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大和ハウス/富山市の公設卸売市場建て替え支援、スーパー・ホームセンター誘致

2022年02月25日 15:30 / 店舗

大和ハウス工業は2月25日、「富山市公設地方卸売市場再整備事業」の本体工事に着手したと発表した。

<富山市公設地方卸売市場再整備事業の完成イメージ>
富山市公設地方卸売市場再整備事業

同社はこのほど、行政の財政負担軽減や施設規模の最適化のため、老朽化した公設卸売市場の建て替え支援事業を開始。その第1弾事業となる。卸売市場をコンパクト化、余剰地を商業施設にし、スーパーマーケット、ホームセンター、大型家具店などを誘致する。2026年3月に開業予定だ。

1970年代に安全な青果物や水産物などの生鮮食料品、観賞用草花を取引するために、全国各地に中央卸売市場や地方卸売市場などの公設卸売市場が約200カ所建設された。しかし、これらの施設は開発から約半世紀が経過し、設備の老朽化や耐震性の不足などの課題を抱えている。

また、農林水産省の「卸売市場データ集」によると、中央卸売市場の取扱金額は、2006年度の4兆6796億円から2019年度には3兆5767億円まで低迷。多くの公設卸売市場では取扱量に対して過大な施設規模となっている。そのため、全国各地の行政では、品質管理や配送などの機能強化のために民間企業を活用した再整備を進めている。

同社は食品施設や物流施設など生鮮食品を取り扱う施設の開発実績をもとに、公設卸売市場の建て替え支援事業を開始した。創業以来、食品工場や冷凍・冷蔵倉庫など数多くの食品関連施設を手掛けてきた同社は、食品工場では、年間約30件を請け負っており、創業時から現在までに約900カ所で建設してきた。

これらのノウハウを生かし、今後も安全・安心な食料の流通に寄与するため、全国各地の行政が公募する卸売市場の再整備事業に積極的に応募することで、老朽化した公設卸売市場の建て替え支援事業を進めていくという。

「富山市公設地方卸売市場再整備事業」は、1973年5月に開設された富山市公設地方卸売市場(開設時名称:富山市中央卸売市場)の建て替えと余剰地活用の事業。同市場では、生鮮食料品の取扱数量が年々減少しており、2016年度には、青果が1992年度のピーク時から約2分の1、水産が1983年のピーク時から約3分の1まで減少している。

こうした状況を受け、富山市では2018年7月に「富山市公設地方卸売市場再整備構想」を公表した。その後、2020年12月に「富山市公設地方卸売市場再整備事業」の募集要項を開示し、2021年3月には同社を代表企業とした全8社(現在は9社)による事業者「新とやまいちば創生プロジェクトチーム」が優先交渉権者として選定された。

卸売市場施設のコンパクト化と富山市の財政負担軽減を図るため、余剰地に商業施設を誘致し、「まちに開かれた生活市場」をコンセプトとした一体開発を行う。

富山市が、所有する市場敷地全体に約30年間の事業用定期借地権を設定し、「新とやまいちば創生プロジェクトチーム」が市場施設と商業施設などを一体的に整備、2026年3月に開業する。

■建て替え後の建物概要
名称:富山市公設地方卸売市場
所在地:富山市掛尾町500番地
建物用途:青果棟、水産棟、関連店舗棟、家具棟、スーパーマーケット棟、ホームセンター棟
敷地面積:約11万8000m2
延床面積:約3万3900m2
建て替え施設
青果棟:地上2階建て、延床面積約7300m2、
水産棟:地上2階建て、延床面積約4700m2、
関連店舗・事務所棟:地上3階建て、延床面積約4800m2、
スーパー棟:地上1階建て、延床面積約3000m2、
家具棟:地上2階建て、延床面積約6500m2、
ホームセンター棟:地上1階建て、延床面積約7600m2
設計:押田建築設計事務所
施工:大和ハウス工業
着工:2022年2月25日
第1期:青果棟、関連店舗事務所棟工事
2022年2月着工~2023年1月完工
第2期:水産棟工事
2023年8月着工~2024年6月完工
第3期:スーパー棟・インテリア棟・ホームセンター棟工事
2025年5月着工~2026年2月完工
開業:2026年3月開業予定

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