ニトリHD/日本格付研究所から長期発行体格付AA-を取得

2024年05月23日 10:20 / 経営

ニトリホールディングスは5月22日、同日付で日本格付研究所(JCR)から、新規に格付を取得したと発表した。JCRは、長期発行体格付AA-、格付の見通しを安定的と評価した。

<ニトリ>

JCRによると、ニトリホールディングスの傘下には、家具・インテリア販売における業界トップのニトリ、ホームセンター事業を展開する島忠(2021年1月子会社化)、物流業務を行うホームロジスティクスなどを有する。顧客ニーズを捉えた商品開発、徹底した品質管理、物流の効率化などにより、品質の向上と手頃な価格での商品供給を実現し、顧客の支持を集めている。ビジネスモデルや資本、人的関係などからみてグループの一体性は強いと判断され、格付にはグループ全体の信用力を反映させた。

格付には、国内の家具・インテリア市場における強固な事業基盤、良好な財務構成などを織り込んでいる。海外からの商品仕入が主体であるため、業績は為替変動の影響を受ける。ただ、新商品の開発・拡販、国内外における店舗網の拡充、原価低減、物流の効率化などにより、収益力の強化が見込まれる。今後、国内外における積極的な出店に加え、自社物流センターの新設など高水準の設備投資が実施されるものの、キャッシュフロー創出力の向上などを考慮すれば、財務構成が大幅に悪化する可能性は低いとみている。以上を総合的に勘案し、長期発行体格付を「AA-」、見通しを安定的とした。

中期的な業績拡大に向けて、海外事業の基盤構築が不可欠である。既に一定の店舗網を有する中国大陸、台湾のほか、タイやベトナム、韓国、香港などへ出店を進めており、さらにペースを加速していくとみられる。今後の海外出店の進捗と業績への寄与を引き続きフォローする。国内事業ではニトリやインテリア雑貨を取り扱うデコホームの新規出店のほか、コーディネート提案の充実や新商品の開発・拡販、EC事業の強化が重要とみられる。ホームセンター事業では、プライベート商品の開発などによるシナジー効果の発現状況を確認していく。また、将来のさらなる成長に向けて、M&A、アライアンスを推進していく方針であり、今後の動向が注目される。

また、商品企画から製造、物流、販売まで自社でコントロールすることで低価格と品質向上の両立を実現し、同社は、業績を伸ばしてきた。近年は円安が営業利益にマイナスの影響を及ぼしているものの、出店増加や貿易費用の低減、物流効率化などにより、高い利益水準を維持している。2025年3期は売上高9600億円(前期比7.2%増)、営業利益1296億円(同1.5%増)と増収増益の計画。円安の影響を引き続き受けるものの、新商品の投入などによる既存店売上高の増加および粗利益率の改善、物流効率化の推進などの効果を織り込んでいる。

さらに、2024年3月期末の自己資本比率72.4%(2023年3月期末72.2%)など、健全な財務体質が維持されている。今後、国内に加え、東南アジアを中心とした海外の出店拡大のほか、総額約3500億円を投じ、2022年9月稼働の石狩DC(北海道)をはじめとした国内自社物流拠点の再構築を進めており、従前と比べて、高水準の設備投資が実施される見通しだ。ただ、キャッシュフロー創出力や利益蓄積に伴う自己資本の増加からみて、財務構成が大きく悪化する懸念は小さいとJCRでは判断している。

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