アダストリア 決算/3~8月、国内・海外ともに堅調も販管費上昇で増収減益
2024年10月01日 17:11 / 決算
アダストリアが9月30日に発表した2025年2月期第2四半期決算は、売上高1442億300万円(前年同期比8.5%増)、営業利益99億1500万円(3.8%減)、経常利益103億1600万円(3.0%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益69億4800万円(2.0%減)となった。
アパレル・雑貨関連事業の国内売上高は、夏場の台風の影響などがあったものの全体的には天候に恵まれ、外出需要やカジュアルファッションが底堅く推移したことに加え、トレンドを捉えた商品展開やヒット商品の育成、TVCMやポイント還元などのプロモーションの結果、8.0%の増収となった。
7月から連結開始したトゥデイズスペシャルも増収に寄与した。デジタル戦略として、自社EC「ドットエスティ」とリアル店舗を連動させたプロモーション、企業や人気キャラクターとのコラボ商品などの集客施策を継続的に行ったことで、自社EC/ポイント制度の会員数は前期末比110万人増の1860万人に伸長した。
海外売上高は、中国大陸では不動産不況や消費低迷などの影響はあったもののECが好調に推移し、9.1%の増収となった。香港と台湾ではマルチブランド戦略の好調や新規出店により、それぞれ26.9%、30.3%の増収だった。米国では卸売事業の不振により0.2%の減収となった。また、前第2四半期から事業を開始したタイは第1四半期の純増も含めて70.2%の増収となり、海外事業全体では14.8%の増収を確保した。
その他(飲食事業)の売上高は、外食産業における原材料価格や光熱費の上昇、人手不足など厳しい経営環境が続いたが、外食需要の増加や新規出店、海外事業の好調により、7.6%の増収となった。
収益面では、「適時・適価・適量」の商品提供による在庫コントロールと値引き販売の抑制、商品の高付加価値化、商品の価格見直しを継続し、売上総利益率の改善を図ったが、円安や卸売事業を含むBtoB事業の構成比が上がったことによる押し下げなどにより、アパレル・雑貨関連事業の売上総利益率は前年同期から低下した。
販売費・一般管理費は、従業員の処遇改善や売上高の伸長により、人件費、店舗家賃、配送料などが増加し、販管費率は48.8%と0.2ポイント上昇した。以上の結果、営業利益率は0.9ポイント減の6.9%となり、営業利益は3.8%の減益となった。また、為替差益3億300万円を営業外収益に、店舗の減損損失4400万円を特別損失に計上した。
通期は、売上高2900億円(5.2%増)、営業利益190億円(5.5%増)、経常利益190億円(3.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益127億円(6.0%減)の見通し。
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