アマゾン/薬局2500店舗と連携、オンライン服薬指導から処方薬の配送まで提供
2024年07月23日 15:32 / EC
アマゾンは7月23日、薬局によるオンライン服薬指導から処方薬の配送まで利用できるサービス「Amazonファーマシー」を開始した。
<「Amazonファーマシー」を開始>
※荒川氏、前田氏、瀬戸朝香さん
「Amazonファーマシー」は、Amazonショッピングアプリ上のアカウントから、「Amazon ファーマシー」に登録されている薬局で薬剤師によるオンライン服薬指導を受け、処方薬を自宅など指定の住所に配送、または薬局の店舗で受け取れるもの。
アマゾンジャパンの前田宏 消費財事業本部 統括事業本部長 バイスプレジデントは、「昨年から開始した電子処方せんによる医療DXに対応してできた新サービス。全国41都道府県・2500店舗の薬局と連携している。顧客が希望する時間に薬剤師から薬の説明を受けられ、希望の場所で受け取れる。猛暑で外出を控えたい方、仕事が忙しい方、子育てで忙しい親御さんなどに便利に使っていただけるサービスだ」と説明している。
「Amazonファーマシー」は、アマゾンのアカウントで利用でき、患者は別途使用料など不要。アカウント1件ごとに、10人までのプロフィールを登録・管理できる。
利用方法は、医療機関での受付の際に電子処方せんを利用したい旨を伝え、受診後、電子処方せんの「処方内容(控え)」の用紙、または「引換番号」を受け取る。
患者は医療機関で交付された電子処方せんの「処方内容(控え)」を「Amazonファーマシー」にアップロードし、利用したい薬局の店舗を選択して、オンライン服薬指導を予約する。予約した日時に、薬剤師によるビデオ通話を介した薬の説明を受けたのち、処方薬を指定の住所に配送するか、薬局の店舗での受け取りを選択する仕組み。
処方薬は薬局から配送され、アマゾンの物流センターは経由しない。配送先は全国に対応している。
「Amazonファーマシー」を導入し、オンライン服薬指導に対応しているのは、アインホールディングス、ウエルシアホールディングス、クオールホールディングス、新生堂薬局、中部薬品、トモズ、ファーマみらい、薬樹、ユニスマイル(50音順)の計2500店舗。
アマゾンは今後も薬局の規模を問わず、事業パートナーを募集する計画だ。
薬局側は、患者の利用1件ごとにアマゾン側に手数料を払う仕組み(アマゾンから薬局への初期登録料、月額使用料は設定していない)。
なお、メドレーが提供する患者向け総合医療アプリ「CLINICS(クリニクス)」とも連携しており、クラウド診療システム「CLINICS」を導入している医療機関でオンライン診療を受けてから、「Amazonファーマシー」を利用することもできる。
長久堂野村病院の荒川隆之薬剤科科長は「オンライン服薬指導が広まれば、調剤作業と服薬指導を切り離すことができ、薬剤師が医師に電話で問い合わせることも減り、対人業務に注力できるのではないか。医療DXで、薬剤師のライフスタイル・ライフステージに対応した、柔軟な働き方ができれば、働きやすさの向上にもつながる」と述べた。
取材・執筆 鹿野島智子
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