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和洋菓子のFRT企画/福岡地裁から特別清算、3代目社長はホワイトデー発案

2023年01月20日 10:10 / 経営

帝国データバンクによると、FRT企画(旧商号:石村萬盛堂、資本金9500万円、福岡市中央区)は、1月10日に福岡地裁より特別清算開始命令を受けた。

同社は、1905年12月に創業、1949年2月に石村萬盛堂の商号で法人改組した菓子製造・販売業者。

主力商品であるマシュマロ菓子の「鶴乃子」、鶏卵を素面のように仕上げた「鶏卵素麺」などの和菓子、バウムクーヘン生地をキャラメリゼさせた「ブリュレドサンク」、唐津レモンを使った「レモンケーキ」といった洋菓子を製造・販売していた。九州各県に直販店やFC店を展開し、和菓子は「石村萬盛堂」、洋菓子は「ボンサンク」で販売するほか、百貨店や空港、高速道路のサービスエリアなどの売店にも卸していた。

長年、本店として構えていた福岡市博多区の店舗は、博多を代表する祭り「博多祇園山笠」の廻り止め(追い山の最終地点)としての認知度が高く、3代目社長の石村善悟氏はホワイトデーの起源となるマシュマロデーを考案したことでも知られているという。

2007年6月期は年売上高約75億700万円を計上していた。しかし、同業他社との競合などにより売り上げは減少傾向をたどっていたうえ、近年は新型コロナウイルスの影響もあり土産品としての需要が減少したため、自社店舗や百貨店の売り上げが低迷し、2020年6月期の年売上高は約30億円にダウンしていた。

2018年6月期以降3期連続で営業赤字を計上していたうえ、自社工場への設備投資、出店費用がかさみ借入金が増加したことで債務超過状態が続いていた。この間、金融機関主導による再建策を進め、自社工場の売却などで債務圧縮を図っていたものの、新型コロナウイルスの影響が長期化したことから、改善は思うように進んでいなかった。

2021年9月10日に地場企業6社が出資して設立した石村萬盛堂(福岡市博多区)へ事業譲渡するとともに、同社は現商号へ変更。2022年11月15日開催の株主総会の決議により、解散していた。

清算したのは旧事業会社であり、事業譲渡を受けた石村萬盛堂は現在も営業を続けている。

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