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矢野経済研究所/2008年度の化粧品受託製造市場規模は1846億7300万円

2009年07月10日 / トピックス

矢野経済研究所は7月10日、化粧品受託製造市場規模の調査結果の概要を発表した。

調査結果によると、2008年度の化粧品受託製造市場規模は、前年度比2.4%増の1846億7300万円で、生産のアウトソーシングの増加、製造設備のない異業種企業の参入やドラッグストアなどのプライベートブランド製品の受注増が寄与した形となった。

受託メーカーは、委託企業の処方に沿った製品を安定的に製造するほか、独自処方の研究開発も行い、効能などの有用性の提示や新規素材の開発にも取組んでいる。一方、受託メーカーが自ら市場の動向を精査し、消費者ニーズに合った売れる商品の企画・提案も行なっている。

化粧品のビジネスに関するノウハウが不足している新規参入業者に対し、製品の開発と提案から流通ルートに応じた販売についてのコンサルティングサービスなども提供しており、差別化を図る動きが見られるという。

また、国内の化粧品市場の成熟化に伴い、海外市場で積極的な展開を図る化粧品メーカーが増加している。化粧品メーカーの動向に合わせ受託メーカーも海外へ進出する動きが見られるという。海外でも現地生産で現地販売を展開する場合は、中国などのアジア地域に工場を設け、現地の女性の肌質に合わせた処方を開発し市場拡大を狙っている。

海外に製造工場などの拠点を持たない場合でも、グループの利点を活かし、現地法人が製造した商品を国内で販売しコスト削減策を図るケースや、容器・包材などを現地で外注し安価に輸入するなど、海外取引は受託メーカーには欠かせないものとなってきている。さらに、海外に販路のある異業種企業に働きかけ、自社製品を海外で展開する企業もある。

2009年度の市場規模は、国内の化粧品市場の成熟化で伸び率は鈍化し、1.8%増の1880億円と予測。大手化粧品メーカーがOEM事業に進出するなど市場競争は激化しており、製品カテゴリーや流通ルートに特化した戦略を取って生き残る必要がある。また、大手受託メーカーでも、高付加価値製品の提供で差別化を図る企業と、生産能力・安定供給能力と品質管理能力で良質な製品をリーズナブルに提供する企業にグループ化されていくと見られる。

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