伊藤忠食品 決算/3月期営業利益11.0%増、外食・業務用取引など増加
2025年05月02日 15:10 / 決算
伊藤忠食品が4月30日に発表した2025年3月期決算によると、売上高6993億6900万円(前年同期比4.0%増)、営業利益85億500万円(11.0%増)、経常利益112億8300万円(22.4%増)、親会社に帰属する当期利益82億400万円(24.3%増)となった。
売上増の要因として、主にスーパーマーケットおよびドラッグストア向けの取引拡大、インバウンド需要等により、外食・業務用取引が需要増加。RTD・飲料も伸長した。利益面では、増収に加え低重心経営の徹底による経費改善に努めたという。
中期経営計画の2年目である今期の単年度副題を「Catch the Market」とし、市場の変化に適切に対応することでビジネスの拡大に注力した。
重点分野として掲げた「情報」分野では、店頭への来店動機や商品の購買意欲の喚起を目的として全国100チェーン以上のスーパーに1万台を超えるデジタルサイネージを展開。小売業やメーカーの要望に合わせて多様なコンテンツを提案することで、より魅力的な売場作りに向けて製配販一体となって取り組んだ。
「商品開発」分野では、冷凍食品の「凍眠凍結酒」と「凍眠フルーツ」の採用がギフトや宅配、GMS・スーパーマーケットで伸長した。このうち有名ブランド・レストラン監修の冷凍ケーキは、食生活を豊かにする商品として評価を受け、採用が拡大している。
「物流」分野では、トラックの積載効率改善やドライバーの労働負荷軽減等の課題に対して食品流通業界全体で取り組むとともに、デジタル技術を活用した庫内作業のデータ化と分析によりサプライチェーンの効率化を進めた。
これらの重点分野を支える基盤の強化として人的資本経営の高度化にも取り組み、女性活躍や心身の健康維持・増進などに加え、仕事と育児・介護の両立支援策の強化、健康セミナーの充実による啓発活動などを実施した。
2026年3月期は、売上高7200億円(2.9%増)、営業利益97億円(14.0%増)、経常利益114億円(1.0%増)、親会社に帰属する当期利益83億円(1.2%増)を見込んでいる。
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