き夜間の集客は弱く、19年対比では16.2%減で戻りは鈍い。

「洋風」の売上は28.1%増、「和風」は34.6%増となるも、19年比ではいまだ8割前後にとどまった。クーポン配布などのキャンペーンの再開・強化に取り組むところもあり、徐々にコロナ前の環境に戻りつつあるが、夜の集客、宴会需要などは戻っていない。「中華」は、下旬の猛暑で冷し中華や飲料が好調、売上19.1%増。「焼き肉」は、郊外立地店が引き続き好調で、売上54.6%増となった。

パブ・居酒屋業態は先月同様、大都市圏などで酒類提供店に休業要請が続いた昨年と比べると売上は235.9%増と驚くほどの伸びとなったが、19年対比ではいまだに41.7%減である。早い梅雨明けと下旬の猛暑で、ビール類の売れ行きが好調であったものの、実際には法人需要と夜間の客足がなかなか戻らず、依然苦戦が続く。夜間営業のために人員確保に努めるも思ったほど集客できず、成果は少ない。

ディナーレストラン業態は、前年の反動増に加え、アルコール飲料を提供できたことなどにより、5月に続き売上は71.5%増と大幅に上昇したが、19年比は19.1%減にとどまった。家族客、土日休日を中心に集客は好調だったが、法人宴会はまだ回復が見られない。

喫茶業態は昨年の時短営業や休業の反動で、売上前年比は22.9%増。どの立地でも回復基調はあるものの、下旬の猛暑でブレーキがかかり、19年対比では16.8%減となった。

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