鮒忠/破産した浅草の老舗料亭・割烹「草津亭」の事業を譲受
2018年11月12日 15:00 / 経営
鮒忠は11月12日、破産した浅草の老舗料亭・割烹「草津亭」の事業を譲受すると発表した。
10月1日に破産開始決定を受けた草津亭の割烹店事業について、破産管財人弁護士から入札により優先交渉権を得て、東京地方裁判所の許可を受け、11月1日に事業譲受を完了した。
今後、旧草津亭は、鮒忠の100%子会社として、新たに草津亭(設立日:11月1日、資本金1000万円)を設立し、旧草津亭から承継した割烹店事業を継続し、自社の既存の事業との相乗効果を図り、発展させる。
旧草津亭は、創業明治5年(1872年)、146年の歴史を持つ老舗料亭・割烹。
初代店主が善光寺参りの際、夢枕に大黒天が現れ「汝、草津温泉の湯の花を持参し温泉を開業せよ」とお告げを受け、温泉割烹を始めたのがその名の由来。
提供してきたのは、遡ること160余年、ペリーが浦賀に来航し我が国に開国を迫った際、幕府が使節団の接待に出したと言われる江戸饗応料理にそのルーツを持つ。伝統を受け継ぐ洗練された味を、長年守り抜いてきた。
浅草の老舗割烹である旧草津亭は、江戸の昔から続く、極上の日本料理とお酒を凝った拵えのなかで楽しむ「芸者遊び」の舞台として、花柳界とも深く関わってきたという。
新生草津亭は、この歴史ある草津亭の味と伝統のおもてなしをそのまま残しながら、鮒忠の持っている先端の経営手法を採り入れ、末永く継承し、さらに発展させる。
最初の段階では、割烹店事業と惣菜、弁当などのケータリング事業からスタートし、将来的には業態やエリアの拡大を含めた、多面的な展開を視野に入れている。
旧草津亭が今まで築き上げてきた、浅草の伝統である花街(はなまち)文化の継承と再興の役割も、同時に果たす予定だ。
各方面から好評だった草津亭ブランドの弁当、仕出し、惣菜の事業は、今後鮒忠工場で製造し、販売して提供を続ける。
鮒忠では現在、3つの基幹事業(ケータリング事業、外食事業、鶏肉を中心とした食品卸売事業)を軸に事業を展開しているが、新たに加わる割烹店舗事業を第4の軸に据え、シナジー効果を最大限に発揮し、多角化、多店舗化を進める。
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