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エマルシェ/さくら野百貨店仙台店経営、破産で負債31億円

2017年02月27日 15:00 / 経営

帝国データバンクによると、エマルシェは2月27日、仙台地裁へ自己破産を申請し、同日破産手続き開始決定を受けた。負債は約31億円。

1978年3月に仙台市の丸光や青森・福島県などの地元百貨店5社が大手スーパーマイカル(当時ニチイ)の傘下に入り、経営統合して百貨店連合として設立された。

以降、ダックシティ、ダックビブレと商号変更し、東北一円で6店を経営。その後、経営の悪化から2001年9月に親会社のマイカルとともに東京地裁へ民事再生法の適用を申請した。

翌2002年5月に再生計画の認可決定を受け、同年9月にさくら野百貨店へ商号変更し、再スタートを切っていた。

2005年4月には5店(青森店、弘前店、八戸店、北上店、石巻店)の経営を、新設分割した別会社へ譲渡。自社はJR仙台駅前にある「さくら野百貨店仙台店」のみを経営し、2006年2月期の年売上高は約193億2600万円を計上していた。

しかし、近年はアウトレットモールなど郊外型ショッピング施設や近隣のファッションビルとの競争が激化し、売り上げは減少傾向を辿り、業績悪化を余儀なくされていた。

このため人員削減のほか、テナントの入れ替え、経営陣の刷新など打開策を講じ、2010年8月に、さくら野百貨店から現商号へ変更した。

2011年9月に大株主の外資系投資機関などから現経営陣が株式を買い戻すMBOを実施した。

2012年11月には海外の人気ファストファッション店がテナントとしてオープンするなど、有名店舗の誘致に力を入れ再建を図ったが、業績悪化に歯止めがかからず、2016年2月期の年売上高は約79億3900万円にまで落ち込み、債務超過額が年々拡大していた。

この間、店舗不動産の賃料滞納に伴う訴訟を起こされていたうえ、取引先に対する支払遅延が発生するなど資金繰りはひっ迫した。

昨年4月には経営陣で組織する持株組織「エマルシェ・フェニックス・プロジェクト」から、東北リテールマネジメント(東京都)が株式を取得し、大株主となり経営権が同社に移行していたが、業績悪化に歯止めがかからず、今回の事態となった。

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