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ローソンストア100/製造面と商品企画の工夫で全商品の4割で価格維持

2023年03月13日 16:50 / 商品

ローソンストア100は3月13日、総アイテム数約3800品目のうち約4割の商品の価格を維持したことを明らかした。商品の容量や量目を変更した商品は、値上げ対応した約6割の商品に含めて、カウントしている。

<ローソンストア100の商品>
ローソンストア100の商品

上席執行役員の吉田貫臣商品グループ統括は、「昨年以降、3800SKUのうち、約6割の商品について値上の対応をした。一方で、約4割の商品については、製造面での取り組みと商品の企画段階での工夫などでなんとか価格を維持している。また、量目を変更した商品については、値上した商品に含めている」と述べた。

また、商品開発の背景には、ローソンストア100の約700店舗という規模がある。レギュラーのローソンと異なり、店舗数が700店と少ないため、市場の余剰品が活用しやすく、商品の企画から発売までをスピーディーに行えることが利点となっている。製造面での取り組みでは、「原材料調達の工夫」「製造工程の簡略化」「工場の計画的稼働・効率化」「物流の効率化」がある。また、商品企画での工夫では、「パッケージの工夫」「改廃サイクルコントロール」がある。

<湯捏仕込み食パン各種>
湯捏仕込み食パン各種

「湯捏仕込み食パン」は、角型(4枚切・5枚切・6枚切・8枚切)、山型(5枚切)のラインナップ(各種税込108円)を展開する。毎日の朝食に必要な商品のため戦略的に税抜100円を維持している。

商品開発本部の近藤正巳本部長は、「コンビニの場合、食パンは、販売数が少なく主力商品ではない。一方で、スーパーマーケットは、特売などで販売数や価格が乱高下しがちだ。この点、ローソンストア100は、毎日安定した数を販売している。メーカーにとっては先が読めるため、原材料の効率効率的な確保や、工場の計画的稼働がえ可能になり、コストを抑えられる」と100円を維持できる仕組みを解説した。2022年度は、「湯捏仕込み食パン」各種は約410万食を販売。2021年下期と比べた2022年下期実績は、前年対比20%増に伸長した。

<オリジナル菓子パン>
オリジナル菓子パン

「もっちドーナツつぶあん2個入り」「同クリーム2個入り」「メロンパン2個入り」を展開するオリジナル菓子パン各種(税込119円)は、値上したものの価格の上昇を抑えた商品となった。

いずれも10年以上続くベストセラー商品で、次々に新商品を発売し、商品が目まぐるしく入れ替わるコンビニ業界にあって珍しい商品となっている。そのため、長期的に安定した数を販売することによる原材料調達の効率化、工場稼働の効率化が図れた。

また、パッケージは色数を抑えたほか、包材フィルムは、品質を担保しながら最大限に薄くしてコストダウンした。オリジナル菓子パン各種(3商品)は、2022年度も約200万食を販売したヒット商品となっている。

<オリジナル総菜パン>
オリジナル総菜パン

「コロッケロール」「キャベツメンチカツロール」を展開するオリジナル惣菜パン各種(税込119円)もオリジナル惣菜パン各種と同時に10年以上続くベストセラー商品となっている。菓子パンと同様なコストダウンのほか、コロッケを製造しているメーカー・工場が、冷凍食品のコロッケやファストフードのコロッケの製造をしている。異なるカテゴリーのコロッケの製造を、同じメーカー・工場に集約することで、スケールメリットを創出し、安さを実現している。オリジナル惣菜パン各種(2商品)は、2022年度は約130万食を販売した。

<カット野菜>
カット野菜

価格を維持した商品として、カット野菜全14種類(各108円)がある。ローソンストア100で、自炊するお客は、丸の野菜よりカット野菜を好むため、前略的に大容量で安い値付けをしている。カット野菜の素材は、サイズ不選別のため、生育状況により収穫時期が左右されず、収穫後の選別も不要となる。そのため、通常は、サイズごとに箱詰めする工程があるが、段ボール詰めの工程がカットできる。箱ではなく大きなケースに入れ、そのまま工場に搬入できるほか、箱詰め工程のカットにより人件費のほか、箱代も削減している。2022年度は、カット野菜合計で約1060万食を販売している。

<100円総菜シリーズ>
100円総菜シリーズ

100円総菜シリーズ(各108円)は、エリアによって異なるが全20種類を展開する。シニアのお客に中心に、定番メニューを少しずつ食べたいというニーズがあり好評となっている。商品開発では、総菜の種類に関わらず使用できる安価な白トレーを使用。フタは、ラップを使用して、容器にかかるコストに加え作業工程も削減、既存の1種類のパックを全シリーズに使用することで、価格を維持した。100円総菜シリーズは、2022年度に約650万食を販売した。

<和菓子各種>
和菓子各種

ローソンストア100は、客層として50代以上が4割を占め、70代・80代も多いため和菓子のニーズが高い。そのため、常時20種類程度の品揃えで、多い店舗では1日約85個を販売する人気商品となっている。そのため、販売量をコミットしているため、計画的に原材料確保がしやすくロスなく製造できる。自社で構築した物流ルートで、他社製品との混載便を使うことで、物流費を抑制した。また、パッケージは汎用・簡易包装を採用、ラベルシールの商品名も工場で印刷することで、商品間で同一シールを使用して、コストダウンを図った。和菓子各種は、2022年度に約807万食を販売した。

<今後発売する商品>
今後発売する商品

3月15日には、「レーズンフレンチトースト4個入」(119円)、「渾身の一本!ぼたもちっ!」(119円)、「カヌレ(いちごクリーム入り)」(129円)を販売する。「渾身の一本!ぼたもちっ!」は、1個45gのぼたもちが3個、串に通って、インパクトがある見た目・ボリュームとおいしさを両立した和菓子。職人が1本1本、手作りするため大量生産できず、1店舗あたり上限10本の数量限定商品となっている。

吉田貫臣商品グループ統括は、「今まではデザートについても、なるべくボリュームのある大きいシュークリームといった商品を開発していた。一方で、容量が大きくなくても、品質、高付加価値の商品を購入したニーズが一定程度、出てきているので、カヌレのような、商品開発も行い、両軸で進めていきたい」と商品開発の方向性を示した。

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