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ライフ/岩崎社長に聞く「プライムナウ」拡大など2020年成長戦略

ライフ/岩崎社長に聞く「プライムナウ」拡大など2020年成長戦略

ライフは、2019年店舗運営・商品開発の強化、働き方改革を推進してきた。アマゾン「プライムナウ」出店、都市型小型店の新業態、積極的な新店・改装で、消費増税の逆風下でもリアル店舗・ECともに成長を続けている。岩崎高治社長に、2020年に向けた成長戦略を聞いた。

アマゾン「プライムナウ」東京23区、大阪に拡大

――2019年の成果を教えてください。

岩﨑 本部から個店への一部権限移譲、アマゾン「プライムナウ」出店など店舗戦略の強化、惣菜のおいしさ・鮮度向上など商品開発、働き方改革に取り組みました。従来、本部のコントロールが強かったのを、地域のニーズに対応できるよう店に権限を渡したのですが、思ったほど進まず、より地域の顧客ニーズにあった店舗にしていくのが2020年の課題です。

――新業態「ミニエル」を出店しましたね。

岩﨑 2019年4月に大阪市に都市型小型店「ミニエル」をオープンしました。都心特化型の小型スーパーとして、ランチニーズ、夕方の惣菜ニーズなどを取り込んでいます。ただ、地域の顧客のうち、女性が当初考えているより取れていないので、2020年度は生鮮比率を上げ、食品のレイアウト見直すなど顧客が買いやすいよう改善します。

――アマゾン「プライムナウ」出店の現状を教えてください。

岩﨑 2019年9月12日開始し、最初の1カ月で当初アマゾンと想定した半年後の注文数がきています。今でも、週末はキャパオーバーするくらいです。サイバーマンデーの土日は、過去最高の数値を記録しました。近いうちに、店舗の売上の1割くらいになるのではないでしょうか。

<ライフの惣菜(イメージ)>
ライフの惣菜(イメージ)

――どういった商品が人気ですか

岩﨑 惣菜などすぐに食べられるものが売れています。計画的に調理する人のための素材もそろえていますが、即食商品が人気です。配送費がかかっても、ビールとつまみだけ頼む人もいます。自社のネットスーパーの顧客と重なる部分もありますが、違う層の顧客が買っていて、今までライフを使っていなかった顧客にも利用されているようです。

今は東京都練馬区の1店舗だけで(配送エリアは東京都の新宿区、板橋区、練馬区、北区、中野区、豊島区、杉並区の7区)実施していますが、2020年度は順次拡大し、東京23区、大阪も早い段階でカバーしたいです。定期的に自分も買っていますが、顧客目線だと品揃えがまだまだ足りないと思っています。

――自社ECはいかがですか。

岩﨑 現在自社のネットスーパーは約60店で行っています。2019年度は、実施店舗数は拡大せず、密度を高くする方針でした。黒字化店が増えており、東西合わせて20店近くで黒字を達成する月が多くなっています。2020年度も規模の拡大は図らずに、2~3店新店で取り入れたり、業績が低調な店は、一部整理したりすることも考えていきます。

――リアル店舗とネットの両立でいくと。

岩﨑 ネット販売はどこまで進むかわかりませんが、若年層の取り込みなどに必要だと思っていますし、まだまだ伸びるでしょう。しかし、日本は海外と違って生鮮の比率が高く、買物頻度はそれほど落ちないのではないでしょうか。ミールキットなど簡便商品も冷蔵、冷凍品ですし、基本は店での買い物でしょうね。

<「ビオラル」コーナー>
ライフ「ビオラル」コーナー

――2020年度新業態の店は予定していますか。

岩﨑 オーガニックスーパー「ビオラル」2号店を首都圏に初出店します。大阪市のビオラル1号店は、オープンして4年目ですが、売り上げは伸びています。まだ、赤字ではありますが、コアなファンがついてきています。

現在、新店ではムスブ田町店、改装時に桜新町店、渋谷東店ではビオラルコーナーを導入しています。他店にないライフらしさにつながる部分で、ビオラル店舗事業そのもの強化とともに、既存店の品ぞろえの強化策として、ビオラルがあることは一つの武器となると考えています。

――今後の店舗の強化ポイントはどういった点でしょうか。

岩﨑 商品のおいしさ、鮮度の向上に取り組みます。惣菜、ベーカリー、水産は、差別化部門なので、人手をかけてもおいしい、でき立て新鮮なものを提供できるよう、もっともっと磨いていきます。人員体制も厚く、本社サポートも教育もしっかりやっていきます。

――商品開発を強化していますね。

岩﨑 惣菜、ベーカリーでもっとおいしい商品を開発するのはもちろんですが、できるだけ店に負担かけず、プロセスセンターでキット化するなどの取り組みを進めています。

川崎ルフロン店で、サラダバーにも挑戦しています。まだまだ試行錯誤中ですが、新しいチャレンジもやっていきます。品質向上の一方で、価格の要素も課題です。顧客が価格に敏感な現在、価格の部分にもっと踏み込まなくてはいけない、そういった商品群は価格面で調整をしていきます。

<「今月の見て見て」12月商品>
ライフ「今月の見て見て」12月商品

――「今月の見て見て」で自社開発商品をPRしていますね。

岩﨑 ライフ商品の中で、首都圏・近畿圏毎にその月に自信をもっておすすめしたい商品を発信していく新たな取り組みとして、「今月の見て見て」を2019年3月1日より開始しました。店頭では目印となるPOPが付き、それぞれの商品には、「ココがおいしさの理由!」と題し生産者やバイヤーからのオススメポイントを紹介しています。

毎月投票で選ばれるのですが、自分の開発した商品が選ばれることが社内でもモチベーションアップにつながっています。こういった品質向上とともに、自動発注システムの導入、セミセルフレジも拡大し、店の効率化も行い、働き方改革を進めています。

――商品の自動発注について教えてください。

岩﨑 4~5年前から加工食品、生活雑貨、衣料品の自動発注システムを入れてうまくいっています。現在豆腐、パンなど食品日配への導入について実験中です。2020年度は約2億円投資し、販売動向をAIも取り入れて発注するシステムを全店に導入します。

――キャッシュレス決済導入は進んでいますか。

岩﨑 現在、全店平均月約45%の顧客がキャッシュレス決済を利用しています。多い月ですと50%近い月もあります。基本方針は自社のクレジット「LCカード」、電子マネー機能付きポイントカード「LaCuCa(ラクカ)」を使ってもらうことです。

2019年10月の増税以降もLCカード利用者に向けポイント10倍キャンペーンなど、今までよりキャンペーンを増やし、利用者の利便性向上に取り込んでいます。他社のQRコードも使えるようし、顧客利便性を高め、数%利用があります。他社の決済手段も利用できるようにしたことで、新しい顧客も増えているのではないかと思います。

<競争環境ゆがめると岩﨑社長>
競争環境ゆがめるとライフ岩﨑社長

――消費増税の影響について教えてください。

岩﨑 中小スーパーでは5%還元がありますし、店別でみれば、競合店でキャッシュレス決済利用者が増えたり、客数が増えたりと、影響としてはあると思います。

個人消費は2018年の12月くらいから厳しくなってきて、顧客の財布のひもは厳しいのが続いていますが、個人的には、消費増税でそれほど売上が落ちるとは思っていませんでした。キャッシュレス還元についてあまり理解していない顧客もいますが、還元のある店のほうがお得だよねというのが浸透しだしているのがこわいですし、キャッシュレス還元で競争環境がゆがめられたことのほうが心配です。

――コンビニに顧客が流れていると。

岩﨑 データとして分析できていませんが、夕方の売上の伸びが前より悪いと感じています。原因は色々あるでしょうが、コンビニで買う人が増えているのではないかと思っています。キャッシュレス還元が6月で終わっても、9カ月間で身に着いたコンビニで、夕方も買い物するという消費行動は変わりにくいのではないでしょうか。

若い人、特に会社帰りにスーパーに行っていた顧客が、コンビニもいいじゃないかと戻ってこないのが心配です。若い人には、チラシは届かない。クーポン配布で、来店してくれるかもわかりません。若年層獲得は、コンビニの得意なところですし。我々でできることは品切れをなくす、おいしいでき立ての惣菜をしっかり提供していくことです。惣菜の強化は有効な手段だと思いますが、そういったことをどういう手段で伝えるか頭を悩ませています。

<ライフ桜新町店>
ライフ桜新町店

――今後の出店計画を教えてください。

岩﨑 出店は、首都圏でも近畿圏でも積極的に続けます。既存店売上は、自社ネットスーパー、アマゾン「プライムナウ」の力も借りて数%の成長と、粗利の改善で増益を目指します。おいしい商品などで「おいしい、ワクワク、ハッピー」のライフらしさ宣言を実現する店づくりに、チーム一丸となって取り組みたいと思います。

■岩崎高治(いわさき たかはる)氏プロフィール
1966年3月:東京都生まれ
1989年4月:三菱商事入社
1994年2月:Princes Ltd.(在英国、三菱商事100%子会社)
1999年5月:ライフコーポレーション取締役就任
1999年5月:営業総本部長補佐
2000年2月:営業推進本部長
2000年4月:首都圏ストア本部長
2001年10月:専務取締役首都圏事業本部長
2002年3月:首都圏生鮮・食品本部長
2004年1月:近畿圏生鮮・食品本部長
2004年3月:営業統括本部長兼近畿圏物流本部長
2006年3月:代表取締役社長兼COO兼営業統括本部長就任
2006年6月:代表取締役社長兼COO兼営業統括本部長兼経営システム統括本部長
2006年11月:代表取締役社長兼COO兼営業統括本部長
2014年6月:代表取締役社長兼COO兼営業統括本部長兼開発統括本部長
2017年1月:代表取締役社長兼COO兼営業統括本部長

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