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キユーピー/原材料コスト高騰などで減益、営業利益11%減

2009年01月14日 / 決算

キユーピーが1月13日に発表した2008年11月期決算によると、売上高は4739億5100万円(前年同期比1.3%増)、営業利益140億3600万円(11.3%減)、経常利益141億8400万円(10.4%減)、当期利益77億2100万円(5.4%増)の減益となった。減益は販売促進費の低減を進めたものの、食油などのコスト高騰の影響を受けたため。当期利益は海外の乾燥肉事業売却益などで増益となった。

主力の食品事業の概況では、グループが連携してサラダの主菜化戦略を推進したほか、健康ニーズに対応する商品や付加価値の高い商品の拡大に注力。一方、主要原料で下期に食油価格が急騰し、鶏卵価格も予想を上回る高い水準で値動きした。調味料・加工食品部門では、8月出荷分からのマヨネーズ、ドレッシング類の値上げで売上数量は減少したが、健康訴求タイプなどのマヨネーズが好調に推移。また、サラダの主菜化戦略や小容量商品を充実させ需要拡大に努めた。

このほか、「国産のアヲハタ 十勝コーン」、ドレッシングの発売50周年を迎え8月に発売した「すりおろしオニオンドレッシング」が好評だった。売上高は1776 億4500(0.2%増)と横ばいで推移した。

健康機能部門では、機能面で差別化したヒアルロン酸が食品・化粧品用に伸長。5大アレルゲン不使用など育児食の拡充や、介護食の通信販売での新規顧客の獲得などを図った。売上高は181億7200万円(3.9%増)と増収。タマゴ関連では、エクセルエッグなどの機能性液卵が伸長し「メレンゲベース」など独自技術を活かした新商品を発売。

また、乳化・焼成技術を活かした高付加価値商品も好調に推移したため、売上高は883億1500万円(4.1%増)と食品事業中最も好業績となった。

サラダ・惣菜部門では、全国での生産体制を確立したカット野菜の取扱い店舗数が1万店超となり、健康訴求商品は好調だったものの仕入販売商品数を絞ったことなどで、売上高は937億7500万円(2.5%減)となった。

物流事業では、食品メーカー向けの共同物流は伸び悩んだものの、流通業者向けなどの専用物流や、キユーソースルー便が新規顧客の獲得により拡大し、物流事業売上高は960億4100万円(4.2%増)と部門中最も増収の幅が大きかった。

営業利益は、運送の中継コストの削減や倉庫作業支援システムなどの運用で作業効率化を推進したが、想定以上の燃料価格高騰や合理化改善策の遅れで19億2500万円(12.1%減)となった。

通期は、食品事業で品質第一の姿勢で臨み、常に安全・安心な商品を提供する。フードサービス市場での新しい食シーンの創出に向けた商品展開、内食・中食・外食それぞれの分野でグループのユニークさを活かす提案を推進する。また、商品精鋭化など事業ごとに選択と集中を加速させ、物流事業では倉庫作業支援システムや移動棚などの運用による合理化への取組みを推進する。

通期の業績予測は売上高4800億円(1.3%増)、営業利益165億円(17.6%増)、経常利益165億円(16.3%増)、当期利益85億円(10.1%増)と増益に転じる見通し。

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