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ファミリーマート/3分でバッテリー交換できるEVトラックで店舗配送実験

2022年11月24日 15:50 / 経営

ファミリーマートは11月24日、埼玉県三郷市の「ファミリーマート三郷中央定温センター」で、同月開始したバッテリー交換式小型EVトラックによる店舗配送実証の出発式を行った。

<バッテリー交換式EVトラック>

同実証は、伊藤忠商事を代表企業として環境省に採択された「令和3年度バッテリー交換式EV開発及び再エネ活用の組み合わせによるセクターカップリング実証事業」に基づき実施されるもの。取り組みには、伊藤忠商事、いすゞ自動車、JFEエンジニアリング、エッチ・ケー・エス、ファミリーマートが参画する。

同EVトラックは、1~2時間かけて急速充電を行う従来型とは異なり、バッテリーパックの交換が約3分で完了するため、コンビニ配送のような24時間の高稼働配送での利用に適している。今後、商用車でのEVトラック普及促進に貢献することが期待されるほか、トラック1台あたり年間約6.1トンのCO2削減効果も見込まれる。

実証は、ファミリーマート三郷中央定温センターを拠点に、トラック2台を用いて周辺の約80店舗に向けた1日3便の配送コースで行う。期間は2022年11月~2025年3月末の予定。EVトラックの実用性などを検証して、今後の導入拡大について検討するというものだ。

<バッテリー交換ステーション>

<アームを伸縮させてバッテリー交換を行う>

同センターには「バッテリー交換ステーション」を設置しており、EVトラックを真横に停車させて、車両側に取り付けられたモニターを運転手が操作することで、バッテリーパックの交換が可能だ。内部には最大10個のバッテリーを収納でき、自動で動くアームによって充電済みのバッテリーとの交換が行われる。

バッテリーをストックできる特性から、電気代も普通充電と同価格帯となるほか、バッテリー寿命をモニタリングできることに加え、低速充電による劣化抑制などのメリットもある。さらに、屋根上に太陽光パネルを設置することで、電力の一部を再生エネルギーで補うことも可能だ。

<ファミリーマートの岡本部長>

実証について、ファミリーマート SCM・品質管理本部の岡徹本部長は、「今回のバッテリー交換式EVの取り組みにより、社会実装に向けた次のステップに向かいたい。当社では店舗配送ルートの策定についても、自社開発したAI配送シミュレーターの導入を進めるなど物流効率化に向けた取り組みにも着手している。今後もファミリーマートは配送車両、燃料、配送コースといったあらゆる切り口から取り組みを続けていきたい」と述べた。

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