スノーピーク/最短で2027年末の再上場へ、MBO後は国内外ともに順調に推移
2025年10月01日 11:27 / 経営
スノーピークは最短で2027年末の再上場を目指す方針だ。9月30日に山井太社長(現会長)が計画を表明した。
スノーピークは2014年に東京証券取引所へ上場。増収を続け、2020年に入りコロナ禍によるアウトドア需要が高まったものの、それが一巡した影響で2023年12月期は一転して2桁の減収減益となった。
経営の自由度を高めスピード感のある意思決定を行うため、2024年7月にMBO(経営陣による株式取得)によって上場を廃止。足元の状況について山井氏は「2025年を迎えた今、より筋肉質で強固な組織体系へと変革を遂げている」と強調した。
今期(2025年12月期)の売上高は250億円を見込んでおり、2023年12月期の257億円の水準に近い。利益は営業利益が13億円(2023年12月期は9億円)、純利益は9億円(同100万円)と増益になるもよう。利益確保に向けて2024年と2025年はそれぞれ15億円ずつの経費削減を実施。そのために「ありとあらゆることをした」(山井氏)という。
直近は国内外ともに順調に推移する。国内では店舗の適正化により直営店の平均売上が2023年比18.6%増。大幅な在庫削減により在庫量は同45.7%削減した。
海外の売上はアメリカが同38%増、韓国が同31%増、台湾が同22%増といずれも大幅増収を見込む。中国では3年前に45%出資して立ち上げた関連会社をこのほど完全子会社化。アパレルを軸に事業拡大に舵を切る。
さらに日本とアメリカで直販比率が70%程度に向上しており、中でもアメリカは75%となっている。「SPA(製造小売業)に近づいている」と自信を見せる。
こうした状況を受け、再上場について山井氏は「適当な時期が来れば再上場したいと思っている。最短で2027年の年末か、2028年の1Q(第1四半期)あたり」と述べた。
なお、山井氏は「国内外の改革により成長軌道に戻るための基盤が整った。このタイミングで新体制をスタートし、新たなステージへ行くことになった」とし、10月1日付で社長を退いて会長となり、新社長には社外取締役で元スターバックス コーヒー ジャパンCEOの水口貴文氏が就いている。
取材・執筆 比木暁
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