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ドン・キホーテ/ユニーに出資、2020年売上1兆円・500店の目標に迫る

2017年08月25日 19:00 / 流通最前線トレンド&マーケティング

ドンキホーテホールディングスとユニー・ファミリーマートホールディングスは8月24日、資本業務提携し、ドンキホーテHDがユニー株式の40%を取得すると発表した。

<MEGAドン・キホーテ>
MEGAドン・キホーテ

ドンキホーテHDは2015年に、中期経営計画「ビジョン2020」を発表し、2020年に売上高1兆円、店舗数500店の目標を掲げている。今回の提携により、この目標に迫ることになる。

経営破たんした総合スーパー長崎屋を2007年に子会社化し、MEGAドン・キホーテ業態へ展開することで総合スーパー(GMS)の再生を図ってきた。そのドン・キホーテが、ユニーの経営改革に参加する。

8月16日に開催して決算説明会で、ドンキホーテHDの大原孝治社長は「長崎屋の再建でGMSの再生ノウハウは確立しているが、GMSの居抜き物件は少ない。かつてのリーディングカンパニーが多く、他社に商圏を取られるくらいなら出店を継続するという意識が強い」と語っていた。

株式の取得金額は非公表だが、ドンキホーテHDは、ユニーに役員を派遣し、ユニーの経営に対して助言する予定だ。

ドンキホーテHDの2017年6月期の連結売上高は8287億9800万円(前年比同期比9.1%増)、店舗数は368店(27店増)、ユニー2017年2月期の単体売上高は7420億3200万円(2.1%減)、店舗数は210店(18店減)だった。

単純に、ドンキホーテHDとユニーの売上高と店舗数を合計すると売上高、店舗数ともに「ビジョン2020」の数値を上回る。

ユニーは2018年2月期に、1店の出店と15店の閉店を計画しており、期末店舗数は196店を計画している。

今後、ドンキホーテHDは、ユニーの総合スーパー「アピタ」、食品スーパー「ピアゴ」「ラ フーズコア」の閉鎖店舗へ居抜き出店をする予定だ。具体的な出店数は、検討中だ。

24日の合同記者会見では、大原社長は「ユニーは経営資源を中部と関東に集中する方針を発表しているが、現時点でその方針に変更はないと認識している」と述べている。

2017年2月末時点で、ユニーは東北1店、関東24店、甲信越11店、北陸15店、東海152店、関西7店を展開しており、GMSとSM事業は優位性が高いエリアである中京圏で基盤を強化する方針を打ち出していた。

ユニーの店舗を再生する選択肢として、一部のユニー店舗を「ドン・キホーテ」とのダブルネーム店舗として運営することを検討している。

店舗名は明かされなかったが、2018年度中に6店の既存店舗をダブルネーム店舗としてリニューアルオープンする予定だ。

ダブルネーム店舗の運営主体はユニーとなり、ユニーが「MEGAドン・キホーテ」を運営する。ドンキホーテHDは、ユニーがMEGAドン・キホーテに業態展開する上でのノウハウの提供を行う。

ユニー・ファミリマートHDの高柳浩二社長は「現在のGMSは1階の食品は集客できるが、2階、3階の衣料品、住居用品の集客が弱いという課題があった。ドン・キホーテは、食品よりも日用品・雑貨が強く、ユニーの既存店の2、3階を使ってもらいやすい。生鮮食品については、ドン・キホーテよりもユニーの方が一日の長があり、親和性があると判断した」と語っている。

ドンキホーテHDの2017年6月期の部門別売上高は、食品2745億5300万円(13.4%増)、日用雑貨品1835億500万円(16.7%増)、時計・ファッション用品1584億5100万円(2.8%増)、家電製品689億1200万円(13.0%増)、スポーツ・レジャー用品535億9600万円(3.6%増)、DIY用品158億1400万円(2.1%増)だった。

ユニーの2017年2月期の部門別売上高は、食料品4995億200万円(0.3%減)、衣料品945億3500万円(3.8%減)、住関品978億8100万円(7.6%減)だった。

ダブルネーム店舗の屋号について、大原社長は「先行する6店はドン・キホーテの屋号でやる。ただ、長年のユニーの信頼もあるので、看板にはアピタ、ピアゴの名前を残す。しかし、店舗の中はメガ・ドンキそのものだ」と述べている。

<ドン・キホーテが展開する業態>
ドン・キホーテが展開する業態

ドン・キホーテは現在3つの業態を中心に展開している。「ドン・キホーテ」の売場面積は1000m2~3000m2、アイテム数は4万~6万、「MEGAドン・キホーテ」の売場面積は8000m2から1万m2、アイテム数は6万~10万だ。

近年は、売場面積3000m2~5000m2、アイテム数4万~8万の中型タイプの「NEW MEGAドン・キホーテ」も出店している。

一方で、ユニーが展開する「アピタ」と「ピアゴ」の店舗面積は、3000m2~1万m2程度であり、ドン・キホーテが出店しやすい店舗規模となっている。

ダブルネーム店舗は、まず6店を実験的に業態転換して運営し、その実績を見ながら、今後の業態転換店舗を決定する方針だ。業態転換が本格化すれば、年間で20店程度の店舗を改装する予定だ。

大原社長は「リスクを取らずにコンサルタント的に、ユニーにドン・キホーテのノウハウを伝えてもうまくいかない。当社としてもリスクをとってユニーの再生を行う」と語っている。

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