しまむら決算／2月期は増収増益、自社開発・共同開発ブランド強化

2024年04月01日 16:31 ／決算

しまむらが4月1日に発表した2024年2月期決算によると、売上高6350億9100万円（前年同期比3.1％増）、営業利益553億800万円（3.8％増）、経常利益567億1600万円（4.3％増）、親会社に帰属する当期利益400億8400万円（5.4％増）となった。

2024年2月期の国内消費環境は、新型コロナウイルス感染症に対する行動制限がなくなったことで、外食や旅行といったサービス分野の消費が伸びた一方、賃上げを上回る食料品を中心とした物価高が家計を圧迫し、購買意欲を押し下げた。外出需要が復活するも、節約志向が強まり、衣料品の販売にとって厳しい消費環境が続いている。

主力のしまむら事業の売上高は4769億5700万円（3.3％増）。12店舗を開設、15店舗を閉店し、店舗数は1415店舗となった。

ブランド力の強化として、自社開発ブランド（PB）とサプライヤーとの共同開発ブランド（JB）を強化。PBでは高価格帯の「CLOSSHI PREMIUM」を拡充し、暖か素材を使用した「FIBER HEAT」では、機能性を強化した「暖 SUPER PREMIUM」が好調だった。JBでは、インフルエンサー企画の強化やラインロビングが顧客層の拡大に効果的だったという。

広告宣伝では、創業70周年企画でのインフルエンサーや有名タレントとのコラボ企画で集客に成功。デジタル販促の強化では、画像や動画編集の内製化を進め、作業スピードの向上と経費削減につながっている。

在庫管理では、サプライヤーと連携した生地契約により、売筋商品を短期サイクルで追加したことが売上アップに効果的だった。仕入原価上昇への対応では、貿易部の活用でASEAN生産の拡大を進めた。

アベイル事業売上高は、616億8800万円（2.8％増）。3店舗を開設、4店舗を閉店し、店舗数は312店舗となった。

レディースとメンズ衣料でJBのトレンド提案を強化した。韓国テイストの打ち出しや、平成ブランドとのコラボ企画を強化し、カップルコーデやインフルエンサー企画が好調。キャラクター商品では、アベイルオリジナル商品の取扱いを拡大したことが集客につながった。個店対応では、店舗限定の品ぞろえ、販促物の設置、チラシ配布により、対象店舗の売上が増加している。

バースデイ事業の売上高は727億900万円（0.5％増）。14店舗を開設、3店舗を閉店し、店舗数は324店舗となった。

PB・JBのラインアップを拡大。PBではサステナブル商品の拡大を進めている「BIRTHDAY PLUS（バースデイプラス）」や、トレンド商品を拡大したジュニア向けJB「rabyraby（ラビラビ）」が売上を伸ばした。一方、巣ごもり需要の反動などで衛生雑貨や玩具、インテリアの売上が昨年を下回っている。

シャンブル事業の売上高は148億3600万円（1.3％増）。8店舗を開設、3店舗を閉店し、店舗数は118店舗となった。

アウター衣料と服飾雑貨でJBの品ぞろえを強化。インフルエンサーとのコラボ企画やオケージョン商品を拡大して売上を伸ばした一方、巣ごもり需要の反動などで、インテリア雑貨やキッチン用品の売上が昨年を下回った。

ディバロ事業の売上高は8億2300万円（9.6％増）。1店舗を開設、1店舗を閉店し、店舗数は16店舗となった。

外出需要やオケージョン需要が増加したことで、レディース・メンズのスニーカーやサンダルの販売が好調。服飾雑貨では新規サプライヤーの開拓が進み、バッグの売上が大きく伸長した。アウター衣料では、下期から品ぞろえと価格の見直しを行い、ニットやジャケットの販売が好調。販促では、内製化による機動的なSNS販促の実施や、気温に左右されにくいオリジナル企画の打ち出しを強化し、集客につなげている。

台湾で事業展開する思夢樂事業の売上高は、16億8500万台湾ドル（80億7400万円、10.6％増）。3店舗を開設、1店舗を閉店し、店舗数は42店舗となった。

総合衣料の専門店として、台湾の顧客にとって適時、適品、適量、適価な品ぞろえとするために事業の再構築を進めている。商品力の強化では、日本企画のPBやJB、台湾企画のPBの拡大により他社との差別化を図った結果、売上高に占めるPBとJBの割合は60.4％となった。品ぞろえ拡大により売上を伸ばしている。販売力の強化では、SNSの活用によるデジタル販促の拡大や、インフルエンサーとのコラボ企画の強化が、新規顧客の獲得に効果的だったという。

次期は、売上高6596億2200万円（3.9％増）、営業利益563億6200万円（1.9％増）、経常利益576億9400万円（1.7％増）、親会社に帰属する当期利益401億9400万円（0.3％増）を見込んでいる。