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くすりの福太郎/薬剤服用歴の不適切管理で、1億7102万円自主返還

2015年05月25日 / 経営

ツルハホールディングスは5月25日、子会社のくすりの福太郎の薬剤服用歴の不適切管理に関する最終報告を発表した。

自社で問題を検証の結果、くすりの福太郎において、2013年2月末時点において、当日分も含めた電子薬歴システムへの未入力件数が、19万8073件あったことを確認した(報道における約17万件については、各薬局からの概算数値の自主申告)。

くすりの福太郎の発表では、その後、同年8月末までに全てが入力された、とされていたが、調査により、8月末時点において2万963件の未入力が存在したことを確認した。

2014年2月から2015年1月までの期間における全薬局の薬歴調査から、電子薬歴システムへの入力が1ヵ月以上遅延しているものが、18万5111件、未記載となっているものが3万9494件存在した。

くすりの福太郎の薬局現場と調剤執行部は状況を把握しながら、調剤報酬請求(レセプト請求)を実施していた。

原因として、開設者として保険薬局の指定および保険薬剤師として登録を受けていることの自覚の欠如(薬歴の重要性の認識不足を含む)、現場における適切なオペレーション環境の把握の欠如、情報共有や問題解決のための組織機能の崩壊を指摘。

調剤部本社執行部の閉鎖性や薬剤師の適正配置がなされない状況での出店、ツルハHDの指導監督不足を上げた。

改善策として、くすりの福太郎代表者、調剤執行部と所属薬剤師に対する、保険薬局と保険薬剤師としての責務についての意識改革(法令遵守の徹底教育指導)、薬剤師と調剤事務員のオペレーション上の適正な配置、現場環境のモニタリング機能の強化を実施。

調剤部における運営体制の刷新(部内でのけん制体制や情報の透明性の確保)、ツルハHDにおける調剤監査担当部署の新設、適切な調剤報酬請求のためのシステム整備を行うという。

調剤報酬請求が行われたうち、電子薬歴システムへの入力が1か月以上遅延しているものについては不適切な請求であると判断し、約17万件と報道された事案にかかる実際の件数である19万8073件のうち、自社調査により適切に調剤報酬請求されていたと確認された5553件を除く19万2520件についての薬剤服用歴管理指導料を自主返還する。その額は、7893万3200円という。

直近1年間において、不適切な調剤報酬請求であるとツルハHDが検証判断した22万4605件についての薬剤服用歴管理指導料についても自主返還を実施。その額は9208万8050円となる。

そのため、合計1億7102万1250円の自主返還を実施する。金額については、厚生労働省の精査をうける予定だ。

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