F&LCほか/ブリ養殖における遠隔自動給餌システムの実証試験を開始

2025年06月19日 10:27 / 経営

FOOD & LIFE COMPANIES、尾鷲物産およびヤンマーホールディングスは6月、ブリ養殖における遠隔自動給餌システムの共同実証試験を本格的に開始した。

<遠隔自動給餌システムを活用した給餌の様子>
F&LC

近年、天然に依存しない水産資源として養殖業の重要性が増す一方、人手不足や給餌コストの上昇に加え、夏の海水温の上昇による漁獲量への影響が課題となっている。今回、ヤンマーHDが開発した遠隔自動給餌システムは、エネルギーコストが今までより低減可能な海水と餌との混合給餌技術を取り入れるとともに、将来の沈下式生簀(いけす)※への適用も考慮したシステムだという。

まずは、年間約60万尾の生産を行う尾鷲物産のブリ養殖場(三重県尾鷲市)での海面生簀での実証試験を行った後、沈下式生簀への適用を進めていく。

実証試験で養殖したブリについては、F&LCによる食味分析などを経て、スシローの一部店舗にて2026年中の販売を計画している。

ヤンマーグループの養殖関連技術と尾鷲物産の養殖生産体制、F&LCの水産業界の知見を集約した、川上から川下まで一気通貫の実証試験により、持続可能な水産経営モデルの創出を目指す。

※浮力を変化させることで、海の中を自由に上下できるようにした生簀。台風対策や飼育魚の日焼け防止など、さまざまな使い方ができる。

<遠隔自動給餌システム管理画面の例>
F&LC

なお、ヤンマーグループでは、専用の水中カメラで撮影した魚影のデータをもとに、画像認識技術を用いて魚数および魚体重を自動計測する技術や、安定出荷を可能にする三倍体マガキの種苗生産技術といった養殖関連技術を有している。

今回の実証試験では、農業機械や建設機械等で用いる遠隔地でコントロール可能な遠隔操縦技術を活用し、遠隔自動給餌システムを開発した。人間工学に基づいた設計により、複数の生簀の状態を一瞥で確認できるHMI(Human Machine Interface)を採用。複数の生簀へ効率的な同時給餌が可能となった。

遠隔地から給餌の様子が確認できるため、従来よりも給餌の効率化、作業量の低減が図れる。また、社会情勢の影響で餌代の価格高騰が続く中、海水と餌との混合給餌技術により、給餌時の餌の割れ欠けを低減し効率の良い給餌が可能となり、餌料効率の改善も期待されるという。

■実証試験概要
場所:尾鷲物産 尾鷲養殖場(三重県尾鷲市)
期間:2025年6月~2026年1月(予定)
対象:ブリ約1万4000尾

F&LC 決算/10~12月増収増益、国内外のスシロー事業が好調

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