パルコ/目標年商60億円、上野に大人向けパルコ「PARCO_ya」
2017年09月14日 20:00 / 店舗
パルコは9月14日、御徒町駅前の松坂屋上野店南館跡地に11月4日に開業する複合施設「上野フロンティアタワー」に、ちょっと上の、おとなの、パルコとして、「PARCO_ya(パルコヤ)」をオープンすると発表した。
パルコヤは、1973年の「渋谷PARCO」オープン以来、「PARCO」として44年ぶりの東京23区内での新店舗出店となる。新しいエリアで、周辺環境に合わせたおとなに向けた展開により、新しい客層の獲得を目指す。
投資額は約17億円で、全68店が出店し、年間テナント取扱高で60億円を目標とした。
J.フロントリテイリンググループが推し進める「アーバンドミナント戦略」に沿い、店舗を核に地域とともに成長するという志に則り、大丸松坂屋百貨店が開業する複合ビル「上野フロンティアタワー」に新しい屋号(パルコヤ)で出店する。
現在「PARCO」は、全国16店舗を展開し、マーケット状況・規模に合わせ、立地創造をしながら、それぞれのターゲット層に向けて、店舗ごとに異なるストアコンセプトで運営している。
上野の新店に関しては、「渋谷PARCO」のようなビル全体の運営ではなく、「松坂屋上野店」「TOHOシネマズ上野」「オフィス」との複合ビルに出店し、客層が連携できる専門店を編集した。
これまでの「PARCO」と異なることを、わかりやすくお客様に伝えるため、新しい屋号「PARCO_ya(パルコヤ)」とした。
今までマーケットになかった新たな価値を提案することで、上野御徒町エリアのよりいっそうの地域活性化を図るとともに、これまで以上の魅力拡大に貢献するという。
パルコとしては今まで出店していなかった東東京への出店ということであらゆる角度からのマーケティングを行い、国内有数の人口密度と人口の伸び率、働きに来る方も多いことに注目し、おとなのターゲットに対応する「ともだちを誘いたくなる、ちょっとおしゃれなおとなのたまり場”」をコンセプトにした。
団塊ジュニア世代を中心としたおとな男女(1960~1985年生まれ、30~50代)と銀座・丸の内・日本橋に流出している近隣居住者とオフィスワーカーをターゲットとした。
平日は近隣居住者とオフィスワーカー、土日は来街者(ファミリー・三世代消費)・観光客(インバウンド含む)の利用を想定する。
1階は街の顔になるエントランスフロアとして、2つのカフェ、コスメなどを導入した。
2階から5階は、レディス・メンズ複合ファッションと雑貨、各フロアにコミュニケーションの場となるカフェを配置し、6階は、「映画館」「百貨店」「オフィス」「駐車場」とつながるハブになるフロアとして、レストランを展開する。
小林昭夫パルコヤ店長は、「これまでパルコが出たことのない立地であり、マーケティングを徹底的に行った。上野は都心であるにも関わらず、パルコと競合する店舗がない魅力的なマーケットだ。テナント構成では、松坂屋上野店との連携を考慮し、1つとして同じブランドがない構成とした」と語る。
オフィスを持ち、映画館、百貨店もある多目的な複合ビルであることに着目したテナント構成を目指し、部門別テナント構成比は、アパレル30%、食・レストラン街・カフェ20%、コスメ20%、雑貨・インテリア30%とした。
上野を観光や買い物で訪れる来街者だけでなく、商談をしたいオフィスワーカーや映画の行き帰りのコミュニケーションの場など、多様なニーズを取り込める施設を目指す。
全68店舗の内、約8割の店舗が、上野御徒町エリア初登場として「街に新しい価値・魅力」を加える。
一方、上野御徒町に「思い」 がある地元ゆかりや、ものづくりに根ざした企業11社と取組みをすることで、街との親和性を図った。
アイテムでは、おとな向け・幅の広い客層に対応するため「食」「コスメ」関連を強化したことが特徴。
「食」では、6階レストランフロアに、地元老舗・こだわりの銘店中心に全9店を誘致し、次々巡りたくなる、選りすぐりの店舗を集め「口福回廊(こうふくかいろう)」と名付けた。
街の顔となるエントランスフロアである1階に、「コスメ」を導入した。ブース型から、世界観を出せるブティック型で全11店を展開し、従来パルコで取組の強いナチュラル系に加え、メイクアップ系にも取り組んだ。
パルコヤ4階、松坂屋上野店1階と合わせて、エリア最大のコスメゾーンを構成する。
1階には、ビルのシンボルショップとして、「ディーン&デルーカ カフェ」と「廚 otona くろぎ」を導入した。
感度の高い人に支持される食のセレクトショップ「ディーン&デルーカ カフェ」は、上野エリア初登場となる。
湯島で10年営業してきた日本料理屋「くろぎ」も街への思いを込めて、深夜2時までのBAR営業も含めた新しい形「廚 otonaくろぎ」としてオープンする。
老舗花屋「日比谷花壇」の新展開、コスメ5ショップ、こだわりの身の回り品店舗「金子眼鏡店」「エルベシャプリエ」など幅広いアイテムを展開する。
衣料品は、レディス・メンズ複合もしくはエイジレスの展開として、幅広いニーズに対応する。
ものづくりの背景に物語があり、長く支持されているブランドを中心に、こだわりを持つおとなに支持してもらえる厳選したショップ全68店をそろえたという。
J.フロントリテイリングの山本良一取締役兼代表執行役社長は、「パルコと大丸松坂屋百貨店が初めて連携するアーバンドミナント戦略の試金石となるプロジェクトだ。百貨店がまだ掘り起こしていなマーケットを開拓するため、補完関係にあるパルコを取り入れた。パルコがあることでターゲット層が拡大し30代~40代の人たちを取り込むことができると考えた。母は松坂屋、娘はパルコでいい、親子で食やファッションを楽しむ環境を作っていけば、このエリアも発展し、街も成長する」と語った。
台東区の年間小売販売額は4034億円で、うち大型商業施設とアメヤ横丁を有する上野広小路駅から半径500m圏で1720億円、 シェア43%と台東区で最大の規模。
上野御徒町エリアの大型商業施設のうち「松坂屋上野店」はマーケット一番店となっている。
パルコの牧山浩三代表執行役社長は、「2012年にJ.フロントリテイリングの傘下に入ってから初めて頂いたいプロジェクトで、是非とも挑戦したいと思った。これまで上野には、60代以下の人々を受け入れる施設が少なかった。街にはそれぞれイメージがあるが、パルコヤができることで、上野エリアで集客が弱かった30代~50代までのお客を呼び込み、街全体の活性化につなげたい」。
「松坂屋上野店旧南館の店舗スタッフの話も良く聞き、ゼロベースではなく元々ファンがいる点を大切にした。面積的には小さいがいろいろな要素を取り入れ、百貨店とはカードの連携も図っている。百貨店の客層とパルコの客層の違いをどう埋めていくかについては、日々の変化の中で調整をしたいきたい」と述べた。
施設概要
所在地:東京都台東区上野3-24-6
上野フロンティアタワー1階~6階
延床面積:約8200m2(パルコヤ占有部分)
年間テナント取扱高:60億円
投資額:約17億円
営業時間:10時~20時
1階厨otonaくろぎ7時~2時
1階ディーン&デルーカ カフェ8時~22時
6階レストランフロア「口福回廊」11時~23時
■パルコヤ(ティーザーサイト)
http://www.parco.co.jp/parcoya-ueno/
■パルコヤ(10月31日から)
http://parcoya-ueno.parco.jp
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