ベイシア/新フォーマット「ベイシアタウン新狭山店」オープン、PB・オリジナル商品強化

2026年03月25日 17:58 / 店舗レポート

ベイシアは3月25日、埼玉県狭山市に新フォーマット1号店「Beisia Town(ベイシアタウン) 新狭山店」をグランドオープンした。

<店舗外観>
ベイシア

ベイシアタウンは、都市・地方を問わず「多様な生活者が共存するエリア」に向けて開発した新たな複合型店舗モデル。同フォーマットの特徴として、「ベイシア×多彩なテナントによる2層複合型施設」、「買物・サービス・体験を一つの場所で完結できるワンストップ性」、「地域の生活に溶け込み、日常を支える生活拠点」の3点が挙げられる。

日本全体で進む環境の変化により、従来のベイシアに見られる「郊外型ワンフロア店舗」では応えきれないニーズが顕在化。新モデルを開発した背景には、ライフスタイルの変化や単身・二人世帯の増加、時短・簡便化の加速、土地の制約が大きいエリアでの新たな出店モデルの必要性などがあったという。

今回オープンする「新狭山店」は、西武新宿線「新狭山駅」北口より徒歩約10分の場所に出店。都市型展開を体現する旗艦店としての位置づけとなる。商圏は半径5キロ圏内。この中には、都内通勤者、工業地域労働者、シニア層、ファミリー層など多様な生活者が混在しており、まさにベイシアタウンの特性を体現するモデルケースとなっている。周辺住民1人につき週2~3回の来店を見込む。

入居テナントとしては、ドラッグストア、カフェ、クリニック、100円ショップ、フィットネスなど、生活に必要な機能がワンストップでそろう14店舗が出店。買物のみならず、健康・飲食・サービスまで多様なニーズを1つの施設で完結できる構成とした。

<相木社長>
ベイシア

相木孝仁社長は、ベイシアタウンを開発した経緯・意義について、次のように語った。

「世の中を見渡すと、ライフスタイルの多様化、単身・2人世帯の増加、都市部への人口流入が進んでおり、買物に求めることが日々変わってきていることを痛切に感じている。やはり都市部では、土地が狭くて大規模店舗が作りにくい。徒歩あるいは自転車でお越しになり、時短・簡便・生活機能のワンストップを求めるお客様が多くなり、少しやり方を変えていく必要があると感じていた。

今回の新狭山店でベイシアタウンを作ったが、必ずしも『都市部』のフォーマットという風には位置付けていない。ここ(新狭山店)には都内へ通勤する方、近隣の工場・製造拠点で働かれる方、シニアの方、ファミリーの方もたくさんいらっしゃる。そういった多様な生活スタイルを持たれる方々が集まっておられるエリアで、高密度なベイシアタウンを作っていくというのが我々の考え方。新しいライフスタイルに対応した小売を作っていきたい」。

SMの「フーズパーク」を軸に、SM+テナントのパターンを中心にサービスや体験機能も取り入れた、新しいワンストップショッピングを実現するNSCモールづくりに取り組む。このうち土地の制約が出る都市部では多層階になる想定。テナント構成は商圏・地域特性に合わせて随時変えていく。

今後の出店戦略としては、同社が得意とする郊外型店舗の出店は継続するという。「スーパーセンター」+テナント版のベイシアタウン出店も視野に入れる。加えて、人口減少の影響を受けにくいエリアへの出店や、ドミナントの形成に注力したい考え。

<安田本部長>
ベイシア

新モデルの展開に先立ち、「ベイシア渋川店」(群馬県渋川市)をテストケースとして改装。当時、ベイシア唯一の2階層店舗で、25年4月~6月のリニューアル前はシニア層の顧客が多く、ファミリー層の構成が低かった。物販テナント中心の構成から、体験型やサービス系テナントを増やしたことで、多世代の顧客が来店するようになったという。

営業企画本部の安田本部長は、渋川店の改装をこう振り返る。

「2階の食品ゾーンを下(1階)に下ろしたことで、本来の売場面積が半分になり、客数が落ちると想定していたが、予想以上に落ちず、売上も100%からわずかに欠ける程度で推移している。空いた2階にアミューズメントを入れたことで客層が若返った。本来、渋川店には若い方がいらっしゃらないという印象もあったが、実は我々の提供価値がずれていた」。

そうした経験から、今ではテナントと共に商売する方が、顧客に対してのサービスレベルがより上がると判断。NSCであるベイシアタウンの開業につながった。

直近の既存店リニューアルでも、スーパーセンターなど1万m2越えの店舗に「セリア」などのテナントを誘致するケースが増えている。25年11月に改装した「ベイシア千葉富里店」(千葉県富里市)では、「西松屋」と「キッズランドUS」がオープン。客層が若返り、幼児乳飲料やお菓子の売上が上昇する相乗効果を確認したという。

また、渋川店ではイートインスペースや休憩スペースも増設している。コミュニティの場を拡充したことで買物に来た顧客がその場で休憩できるようになり、利用者からの評価が高まった。そこで今回の新狭山店でも、来館者が休憩できるフードコートを設け、カフェテナントも誘致している。

核店舗「フーズパーク新狭山店」

<入口付近>
ベイシア

核店舗「Beisia Foods Park(ベイシアフーズパーク) 新狭山店」では、家族連れの顧客向けにコスパ良く楽しめる商品を、単身・二人世帯の顧客向けに簡便・即食商品をそれぞれ充実させ、駅近立地ならではの幅広いニーズに対応していく。

<神戸本部長>
ベイシア

現在、ベイシア各店の自営ゾーンで扱う商品は約1万5000SKUあり、そのうちの1100SKUがベイシアのオリジナルの商品となっている。既存店での売上構成比のうち約17%がPB商品・オリジナル商品だが、これを20%まで高める目標を全社で掲げているという。

これを早期に達成するべく、新狭山店の売場は約20%を自社オリジナル品で固めた。

具体的にオリジナル商品をどう強化していくのか。商品本部の神戸達也本部長は、今回の出店に合わせて「PBの政策を大きく2本立てに変えた」と説明する。少し品質のいいもの、こだわりのある商品を扱う、これまで通りの「ベイシアプレミアム」として扱い、プライスPBを加えて価格面でも訴求していく。

<青果コーナーのクレープ>
ベイシア

青果コーナーでは、旬の果物の鮮度や価格を訴求しながら、季節感のある売場を演出する。細かい商品を入れずに品数を絞り込み、販売数を上げて回転率を上げ、鮮度を維持して商品を回す方針。デザートの販売にも注力し、店内製造のクレープも並ぶ。

<精肉コーナー>
ベイシア

精肉コーナーでは、埼玉県和牛「武州和牛」やベイシアオリジナルブランド「とろ牛」など国産牛を強化。「焼肉専門店」コーナーで素材・味付けのバリエーションをそろえるほか、味付け肉、焼くだけ・レンジ調理・即食対応の「Smart Meat」など簡便商品も充実させた。

<鮮魚専門店「海宝丸」>
ベイシア

鮮魚売場には、鮮魚専門店「海宝丸」を導入。自社とテナントどちらの売場にするか熟考の末、今回は競合対策を考えた結果、テナントを入れた。新店の周辺に鮮魚専門店「角上魚類」が出店済みという事情もある。

市場直送の朝市や鮪の解体即売会など、臨場感あるイベントも実施していく。

<コロッケを強化>
ベイシア

総菜コーナーでは、素材や味付け、製法にこだわった「香味醤油の極旨唐揚げ」や、約10種類をそろえるコロッケを展開。ベイシアでは今年、全社を挙げて特にコロッケを強化していく予定で、売場強化の第1号が新狭山店となった。

唐揚げに関しては、従来は作業効率を優先させ冷凍品を提供していたが、今回からチルド品を提供。「やはり美味しいものをお客様に届けようということで、もう一回チルドに変えて味の向上を図った。人がどうしても必要なところは、人を使って商品を強化していく方針を変えて、よりお客様の満足度が上がる商品作りに変えていきたい」(神戸本部長)という。

<BBB(ベイシアビッグ弁当)>
ベイシア

このほか、ボリュームとコスパが売りの「BBB(ベイシアビッグ弁当)」も多彩にラインアップ。新狭山店限定の「ガーリックペッパーポークステーキ」弁当も登場する。さらに中華総菜も強化し、盛り合わせや各種弁当も展開。ベーカリーでは、クロワッサンやインストアバーガーに加え、新商品のベーグルも取り扱う。

加工食品コーナーでは、生鮮食品との組み合わせが楽しめるドレッシングを種類豊富に用意。お菓子コーナーではチョコレートカテゴリーを強化し、選ぶ楽しさを演出する。酒コーナーでは、輸入ワインのバンドル販売や、日本酒・サワーなどの飲み方提案を行い、家飲み需要にも対応。日配品ではワイン売場と連動した、おつまみチーズの品ぞろえを強化する。

フローズン売場では、弁当総菜を中心とした冷凍食品を拡充し、ストック需要の高い冷凍野菜・冷凍果物を充実させた。需要が伸びているワンプレート商品や、幼児食・健康に配慮した商品まで幅広く販売していく。

<PB新商品も導入>
ベイシア

今回の出店に合わせて、ジャムやドレッシングを製造・販売しているセゾンファクトリーとの共同開発PB「こだわりのジャムシリーズ」から、新フレーバー4種を新狭山店限定で先行販売。4月から全国のベイシアでも取り扱いを開始する。

また、ベイシアでは今まで以上に、オリジナル商品の提案を強めていく。プロセスセンターに限らず、さまざまな部門の工場を増やし、オリジナル商品の開発に注力しているという。

26年2月に登場した、同社による新フォーマットの小型業態「オトナリマート」では、自社焙煎のオトナリコーヒーを販売。飲むシーンから味わいを設定し、豆、粉、ドリップパック、アイスリキッド、店内セルフコーヒー売場でのカップ販売で展開している。

これら自社アセットを組み合わせた売場作りを検討中だという。神戸本部長は「コーヒーの焙煎工場と同様、ベーカリーの工場も稼働した。まだ供給店舗数は少ないが、自社の商品として生産を始めている。パンとコーヒーに加え、ベイシアプレミアムのジャムも一緒に合わせることで、シーンごとにオリジナル商品が提供できると、よりベイシアの特徴が出てくるという風に思っている」と述べた。

<フロアガイド>
ベイシア

■Beisia Town 新狭山店
所在地:埼玉県狭山市新狭山2-20-3
アクセス:西武新宿線「新狭山駅」北口より徒歩約10分
TEL:04-2936-7100
営業時間:9時~22時
定休日:1月1日
駐車場台数:208台
営業面積:5856m2(1772坪※うち食品548坪、住関連47坪、共用・催事など262坪、テナント914坪)
従業員数:正社員11名、パートアルバイト126名
レジ台数:通常6台、セルフ18台計24台

取材・執筆 古川勝平

ベイシア/群馬県伊勢崎市に新業態1号店「オトナリマート」2/25オープン

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