ニトリHD 決算/4~9月増収増益、出店推進し海外200店舗達成
2024年11月06日 16:31 / 決算
ニトリホールディングスが11月6日に発表した2025年3月期第2四半期(中間期)決算によると、売上高4457億6800万円(前年同期比6.9%増)、営業利益579億7400万円(5.1%増)、経常利益606億2900万円(6.5%増)、親会社に帰属する当期利益404億5600万円(6.3%増)となった。
国内は、ニトリ10店舗、デコホーム8店舗の出店を進めた。テレビCMの放映期間中に合わせた対象商品の期間限定値下げなど各種施策を実施している。販売費・一般管理費については、積極的な人材採用と賃金改定による人件費の増加があったほか、輸送量の増加により発送配達費が増えた。
販売実績では、テレビCMで紹介した省スペースでも贅沢にくつろげる電動ソファ「KK6133」、持続冷感機能を持つPCMシートで冷たさが長続きする「NクールWSP」シリーズ、ふんわり包まれるような極上の拭き心地を実現したタオル「SH01」などの売上が好調に推移している。
ECサイトに関する取り組みでは、顧客参加型ライブコマース「ニトリLIVE」で、当中間連結会計期間の配信回数を前中間連結会計期間の57回から99回に増加。視聴者数も、前中間連結会計期間の202万人から393万人に伸ばした。
さらに「ニトリLIVE」で収録された動画をECサイトにも掲載し、商品紹介動画として活用する取り組みを開始。結果として、ECサイトからの発生売上高が継続して前年を上回っているという。
物流施策では、川上から川下までの物流機能の全体最適の実現を目的とした物流戦略プロジェクトを推進し、DC拠点の最適配置と機能集約を進めている。8月に「仙台DC」を竣工した。加えて、物流2024年問題におけるドライバーの労働力不足への対策・環境負荷軽減、物流効率改善に向けて、配送センター間長距離輸送でダブル連結トラックの運行を開始している。
海外では、台湾で4店舗、中国大陸14店舗、韓国3店舗、シンガポール2店舗、ベトナム1店舗、フィリピン2店舗、インドネシア1店舗を出店。インドネシアでの出店は初めて。
9月の「NITORI China Town Point店」(シンガポール)と「NITORI 深セン坂田万科広場店」(中国大陸)の同時出店により、グループ海外200店舗を達成している。
一部の国や地域の顧客に「お、ねだん以上。」の商品を提供するため、商品販売価格の値下げを実施している。台湾では、BOPIS(ネットで購入して店舗で受け取るサービス)の導入を開始。ECサイトと店舗との相互送客が実現した。
中国大陸では、坪当たり売上高の高い分類の品ぞろえ強化などを実施。香港では、キッチン家具の空間コーディネート提案の強化や、低価格で高機能というプライベートブランド商品を活用し、ペット用品を競合他社の3分の1以下の価格で販売するなど、売上対策を進めてきた。
韓国では、現地のメディアを通じた広告活動によって、ニトリ会員を増やし、ブランドの知名度を向上させる取り組みを継続している。
島忠は、「夏の大感謝祭」で一部商品を期間限定価格で提供。プライベートブランド商品の開発も順調に進み、通勤・通学向けのスポーツタイプ自転車を新規開発し、プライベートブランド衣料品「N easy」の取扱店舗を9店舗拡大した。
販売費・一般管理費については、賃金改定による人件費増加やTVCM本数とデジタル広告件数増加に伴う広告宣伝費の増加で、営業利益が6億6400万円減少している。
今後の売上対策では、TVCMやアプリを活用した販促拡大や、集客力の向上のために既存店の改装を進めていく。荒利益改善対策では、プライベートブランド商品の販売体制の強化に加え、ストアブランドやプライベートブランド商品の開発、バイヤー交渉力強化によるナショナルブランド商品の原価低減、商流改善を推進。物流システム統合による家具配送コスト削減などにも取り組むという。
通期は、売上高9600億円(7.2%増)、営業利益1296億円(1.5%増)、経常利益1340億円(1.2%増)、親会社に帰属する当期利益920億円(6.3%増)を見込んでいる。
■ニトリの関連記事
ニトリHD/香港の商業施設「LOKFU PLACE」に現地2店目オープン
流通ニュースでは小売・流通業界に特化した
B2B専門のニュースを平日毎朝メール配信しています。