イオンモール 決算/3~5月増収増益、日本の既存モール収益力が回復
2024年07月11日 16:11 / 決算
イオンモールが7月11日に発表した2025年2月期第1四半期決算によると、営業収益1094億3200万円(前年同期比3.7%増)、営業利益154億7200万円(11.4%増)、経常利益123億6700万円(7.8%増)、親会社に帰属する当期利益68億7100万円(7.8%増)となった。
セグメント別では、国内事業(日本)は、積極的な活性化や集客施策の実施、インバウンド消費の取り込み、コスト改善効果により、既存モールの収益力回復が寄与。営業収益が847億2400万円(0.7%増)、営業利益が117億5千7百万円(同114.2%)となり、業績をけん引した。
既存モール専門店売り上げは前期比3.1%増(対象92モール)だった。
収益力強化に向けた取り組みとして、3月29日にイオンレイクタウンのLake Town OUTLET(埼玉県)、4月19日にイオンモール太田(群馬県)を増床リニューアルするなど3~5月既存10モールのリニューアルを実施した。
イオンレイクタウンのLake Town OUTLETでは、2階建ての増床棟を新設し、インターナショナルブランドやライフスタイル提案型ブランドを導入、既存棟と合わせて68店舗を刷新した。その結果、総賃貸面積3万m2(7000m2増)、専門店数140店舗(20店舗増)となっている。
イオンモール太田は、2階建ての増床棟を新設し、全体の約54%を刷新する大規模リニューアルを実施した。その結果、総賃貸面積7万6000m2(1万4000m2増)、専門店数185店舗(35店舗増)となった。
横浜ワールドポーターズ(神奈川県)では、4月の第1期リニューアルに続き、7月11日にエリア最大級となる食の空間とエンターテインメントを提供すべく、35店舗を刷新する第2期リニューアルを実施している。
海外事業は、中国とカンボジアが対前年同期比で減益となった一方、ベトナムとインドネシアの増益によりリカバーした結果、営業収益は247億9900万円(16.0%増)、営業利益は37億800万円(3.5%増)となり増益を確保している。
中国は営業収益は164億3000万円(対前年同期比114.2%)で増収だったが、前期に閉店したモールの利益減少の影響から、営業利益は22億5500万円(9.8%減)で減益だった。
不動産市場の低迷に伴う景気減速の影響から消費者の節約志向が高まったことに加え、前年同期間の売り上げは、ゼロコロナ政策の緩和に伴う抑制されていた需要が顕在化し、宝飾品などの高価格帯商品の売れ行きが好調だったことから、その反動で客単価は前期比低下トレンドで推移した。
一方、2月の春節期間、3月の婦人節における集客策の実施に加えて、各モールでのテナント入れ替えによるリニューアル実施の効果もあり、既存モール来店客数は前期比16.0%増(対象21モール)、既存モール専門店売り上げは6.7%増(対象21モール)と伸びている。
ベトナムの営業収益は40億1300万円(13.8%増)、営業利益は13億3200万円(21.9%増)。
南部の一部エリアでは、昨年の輸出製品工場倒産等に伴う経済成長鈍化の影響が残っているものの、2月のテト(旧正月)商戦、および3月の国際女性デーを軸にしたセールス企画では、特に宝飾やコスメ、飲食などのギフトや記念日に関連する分野が好調に推移している。その結果、既存モール専門店売り上げは8.8%増(対象6モール)だった。
カンボジアの営業収益は22億3800万円(17.9%増)、営業利益は5600万円(41.5%減)。
昨年11月の1号店イオンモール プノンペン(プノンペン都)の増床リニューアル効果もあり、来店客数は徐々に改善基調で推移。既存モール専門店売り上げは前期比0.6%増(対象3モール)となったが、3号店イオンモール ミエンチェイ(プノンペン都)の空床影響もあり、営業利益は減益となっている。
インドネシアの営業収益は21億1500万円(35.7%増)、営業利益は6600万円(前年同期連結累計期間は1億500万円の損失)で前期比1億7200万円の損益改善を果たし、黒字化した。
4号店イオンモール タンジュンバラット(南ジャカルタ市)を中心に既存モールの空床率が改善し、売り上げ・客数ともに前期比プラス基調で推移した。
3月22日には、5号店イオンモールデルタマス(ブカシ県)をオープン、開業に合わせて既存モールでオープン協賛セールを実施するなど、モール間で連動した販促を実施し、来店客数の増加を図った。既存モール来店客数は前期比14.9%増(対象4モール)と大きく伸長している。
通期は、営業収益4535億円(7.2%増)、営業利益550億円(18.5%増)、経常利益420億円(13.3%増)、親会社に帰属する当期利益165億円(19.1%減)を見込んでいる。
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