ブックオフ／カザフスタン進出、5年で30店舗出店目標

2024年07月10日 15:38 ／海外

ブックオフグループのカザフスタン法人J＆K TRADING LLCは7月6日、リユース店舗「Jalan Jalan Japan（ジャラン・ジャラン・ジャパン、JJJ）」直営1店舗目となる「Aksay（アクサイ）店」をオープンした。

＜Jalan Jalan Japan Aksay（アクサイ）店＞

カザフスタンでは2022年から加盟店の形で「JJJ」2店舗を展開してきたが、その業績が好調であることから2024年4月に加盟企業と合弁会社を設立、直接資本とノウハウの提供による多店舗展開に踏み切った。5年間で30店舗の出店を目指す。

＜店内＞

「Aksay 店」は、カザフスタン最大の都市アルマトイ市にある住宅密集地に位置している。この中間層の厚い地域にアパレル商品をメインとした店舗（JJJ アパレル専門店）を展開し、現地にはない、ユニークな価値の提供につなげる。

「Used in Japan」を背景とした「良質な商品」、お手頃な価格設定による「カゴいっぱいの買物体験」、圧倒的な商品量による「多様な選択肢」を提供するほか、ブックオフの売場作りノウハウによる「ワクワクする買物体験」を提供する。

また、JJJ アパレル専門店は、これまでマレーシアで展開する大型店に比べて半分程度の広さになるが、投資回収が早く、オープンまでの準備期間が短いという特徴がある。この利点を生かして出店を加速する計画だ。

＜アパレルのディスプレイ＞

カザフスタンでの業績が好調である背景には、中央アジアという地理的特性から物流面のハードルが非常に高いこともあり日本の商品の流通が少ないこと、そこにJJJの提供する独特の価値が現地のお客に受け入れられていることがある。

そこで、ブックオフが直接資本とノウハウを投入し、多店舗展開と市場シェア獲得を目指す。⼀方で、カザフスタンは日本企業の進出は少なく、小売業では2013年のミニストップ以来（2014年に撤退）となる。今回は、日本人に不慣れな事業環境に対処するため、現地のJJJ加盟店オーナーとの合弁会社の設立に至った。

＜アパレル売場＞

ブックオフグループではチェーンで年間約4億点以上の商品をお客から買取りをしているが、⼀方で販売点数は年間3億点未満と、買取した商品の全てを販売するには至っていない。売れ残った商品はリサイクルなど資源化に努めているが、やむを得ず廃棄処分となるものも多数あった。

この問題を解決するための出口戦略が海外リユース店舗「JJJ」となる。2016年にマレーシアで「JJJ」1号店をオープンした。「Jalan Jalan」とはマレー語で「ぶらぶらする」「散歩する」というマレーシアでの日常的な言葉となっている。

＜着物も販売＞

「気軽に日本の雰囲気を楽しんでほしい」という思いを込めた店舗では、アパレル・生活雑貨・ベビー用品・おもちゃ・ホビー・スポーツ用品・楽器・家具・アクセサリー、着物等、日本で使用された中古品を多数陳列し、お客が、家族で・長時間・宝探しのような感覚で、カゴいっぱいの買い物を楽しめる環境を整えた。

カザフスタンの加盟店2店舗は、マレーシア同様に多くのお客が利用しているが、とりわけ冬物衣料やウィンター用品が人気で、中央アジア特性の消費パターンが生まれている。

現在マレーシアで12店舗、カザフスタンで3店舗を展開しているが、2023年は170万人（レジ通過ベース）のお客が利用し、日本で販売が難しい商品3600トンを日本で廃棄することなく、現地のお客にとっての「楽しく豊かな生活」につなげた。

＜シューズ売場＞

ブックオフグループは、昨年度に中期経営方針を発表し、海外事業を「成長期待事業」に位置付けている。「米国BOOKOFF事業で100店舗」「JJJ事業で世界100店舗」を10年後の目標に据え、積極出店を推進している。今回の出店で海外事業全体の店舗数は33店舗になった（米国15店舗、フランス3店舗、マレーシア12店舗、カザフスタン3店舗）。また、JJJ事業はその事業性のみならず、日本でリユースが難しいモノの出口戦略としての価値も高く、JJJの出店拡大はそのまま「日本のすてない社会」につながっているという。

■Jalan Jalan Japan Aksay（アクサイ）店
所在地：Kazakhstan, Almaty, Auezovsky district, Aksai-4 microdistrict, building 30
売場面積：648m2
取扱商材：アパレル、服飾雑貨、着物
営業時間：10時～22時

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