青山商事 新商品/きちんと見えて楽な着心地のスーツ、税込1万2980円で11月発売
2025年10月22日 15:40 / 商品
青山商事は11月1日、スーツの新シリーズ「みんなのスーツ」を発売する。さまざまなシーンで着用できる良質なスーツを、税込1万2980円で販売していく。
スーツに求められるきちんとした見た目と、楽な着心地を両立させた「次世代イージーテーラード」が特徴。
購入後のメンテナンスにも配慮したウォッシャブル仕様。ストレッチ素材で動きやすく、防シワ性も備えている。メンズは吸水速乾で洗濯後の乾燥時間も短縮できる。
カラーはメンズがブラック・ネイビー・チャコールグレーの3色。レディースはグレージュ1色だが、11月下旬にブラックも発売予定。サイズはメンズがSS~3L、WIDES~WIDE3Lの全11サイズ。レディースはジャケットとパンツともにSS~3L(各6サイズ)。
商品はすべて無地だが、来年の1~2月をメドに、柄モノも投入する予定。
「すべての人が受け入れやすい、今までにありそうでなかった当社ならではのスーツを用意した」。
10月22日に都内で開かれた新商品発表会で、遠藤泰三社長はこう述べた。商品開発で重視したポイントは大きく3つある。
1つ目は「価格」。遠藤社長は「昨今、物価上昇で生活費の負担が大きく、需要と供給のバランスが崩れつつある。『みんなのスーツ』は皆さんに共感を得やすい価格設定で、お客様と当社の距離を縮め、需要と供与のバランスの適正化を図っていく」と意気込む。
メンズ・レディースともに上下合わせて1万2980円という価格帯は、同社では2021年7月に発売した「ゼロプレッシャースーツ」の9900円に次ぐ安さだ。
コスト削減を実現できた背景として、執行役員商品本部長の山本龍典氏は「テイラードスーツはこうあるべきだという考えから脱して、毛芯や肩パッドをなくしたり、軽くするなどして、いい意味で引き算をした」と説明する。
2つ目は「品質」。蓄積してきた経験やノウハウを結集した。
「ゼロプレッシャースーツ」はカジュアル寄りだったが「もう少しドレス寄りのスーツを作っていきたいというのが最初のスタート」(遠藤社長)。その上で「きちんと見える立体的なスーツは当社が最も得意としているところ。そこに素材や型紙の設計、縫製といった今までの技術を注ぎ込んで軽くて動きやすさを実現した自信作」(同)と強調する。
そして3つ目が「着こなし」だ。ビジネスウェアのカジュアル化が進み、スーツに求められるものが変化する中で、ビジネスシーンだけでなく、入学式や卒業式などさまざまなシーンで着用できる商品を目指した。
こうして誕生した「みんなのスーツ」だが、「すべての人に、似合うスーツ」をコンセプトに掲げ、幅広い顧客層を狙う。まずは若年層を中心に取り込みを図りつつ、さらに上の年齢層の開拓にもつなげたい考え。
そこで、40、50代が中心顧客層の「洋服の青山」と、若年層の顧客が多い「スーツスクエア」の両店舗で販売していく。この両店舗で同じ商品を展開するのは初めての試みだ。
遠藤社長によると、当初は来年2月の発売を計画していたが、11月に前倒しした。そのため「まだ商品の奥行きがない。あればあるほど売れると思っている。そこはまだ間に合っていない」という状況。
まずは通常規模の店舗で30~40着、大型店では80着程度の在庫を用意する。「それでも足りないと思っている」としながらも、「11月にはブラックフライデーがあったり、気温も低下してくるので、いい時期に発売できた」とコメント。
11月から全国でCM放映も開始する。物価高が続く中、高品質でありながら安価という新たなスーツ、果たして生活者に響くのか注目だ。
取材・執筆 比木暁
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