日本百貨店協会/3月の売上高は2.8%減、2カ月連続のマイナス
2025年04月25日 16:39 / 月次
日本百貨店協会が4月25日に発表した3月の全国百貨店売上高概況によると、全国の百貨店(調査対象70社・179店)の売上総額は約4953億円で、前年同月比2.8%減と2カ月連続のマイナスとなった。
3月 | 実数 | 前年同月比 |
売上高総額 | 4953億円 | 2.8%減 |
総店舗面積 | 450万1487m2 | 2.4%減 |
3月は、売上高(2.8%減)、入店客数(2.6%減)ともに前年を下回った。全国的に寒暖差の大きい不安定な天候要因から春物商材の動きが鈍かったほか、免税売上高の低調も影響した。
一方で、主力の衣料品は下旬以降の気温上昇に伴って春物が動き始め、卒入学などのオケージョン需要も堅調に推移した。
インバウンド(免税売上)は花見シーズンを迎え、購買客数は51.5万人(13.4%増)と3月として過去最高を記録。ただ、円高傾向や世界的な景気後退懸念が、高額商材の買い控えなど訪日客の購買心理にも影響した結果、売上高442億円(10.7%減/シェア8.9%)と36カ月ぶりにマイナスに転換した。
国内市場は天候要因などから、入店客数減により2カ月連続でマイナスとなったが、減少率は先月より1.5ポイント回復した。
都市(10都市)は札幌、名古屋、神戸を除く7地区でマイナス。
地方(10都市以外の7地区)は東北、近畿を除く5地区でマイナス。10都市と地方の伸び率差は49カ月ぶりに地方が都市を逆転した。
商品別では主要5品目のうち、家庭用品を除く4品目で前年割れとなった。衣料品と身のまわり品は、ラグジュアリーブランドの一部価格改訂や春物の低調から2カ月連続マイナス。食料品は価格高騰の影響で苦戦が続くが、物産展などの食品催事は盛況だったほか、菓子ではホワイトデーや年度末の挨拶需要もあった。雑貨は化粧品が国内外ともに好調に推移。美術・宝飾・貴金属(0.9%減)はわずかに前年割れ。下旬からの花見商戦は堅調に推移。
なお、同日付で発表された3月の東京地区百貨店(12社22店)の売上高概況によると、売上高は約1467億円(4.2%減)で、2カ月連続マイナスだった。
3月 | 実数 | 前年同月比 |
売上高総額 | 1467億円 | 4.2%減 |
総店舗面積 | 66万9177m2 | 9.9%減 |
総従業員数 | 1万2505人 | 7.2%減 |
3月の東京地区は、降雪や気温乱高下などの不安定な天候要因による客数減(10.6%減)に加えて、免税売上の低調も影響した。
4月17日時点の足元の動向は、円高基調が続き免税売上が減少傾向にあることから、前年比8.2%減で推移している。
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