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東武鉄道、イオンリテールなど5者/南栗橋でサステナブルな街づくり、来年5月街びらき

2021年11月10日 16:00 / 店舗

埼玉県久喜市、東武鉄道、トヨタホーム、イオンリテール、早稲田大学大学院 環境・エネルギー研究科 小野田弘士研究室は11月10日、埼玉県久喜市の南栗橋駅前エリアで産官学連携による次世代の街づくりを推進するプロジェクト「BRIDGE LIFE Platform(ブリッジライフプラットホーム)構想」について発表した。

<東武鉄道、イオンリテールなど街づくり協定を締結>
東武鉄道、イオンリテールなど街づくり協定を締結
※左からイオンリテール鯉渕豊太郎執行役員、トヨタホーム後藤裕司社長、梅田修一久喜市長、東武鉄道横田芳美取締役、早稲田大学小野田弘士教授

同日、この街づくりに取り組む5者が緊密に連携し協力するため、「まちづくりに係る連携・協力に関する協定書」を締結した。

<産官学連携のサステナブルな街づくり>
南栗橋で産官学連携のサステナブルな街づくり

同構想のもと、南栗橋駅前エリア約16.7haの範囲において、商業街区、戸建街区、生活利便街区、公園など4つの地区からなる街づくりを進める。2022年5月に街びらきを行う予定だ。

<郊外型街づくりのモデルケース目指すと東武鉄道の横田取締役>
郊外型街づくりのモデルケース目指すと東武鉄道の横田取締役

同日行われた記者会見で、東武鉄道の横田芳美取締役常務執行役員は「沿線開発の新しい形を構想した際、コロナ禍で起きた働き方、暮らし方の変化、仕事も私生活も大事にするライフスタイルへの対応は、当社だけではできず、他の分野の企業・専門家との連携が必要だと考えた。今回、久喜市の協力、住居のトヨタホーム、商業のイオンリテール、自動運転による宅配など最新モビリティの研究を進める小野田研究室の5者で、都市と自然をつなぐ起点としての新たなライフスタイルを提案する。当社としても、郊外型の街づくりのモデルケースとして、新たなチャレンジとなる」と抱負を述べた。

都心まで鉄道で約1時間、栃木・日光方面へのアクセスの良さ、始発駅という南栗橋の立地を生かし、人と人、東京と自然などさまざまなファクターをつなぐ「BRIDGE(ブリッジ)」をコンセプトに開発。多くの施設・サービスがそろい、社会・自然・都市とのつながりを通じて健康で幸せに生きる基盤づくりを行い、持続可能な都市「サステナブルシティ」を目指す。

<南栗橋駅至近で新たな街づくりを開始>
南栗橋駅至近で新たな街づくりを開始

商業街区(イオンリテール)は、街区面積約2.4ha。イオンリテールが食品棟・非食品棟からなる約3000m2の店舗を2022年5月オープンする。

鯉渕豊太郎イオンリテール執行役員・北関東カンパニー支社長は「植物性の代替肉など健康的な食品、薬局、未病・フレイル対策など盛り込んだ食と非食品をそろえる。顧客が自身のスマホもしくは貸出用スマホでスキャンしながら買物できるレジゴー、調理風景を配信するデジタルサイネージ、ネットスーパーなど最新のデジタル施策を採用した店舗となる。非食品では、ライフスタイル提案ができる商品構成も検討している。始発駅近くの立地の良さも魅力だ」と説明した。

<非食品はライフスタイル提案も行うと鯉渕執行役員>
非食品はライフスタイル提案も行うと鯉渕執行役員

イオンリテール新店舗周辺は、40代子育てファミリー層が多く居住しているエリア。商圏は5㎞圏内で、商圏人口約14万人・6万世帯を想定している。車での来店も予想し、駐車場を完備する。イオンリテールはイオンモール・イオンタウンなどグループのショッピングセンターに出店することが多く、本格的な街づくりに参加するのは初めてだという。

東武鉄道の生活サービス創造本部 沿線価値創造統括部の尾形浩沿線開発部長は、「イオンリテールはレジゴーなどデジタルを活用した店舗づくりを推進しており、当社が求めていたデジタルの最先端のアイデア、地域の生鮮を積極的に取り入れる思想が今回の街づくり構想にマッチした」としている。

<南栗橋「BRIDGE LIFE Platform 構想」>
南栗橋「BRIDGE LIFE Platform 構想」

また、全172戸の太陽光発電装置などを導入したスマートタウンの開発にトヨタホーム・東武鉄道が取り組む。

「街区面積は約3.8haで、各戸土地132m2、建物100m2強を目安にお値打ち感を出したい。」(トヨタホーム後藤裕司社長)としている。

さらに、生活利便街区(東武鉄道開発、街区面積約2.5ha)は、先行して今年4月に保育所、7月にはシニア向けデイサービスが開所した。

今後医療モールの新設も検討しており、子どもからシニアまで幅広い世代が便利に暮らしながらコミュニケーションを図れるスペースづくりを推進する。

そのほか、久喜市は公園(約3.6ha)、スポーツ広場(約3.5ha)を整備する。遊歩道や桜並木沿いにベンチを設けるなど、街に住む人々が気軽に集まり、交流できる場所を創出する。家族で気兼ねなく遊び、ピクニックもできる大きな公園のリニューアルにより、郊外だからこそ実現できるリラックスして過ごせる空間づくりを目指す。

小野田研究室は、自動宅配の実証実験をはじめとした次世代モビリティシステムを導入。新モビリティは昼は宅配、夜は非接触のごみ収集などマルチベネフィットコンセプトで実験を想定している。環境配慮など社会課題の解決とともに、住民の利便性向上を目指すサービスを展開する。

■BRIDGE LIFE Platform(ブリッジライフプラットホーム)構想
住所:埼玉県久喜市南栗橋八丁目ほか
総面積:約16.7ha
施設:戸建街区・クラブハウス(トヨタホーム、東武鉄道)、商業街区(イオンリテール)、
生活利便街区(東武鉄道)、公園など(久喜市)

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