ヤオコー新浦安店/南エリアの旗艦店にリニューアル、新MD充実させ年間売上60億円目指す

2026年03月26日 17:31 / 店舗レポート

ヤオコーは3月26日、「ヤオコー新浦安店」(千葉県浦安市)をリニューアルオープンした。

<店舗外観>
ヤオコー

JR京葉線・武蔵野線「新浦安駅」南口より南東へ約1kmの場所にある商業施設「ニューコースト新浦安」1階に位置する。2018年9月に開業した店舗で、オープン後8年程度の短期間で改装を施すのは、同社では異例のこと。「南北政策」※における南エリアの旗艦店として位置付け、運用していく。リニューアルコンセプトの1つに「新しい魅力」を掲げ、各部門の売場に新コーナーを設けた。

より一層、ヤングファミリーを取り込むべくMDを再構築している。売上構成比は、生鮮38%、グロサリー48%、デリカ14%。SKU数は、生鮮1020、グロサリー1万7840、デリカ370となった。生鮮をやや減らした分、グロサリーとデリカを増強。安さと価値の提案を両立させる商品構成とした。改装後の初年度売上目標は、現状の約17%増となる60億円を目指す。

※ヤオコーでは、さいたま市よりも北部にあるミドルシニア層が多い地域を「北エリア」、さいたま市より南部のヤングファミリー層(同社の定義では49歳まで)がやや多い地域を「南エリア」と呼称。南北のエリアで政策を分けて事業に取り組んでいる。

<川野社長>
ヤオコー

新浦安店を南の旗艦店にした理由について、川野澄人社長は次のように説明した。

「一番は、やはり非常に豊かな商圏であるからだ。(お客様の)人口の密度も高いし、所得も高い、新しいものに対しての感度が非常に高い。そういう意味では、南の象徴的な客層が集まっているエリアだと思う。感度の高いお客様に対して新しいものが刺さらなければ、ほかでもご支持頂けない。ご支持頂けるものを作ろうと思い、新浦安店を改装の対象にした。

加えて、(新浦安店の)日販が元々それなりに高く、商品集積、売場面積も広く取れる。駐車場も広く、そういう意味では客数のアップにも十分耐える。そんなことも加味しながら大規模な改装に踏み切った」。

そして旗艦店のオープンに伴い、ヤオコーとして新たな挑戦に臨む。

具体的な取組は主に3つ。1つ目は、生鮮の再強化を行う。青果売場の平台を、商品をしっかりボリューム陳列できるものに変更。朝一から量感を演出して売り切っていく。オペレーション面でも、商品を一度に出し切れるように、基本的には補充の回数を減らして、店内加工の対応に時間を使えるようにした。

「エイヴイのスタイルに近いが、青果の安さや量感でお客様にご支持頂くことが第一という風に考えている」(川野社長)。

鮮魚では、特に対面の近海魚のコーナーを強化。精肉では、ジビエ等も新しく取り入れ、素材の豊富な選択肢で支持を集める。

2つ目は、新カテゴリーへの参入だ。今までヤオコーでは扱ってこなかった商品として、ジェラートや化粧品のコーナーを新設する。他業界で扱っているような新しいカテゴリーにも積極的に取り組んでいくという。

「既存店に波及できる・できないはともかく、まずやってみようとチャレンジする。ヤオコーは、おかげさまで200店舗を超えたが、全店配荷を前提とすると、どうしてもやれることが限られてしまう。そうすると新しいマーチャンダイジングも生まれてこない。つまらない店作りになってしまう。思い切って変えてみることで、新しいものが社内に生まれる。社内の活力にもなってくる」(同)。

3つ目は、南の旗艦店オープンに合わせた、ヤング層に向けた提案の強化となる。例えば、鮮魚売場の切り身コーナーに骨取り品をそろえたり、精肉売場のひき肉のコーナーですぐ焼ける簡便商材をそろえたりするなど、若年層への対応に注力。スイーツのコーナーも拡充していく。

<新PBの特設コーナー>
ヤオコー

旗艦店のオープンに合わせて、住居(日用品)コーナーにヤオコーの新PB「Reneful(リネフル)」を先行導入。店舗の入口付近にも特設コーナーを設けた。肌を外側から整えるスキンケア化粧品(15SKU)と、カラダを内側から整える調理用品(42SKU)をラインアップ。どちらも、暮らしの中で自然に使い続けられることにこだわっている。

化粧品は、化粧水(500ml税別398円)とフェイスマスク(3枚178円、30枚598円)を販売。メンズ用も取り扱う。

リネフルの導入経緯について、川野社長はこう語る。

「我々の住居関連カテゴリーはずっと縮小してきた。一番売れているのはペットフードだが、歯ブラシや歯磨き粉といったオーラルカテゴリーの売上が非常に伸びている。改めてチャンスがどこにあるかを考えたときに、比較的頻度が高く、日常的にお使いになられる商品を考えた。縮小するだけではなく、強化すべきところに今回着手した」。

普段使いできるものとして、スキンケア化粧品と調理用品を選定。化粧品について、ドラッグストアが主な競合となるが、「我々の優位性としてお客様の来店頻度が高い。頻度高く買うものについてはニーズが高い」(川野社長)と勝算を見込んでいる。

「我々として、自信を持ってお客様にお勧めできるものをカテゴリーとしてちゃんと打ち出せば、普段使いで使って頂けるようなものになっていくと思う」(同)。

リネフルは、4月から南北それぞれの店舗に順次、展開する予定だ。

<ジェラート売場>
ヤオコー

ベーカリーコーナーには今回、店内製造の美味しさを追求し、ジェラートや焼きたてフィナンシェを対面販売する売場を新規導入した。

ジェラートは、店内で丁寧に仕込んだ手作り品を販売。コクとミルク感が特徴で、濃厚なのに口どけなめらか。価格はシングル税込300円(現金のみ)、ダブル440円、フィナンシェ付きで+140円。高所得層の利用を見込む。レジでキャッシュレスでも支払いできるテイクアウト品も用意した。フレーバーは18種。ヤオコーのおはぎでお馴染みの「あんこ」や「ずんだ」も扱う。

<フィナンシェ>
ヤオコー

フィナンシェ(各150円)は、プレーンと自社製あんの2種用意。ベーカリーで低温焼成しており、外側がカリっと、内側がしっとりした食感を実現している。

ジェラートとフィナンシェはいずれも、今のところ全店での展開は考えていない。「南エリアにおいて支持される商品群ではないかと感じている」(川野社長)という。

ジェラートとフィナンシェ売場のあるコーナーには、日配のスイーツも集積させ、全部まとめてステーション化するレイアウトに変更した。これに伴い、イートインスペースをやや縮小している。

ベーカリーではこのほか、健康志向の顧客向けに「スペルト小麦(古代小麦)」を使用したこだわりのディナーパンを提供。ランチではカレーパン、夕方はロイヤルブレッドやフランスパン「GU(具) シリーズ」の対面販売を行う。

<幸ノ実フルーツショップ>
ヤオコー

青果は、味・糖度にこだわった鮮度の良い美味しいトマトを豊富な品ぞろえで用意。地元千葉県産の有機野菜を採れたての鮮度で提供し、地域一番の品ぞろえを実現する。果物は店内製造のカットフルーツ「幸ノ実フルーツショップ」を展開し、旬の果物を切りたてで提供。花は洋花をメインに、贈答ニーズに合わせたブーケやアレンジを用意した。

<自動カットパイン機>
ヤオコー

売場には、ZUMMO社製のパイナップルスライサーも導入。葉付きのパイナップルを丸ごと機械に入れ、たった15秒ほどでパインブロックが完成する。セルフサービスで提供することで、いつでも切りたてのパインを販売可能。カットパイン機の導入は、和光丸山台店ぶり(埼玉県和光市、21年開業時。当時は機械のメーカーが異なる)。

パインブロックの値段は、加工前のパイナップルと均一。和光丸山台店では、子連れの家族が購入することが多く、パイナップルを入れて瞬時にブロックが完成することから、子どもが喜んで利用するケースが多いという。

<鹿肉を販売>
ヤオコー

精肉売場では、今回はじめてジビエを導入。自然の中で育った鹿肉は、高たんぱくで栄養価が高く、脂に頼らない濃厚な旨味が特長だという。隣接させる形で、ラム肉も訴求していく。

その他の肉は、焼肉を食卓のシーンから盛合せを軸に、品ぞろえ・畜種・厚さ・部位にこだわり、素材の特徴を生かした商品化で、ハレの日の食事に選ばれる売場を実現。忙しい子育て世代に向けて、店内製造の豚つくねや和牛ハンバーグ、パン粉付け商品などの半製品を豊富に品ぞろえしている。

<鮮魚売場>
ヤオコー

鮮魚は、豊洲市場で買い付けた新鮮な近海魚を、盛合せや骨取り切身、寿司に店内製造の一夜干しなど、素材の良さを活かした商品として提供。まぐろは、定番の大鉢まぐろ、本まぐろに加え生まぐろも取りそろえる。サーモンは青森・北海道産の国産サーモンを刺身用・塩鮭・スモークサーモンなど豊富なラインアップで用意した。

デリカは、店内手仕込みロースかつを使用した「煮込みロースかつ重」や名古屋コーチン卵を使用し、手鍋を使って焼き上げた玉子焼き弁当、サラダ×おかず×玄米を使用したバランス弁当等、種類豊富に取り扱う。店内製造の生パスタとソースを合わせた「店内仕込み生パスタ」や肉じゃが・手羽大根などの煮込み料理も新たに導入している。

<ようかんも新登場>
ヤオコー

ヤオコーオリジナルの商品として、ようかん(各98円)も新登場した。

冷凍食品は、基本的にはヤングファミリーに刺さる品ぞろえを強化。アイスや離乳食もケースで展開している。最近人気のワンプレート商品や、低カロリーな健康美膳も扱う。

日配品は、毎日の食卓にチーズのある生活を提案。ワインに合わせたナチュラルチーズや汎用性の高いクリームチーズ、健康志向の植物性・機能性チーズなどを増やし、生ハムと合わせたオードブル商品も用意する。豆腐や漬物など、健康を意識した商品も充実させた。

<コーヒーの量り売り>
ヤオコー

ドライ食品は、顧客支持の高いコーヒーを強化。産地や製法にこだわったレギュラーコーヒーや珈琲豆の量り売りを行い、自分好みのコーヒーが見つかる売場を実現している。

素入りナッツやフレーバーナッツなど豆菓子も充実させた。

戦略特区を推進

また、ヤオコーの親会社ブルーゾーンホールディングスは、3月1日付で組織変更を実施。15の営業地区をエリア単位で統括する「エリア制」を導入し、旗艦店の充実およびプロジェクト推進のための「戦略特区」を新設している。

戦略特区の構想について、川野社長は「上手くいったもの、上手くいかないもの、トライアル&エラーを速く重ねて、我々の進化をスピードアップさせていくために戦略特区を設けた。そこで新しくしたものを全店に広げていくようなことを組織全体として考えている」と述べた。

戦略特区にある店舗は、南エリアを中心に既存店8店舗が該当。主な店舗は、浦和パルコ店、武蔵浦和店、東大和店など。今回リニューアルオープンした新浦安店も戦略特区の店舗に当たる。これらの店舗では、全店統一のMDから少し外れて、新しいことに取り組んでいく予定だ。

■ヤオコー新浦安店
所在地:千葉県浦安市明海4-1-1 NEW COAST SHIN-URAYASU(ニューコースト新浦安)内
TEL:047-381-8011
延床面積:3468.93m2(1049.35坪)
売場面積:2474.45m2(748.52坪)
リニューアル:2026年3月26日
開業日:2018年9月27日
営業時間:9時~21時30分
休業日:1月1日、2日 ほか1日
年間売上:初年度60億円
駐車台数:930台(駐輪場770台)※施設全体
従業員:正社員38名、パートナー・ヘルパー・アルバイト173名(延べ人数)

取材・執筆 古川勝平

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