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バローHD/自家消費太陽光発電を拡大、余剰電力は販売

2021年08月30日 13:30 / 経営

バローホールディングスは8月30日、アイ・グリッド・ソリューションズ(東京・千代田区)、VPP Japan(東京・千代田区)と、バローグループの店舗に、VPPが所有する自家消費太陽光発電の設備を設置し、余った電力を一般家庭や企業などに供給する「余剰電力循環モデル」の本格導入を開始したと発表した。同モデル導入は国内初という。

<従来モデルと余剰電力循環モデルの比較>

3社が行う「余剰電力循環モデル」は、「PPA(第三者所有)モデル」と呼ばれる方法を使いVPP Japanが自前でバローグループの施設にルーフトップ型の自家消費太陽光発電の装置を設置。

アイ・グリッドが余剰電力の予測し、需給調整を行って発電した電力をバローグループの店舗での使用に充てる一方、消費しきれない余剰電力を一般家庭や企業に売る。バローHDでは売電によってVPP Japanが得た利益を自社での電力価格の一部値引きに充てる。

<余剰電力予測の仕組み>

余剰電力の予測は、アイグリッドが累計6000施設のエネルギーマネジメント事業で蓄積した電力ビッグデータをAIで分析し電力需要を予測する「需要予測AI技術」と、電力データ、気象データをAIで解析して発電量を予測する「太陽光発電量AI予測技術」を組み合わせて行う。

今後は、バローグループの導入施設でのデータをAIにディープラーニングをさせて予測精度を高めることに加え、蓄電池や施設設備の遠隔制御して余剰電力をコントロールすることも検討する。

<「余剰電力循環モデル」を導入したホームセンターバロー養老店>

バローHDでは、6月に「ホームセンターバロー養老店」(岐阜県養老郡)と「ホームセンターバロー本巣文殊店」(岐阜県本巣市)で導入。現在は15店舗で実施を進めており、2021年度末までに累計50施設、発電容量15MWの自家消費太陽光の稼働を計画している。

これまでルーフトップ型の自家消費太陽光発電は、電力消費量が比較的少ない施設などでは、発電した電力を施設内で全て消費できず、必要な発電をする設備にとどまるため、屋根面積に対し太陽光容量が小規模となり、経済合理性が成立しない課題があった。

バローグループでも、186施設、発電容量26.5MWの自家消費太陽光発電を自社投資とPPAモデルで導入してきたが、電力消費量が比較的少ないホームセンターや物流センターでは、限定的な導入となっていた。

<ホームセンターバロー本巣文殊店の1日の電力データ比較(7月13日のデータ、従来モデルはシミュレーション値)>

今回のモデルは、余剰電力を他者に供給することで、必要な電力を賄いながら屋根全体への設備設置が可能になるため課題解決につながるという。実際、導入した店舗では再生エネルギーが100%で施設運営を行っている時間帯も出てきているとしている。

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