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日本マクドナルド/300万人の女性潜在労働力に着目、主婦向けクルー体験会

2017年09月05日 16:35 / 経営

日本マクドナルドは9月4日~10月13日、全国のマクドナルド店舗で、クルー(パート・アルバイト)の採用強化を目的としたクルー体験会「マックなら、大丈夫。」キャンペーンを実施する。

<クルー体験会>
クルー体験会

ビジネスリカバリープランの実施を経て、日本マクドナルドの業績が回復基調から成長軌道に乗ったことを受け、より多様性のある人材を獲得するための施策。

2016年の総務省の統計によると、子育てや家事などとの両立が現実的ではなく、働きたくても働けない女性の潜在労働力は315万人と推計されている。

315万人のうち、約180万人が主婦と推計されており、今回は、主婦の採用に着目した。

現在、マクドナルドのパート・アルバイトの構成比は、学生約50%、主婦約20%、シニア・外国人・フリーター約30%程度となっている。

少子高齢化という社会構造の変化を受け、これまでの学生を中心とした店舗運営から、より多様性のある人材による店舗運営への転換を目指す。

卒業という大きな節目がある学生に対して、主婦の平均勤続期間は約2倍となっており、主婦の積極採用を打ち出した。

これまでは、学生が卒業する時期に合わせ、毎年、春に「クルーになろう。キャンペーン」を開催している。

今年は2月1日から5月31日に、全店舗でポスター、パンフレット、トレーマットなど、共通のビジュアルとメッセージを活用してマクドナルドのクルー採用を強化するキャンペーンを実施した。

3月15日には、初めて、全店でクルー体験会を行い、全国で約1万8000人が参加。2月~5月のキャンペーン期間中には、想定を大幅に上回る約2万8000人のクルーを採用した。

春の体験会は、日にちを限定していたが、秋の体験会は、各店舗毎に設定した日にちで実施するため、参加者の都合に合わせて、より多くの人々が参加できる機会を増やした。

今回、子どもが夏休みを終え、学校に通うことに合わせて、主婦の生活スタイルが変化する時期に合わせて体験会を実施する。

1回約30分のプログラムで参加料は無料、実際にマクドナルドで働く主婦のクルーが、求人を検討している主婦を指導するのが特徴。主婦以外の学生やシニア、外国人でも希望すれば参加できる。

標準的なクルーの1日の仕事の流れを紙芝居形式で説明したのち、ハンバーガー製造体験、店舗スタッフがお客役を演じる接客模擬体験、ドリンク製造体験、ウォークイン冷凍・冷蔵庫、倉庫、クルールームを見学するバックヤードツアーを実施する。

トランシーバーを装着したドライブスルー体験、店舗スタッフと一緒に店舗巡回、清掃、接客の体験、クルールームでのトレーニング教材の説明、手洗いの徹底、資材管理などマクドナルドのフードセーフティの説明などを行う。

クルーへの応募は体験会の必要条件ではなく、体験会を終えてから検討できるので、気軽に参加して欲しいという。

マクドナルドのクルーへの応募者のうち、約60%がすでにマクドナルドで働いているクルーからの紹介となっているが、キャンペーンを通じてマクドナルドの労働環境を知らない人の応募を拡大する。

「マックなら、大丈夫。」キャンペーンでは、週2時間だけでも勤務できる、自分の働き方に合わせたシフトが組めるワークシフト、クルーの約20%が主婦で、年齢を問わず似合うユニバーサルデザインの制服などの職場空間、ほめて励ます育成プログラムなどのサポート体制、クルーから店長も目指せる成長プランを訴求する。

<長本部長(左から2番目)>
長本部長(左から2番目)

9月5日に都内で開いたキャンペーン発表会で、人事本部の長敦子本部長は、「マクドナルドは本当の姿を社会に伝えきれていない面がある。多様な背景や考え方を尊重した人材採用を進めている点をキャンペーンを通じて伝えたい」と語った。

「夏休みしか働かない学生クルーがいる一方で、夏休みは子どもに合わせて休みたいという主婦のクルーもいる。多様な人材を店舗毎に組み合わせることで、それぞれのクルーにとって働きやすい環境を実現していきたい」と述べた。

一方で、企業内保育園の設置については、「全国のクルーを公平に扱う観点、継続的に運営できる観点から、現在、保育園を企業として設置する考えはない」という。

<CREW DEVELOPMENT PROGRAMの一例>
CREW DEVELOPMENT PROGRAMの一例

採用活動の強化のほか、2017年は、クルーのトレーニングマニュアルである「CREW DEVELOPMENT PROGRAM」を一新した。

もともと文書が中心だったマニュアルを見直し、現在の文化や感性に合わせて、ビジュアル中心に改善した。ITやネット環境を活用し、動画なども使って動きを見て覚えられるようにした。

マニュアルの改訂、相談できるマネージャーによるサポート体制の充実など、さまざまな施策を通じて、採用後も長く働ける環境を整備していくという。

■マクドナルドアルバイト採用ページ
http://www.mcdonalds.co.jp/recruit/crew_recruiting/

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