大手百貨店／8月売上高4社そろって増、夏物ファッションが好調

2024年09月04日 13:47 ／月次

大手百貨店4社が発表した8月の売上速報によると、三越伊勢丹前年同月比16.7％増、J.フロントリテイリング（百貨店事業合計）6.8％増、エイチ・ツー・オーリテイリング（阪急阪神百貨店全店計）11.1％増、高島屋各店計（国内百貨店子会社含む）4.5％増だった。

■三越伊勢丹HD（2024年3月期売上高：5364億円）
伊勢丹新宿本店店頭前年同月比28.4％増、三越日本橋本店店頭3.7％増、三越銀座店12.8％増などで、三越伊勢丹計16.7％増だった。

函館丸井今井6.4％減、仙台三越4.0％減、新潟三越伊勢丹1.5％減、静岡伊勢丹1.9％減、名古屋三越1.2％増、広島三越15.5％減など、国内グループ百貨店計は1.5％増となり、国内百貨店計は11.0％増となっている。

台風10号の影響により、岩田屋本店、福岡三越、岩田屋久留米店が2日間、静岡伊勢丹、広島三越が1日、臨時休業したが、伊勢丹新宿本店・
三越日本橋本店・三越銀座店を中心に引き続き高付加価値商品が売り上げをけん引した。

両本店・三越銀座店の3店舗共に14カ月連続で2018年度を上回る実績で推移している。

ラグジュアリーブランド、デザイナーズブランドの衣料品、ハンドバッグ、宝飾・時計、化粧品などが好調。また、伊勢丹新宿本店ではお得意様向けイベントの実施により売り上げが増加した。

免税売上は前年を超えて推移しており、国内百貨店計（既存店）の全体購買傾向と同様にラグジュアリーブランドのハンドバッグ、財布、宝飾・時計、化粧品など高付加価値商品への関心が引き続き高いという。

■J.フロントリテイリング（2024年2月期総額売上高：1兆1519億円）
大丸松坂屋百貨店合計の売上高は前年同月比6.8％増、博多大丸、高知大丸を含めた百貨店事業の合計売上高は6.8％増だった。

8月の売上高は、下旬の台風により下関店、博多大丸が2日間、高知大丸が1日臨時休業したことなどによるマイナス影響があったものの、宝飾品、ラグジュアリーブランド、化粧品が引き続き好調に推移し、増収となっている。

店舗別では、15店舗中12店舗が前年実績を上回った。

大丸松坂屋百貨店合計の免税売上高（速報値）は、39.6％増（客数47.6％増、客単価5.5％減）となった。

■エイチ・ツー・オーリテイリング（H2O）（2024年3月期売上高：6574億円）
百貨店事業の全店計の売上高は、前年同月比11.1％増となった。内訳は阪急本店15.5％増、阪神梅田本店9.6％増、支店計5.2％増。

8月末に台風10号が西日本を横断し、その影響で博多阪急が29日と30日を臨時休業した。

大阪では月前半がほぼ連日の猛暑日であったが、お盆休みの日まわりも良く（最大9連休）、都心店を中心に来店客数は順調に推移。盛夏ファッションが引き続き好調ながら、台風の低速な進行が月末の来店客数と売上の押し下げ要因となり、全店売上高は前年に対して約1割増だった。

免税売上高は前年に対して約5割増、阪急本店は約6割増と引き続き好調で、同月の売上高では15カ月連続で過去最高を更新している。

阪急本店は、8月として過去最高の売上高を更新した。

婦人ファッションが全般的に好調で、前年同月2割増となっている。

盛夏アイテムの足し込みをはじめ、夏の定価商材の販売強化に取り組んだ。セールも後ろ倒ししたことで8月におけるセール売上のかさ上げにつながった。

服飾雑貨では、8月1日からクリアランスが始まったパラソル、帽子に加え、特にサングラスが売上をけん引。また、革小物やバッグなどでは、秋の新色や新作の入荷が本格化し反応が良いという。

宝飾品の売上も前年の約4割増と高い伸びを示し、それに伴い100万円以上の高額品の売上高も前年の約2割増と好調だった。

■高島屋（2024年2月期営業収益：4661億円）
高島屋各店計は7.3％増、岡山高島屋、岐阜高島屋、高崎高島屋を含めた国内百貨店計は4.5％増だった。

台風7号・10号の影響があったものの、国内顧客1.5％増、インバウンド47.1％増といずれも前年同月を上回った。

店舗別売上高は、大阪店、京都店、日本橋店、横浜店、新宿店、EC店が前年実績を超えた。

商品別売上高（同社分類）は、紳士服、紳士雑貨、婦人雑貨、特選衣料雑貨、宝飾品、スポーツ、食料品、サービスが前年実績を上回っている。

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