ヤオコー 川野社長インタビュー(前編)/生鮮に強いディスカウンターに品ぞろえと価格で対抗
2026年01月06日 11:00 / 経営
2025年ヤオコーは200店舗を達成し、持株会社「ブルーゾーンホールディングス」を設立した。2025年12月の合同記者会見で、川野澄人社長は「首都圏のスーパーマーケット業界の競争が激化する中、商品・店舗・人財育成を強化し、さらなる成長を目指す」と語った。主なやり取りを2回に分けて紹介する。
特に上半期は米の価格高騰、また需給の逼迫に振り回された。米の単価が大きく上がったことでトップラインを押し上げる効果があったが、2026年はこの反動があるだろう。
また、インフレが進み、お客様が生活防衛的になり、当社でも買い上げ点数一品単価は上がっているが、買い上げ点数は落ちる傾向にある。
今期のテーマとしては、全てのお客様においしさで感動とそういうテーマで、生鮮強化などの取り組みを進めた。生鮮、総菜などの独自性、価格戦略の両軸を2025年は推し進めた。
――商品戦略の手ごたえは
青果はミニトマト、グロサリーは直輸入している税別598円のプライベートブランドのワイン、総菜ではベーシックな銀鮭の西京味噌焼き弁当などがお客様から高い支持を得ている。
ただ、単品の支持だけではなく、例えば「米飯」などカテゴリーそのものが支持されるように、カテゴリー全体を磨くことが来期のテーマになると思っている。
――埼玉など北エリア、東京・神奈川など南エリアで商品・販促を変える南北政策を推進していますね
北エリアミドルシニアの割合が高く、南エリアはヤングミドルの割合が高い。ライフスタイルに差がある。
また、年金受給をされている方にとって、なかなか収入が増えない中で支出は上がっており、節約ニーズが高い。南北で違いが大きくなっていると捉えている。
具体的には、主にバイヤーが、南北のエリアの違いを意識しながらどう品ぞろえを考えていくか。あるいは新商品を出すにしても、誰をターゲットにするかということが明確になってきた。
北の旗艦店として、「久喜吉羽店」を昨年オープンしたが、まだ北の旗艦店として磨き込めていないところがあるのが課題。
さらに、南の旗艦店の「新浦安店」の改装を2026年3月に予定している。所得水準が高く、新しい商品・カテゴリに感度が高い、目の肥えたお客様が多いエリアなので、新しい店づくりにチャレンジしていく。
――今後の改装計画について教えてください
ヤオコーは、おかげさまで200店舗体制になってきた。店舗が増えてくるとインフラの整備をはじめマネジメントのやり方を変えなくてはいけない。改装しなければならない店舗も大幅に増えてくる。
次の20年に向けて、今度は300店舗体制の仕組みを作っていくのが今後の課題だ。
――25年は23区内に2店舗出店しましたが、業績は順調ですか
「杉並桃井店」と「板橋四葉店」は、440坪(約1400m2)前後の店舗面積でも、(ヤオコーの標準規模である)600坪(約1900m2)の魅力を出すことに取り組み、一定の成果が出ている。
――激化する競争環境についてどう考えていますか
競合の生鮮に強いディスカウンターには、価格と品ぞろえで対抗する。
バロー、生鮮TOP!(マミーマート)といった生鮮に強いディスカウント業態の出店が加速している。生鮮強化、そして価格コンシャス対応は、もう一段今までやっていることのレベルを上げるということにつきると考えている。
当社より広い商圏を設定しているディスカウンターは、価格が魅力で、週末のまとめ買いが一般的だ。
われわれが目指しているのは、まとめ買いではなく、毎日着て買い物していただける店舗。より小商圏を狙っているので、完全に商圏がかぶるわけではない。
しかし、価格対応をいかに進めるかは今後も重要なポイント。加えて、鮮度のよい魚、バラエティー豊かな焼き肉など商品の魅力もますます重要になる。
出来立ての総菜など、毎日来て楽しんでいただく、あるいは売り場の変化があるという、ヤオコーならでは個店経営を推進することが、一番の差別化のポイントになると考えている。
(後編につづく)
取材・執筆 鹿野島智子
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