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ファーストリテイリング/8月期減収減益も21年期は大幅な増収増益見込む

2020年10月15日 12:05 / 決算

ファーストリテイリングが10月15日に発表した2020年8月期決算によると、売上収益2兆88億4600万円(前期比12.3%減)、営業利益1493億4700万円(42.0%減)、税引前利益1528億6800万円(39.4%減)、親会社に帰属する当期利益903億5700万円(44.4%減)となった。

下期に新型コロナウイルス感染症の影響で各国・各エリアで数ヶ月間におよぶ店舗の臨時休業を行ったことや、外出自粛による客数減で大幅な減収減益となった。

新型コロナウイルス感染症により業績が悪化したことで、店舗などの減損損失を通期で230億円計上した。売上総利益率は前期比で0.3ポイント低下、売上高販管費率は同2.8ポイント上昇。金融損益は、為替差損益や受取利息などをネットで35億円計上した。

設備投資は827億円、前期比24億円減。内訳としては、国内ユニクロ事業が178億円、海外ユニクロ事業が235億円、ジーユー事業が85億円、グローバルブランド事業が24億円、システム他が304億円となっている。

有明プロジェクトに関わるITシステム、倉庫投資、国内ユニクロ事業のグローバル旗艦店、大型店への投資が増加した一方で、海外ユニクロ事業を中心に出店数が減少したことにより、全体で若干減少したという。

国内ユニクロ事業の売上収益は8068億円(7.6%減)、営業利益は1046億円(2.2%増)と、減収増益。通期の既存店売上高(Eコマースを含む)は、6.8%減だった。

上期は暖冬の影響で、防寒衣料の販売に苦戦し、前年同期比4.6%減。下期は新型コロナウイルス感染症の影響で、3月下旬から5月上旬にかけて最大で311店舗が臨時休業したこと、外出自粛要請による客数減で、前年同期比9.6%減となった。

ただし、店舗の営業を再開した第4四半期3カ月間の既存店売上高は、前年同期比20.2%増と大幅な増収に転じた。これは、夏物コア商品、在宅需要にマッチした商品、エアリズムマスクの販売が好調だったことによるもの。

通期のEコマース売上高は1076億円(29.3%増)、売上構成比は前年の9.5%から13.3%へ上昇している。

海外ユニクロ事業の売上収益は8439億円(17.7%減)、営業利益は502億円(63.8%減)と、大幅な減収減益。これは、主に新型コロナウイルス感染症の影響を受け、下期に大幅な減収減益になったこと、韓国、米国を中心に海外ユニクロ事業で減損損失を通期で158億円計上したことによる。

Eコマース事業は、約2割増収と、各国・各エリアで順調に拡大した。

グレーターチャイナは減収、大幅減益も、3月以降は想定を上回るペースで回復。韓国は大幅な減収、営業利益は赤字、その他アジア・オセアニア地区は大幅な減収減益だった。

シンガポール、マレーシア、タイ、オーストラリアは第4四半期3カ月間に順調に回復。北米、欧州は新型コロナの影響が大きく、北米は赤字幅が拡大、欧州は若干の赤字となった。

ジーユー事業の売上収益は2460億円(3.1%増)、営業利益は218億円(22.5%減)と、増収減益。国内ジーユー事業は、上期はマストレンドを捉えたニットや薄手のアウターの販売が好調で、既存店売上高(Eコマースを除く)は増収となったが、下期に新型コロナウイルス感染症の影響を受けたことで、通期では前期比5.2%減収となっている。

第4四半期3カ月間は、売上収益が順調に回復し、既存店売上高は前年同期比2.2%の増収となった。

特に、マストレンドを捉えた商品や在宅需要にマッチした商品の販売が好調だった。通期のEコマース売上高は、人気商品の欠品率の改善や情報発信の強化により、前期比約6割増収と好調に推移した。

通期の売上総利益率は、前年のハードルが高かったことに加え、春夏商品の在庫消化を進めたことで、前期比0.7ポイント低下。通期の売上高販管費率は、1.8ポイント上昇したが、これは下期に売上収益が減少したことによるもの。

グローバルブランド事業の当連結会計年度の売上収益は1096億円(前期比26.9%減)、営業利益は127億円の赤字(前期は36億円の黒字)と、大幅な減収減益。これは主に、欧米で新型コロナウイルス感染症の影響が大きかったことから、コントワー・デ・コトニエ事業、プリンセス タム・タム事業、J Brand事業の赤字が継続したこと、セオリー事業が赤字に転じたことによる。

次期は、売上収益2兆2000億円(9.5%増)、営業利益2450億円(64.0%増)、税引前利益2450億円(60.3%増)、親会社に帰属する当期利益1650億円(82.6%増)を見込んでいる。

上期は新型コロナの影響で減収の予想も、下期は収束すると想定し、大幅な増収増益を計画。通期ではすべてのセグメントで増収増益を予想している。

その他収益・費用は、200億円のマイナスを予想。主に、ユニクロ事業を中心に、スクラップ&ビルドに伴う除却損・閉店損、大型店、旗艦店における減損損失などが発生するリスクを織り込んでいるためとなっている。

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