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富士薬品/店頭ストアメディア機「セイムスタッチ」全店導入

2023年05月11日 14:10 / IT・システム

医薬品の研究開発から製造・販売までを行う複合型医薬品企業の富士薬品は5月11日、グループが運営する「セイムス」などのドラッグストアにおいて、パーソナルプロモーション事業・データ解析事業を手掛けるマギーの提供する、購買体験をパーソナライズする店頭ストアメディア機「セイムスタッチ」の全店導入を決定した。まずは、2023年9月末までにドラッグユタカを除く全923店舗への導入を進める。

<セイムスタッチ>
セイムスタッチ

「セイムスタッチ」は、お客の過去の購買データをAIが学習し、その日に使えるお客一人ひとりに最適なクーポンを発券するサービス。2022年8月から東京都・千葉県の一部店舗(204店舗)で試験的に導入しており、その結果を受けて、全店への導入を決定した。

昨今の物価上昇の影響により、一般生活者の節約志向が強まる中で、クーポンの効果的な活用が注目されている。一方、ドラッグストアをはじめ小売店の販促においては、クーポンの活用が欠かせないものとなっているものの、販促の施策自体が画一的になりがちで、お客一人ひとりに満足してもらうことに限界がある。

こうした中で富士薬品ドラッグストアグループは、より多くのお客に選ばれる店づくりには、「一人ひとりに合った最適なクーポン」を「必要とする時」に提供するパーソナライズ化が必要だと考えた。そこで、顧客一人ひとりに合わせたパーソナルプロモーションを行えるマギーの店頭ストアメディア機の導入に至った。

「セイムスタッチ」は、セイムスに会員登録しているお客の会員情報(属性)と過去の購買データ(ID-POS)から一人ひとりの購買傾向をAIが学習し、その日に使えるお客に最適なクーポンを発券する。端末には液晶サイネージも付いるので、新商品のキャンペーン情報やリピート購入の促進など、クーポンと動画を使ったお客ごとに最適なプロモーションを展開する。

セイムス会員は、来店客の約70%を占めるため、「セイムスタッチ」でお客の購買体験のパーソナライズ化を実現することで、ロイヤルカスタマーの拡大が期待できる。試験導入の期間に行った検証では、来店頻度や1人当たりの買い上げ金額などの改善や、各メーカーの商品のリピート購買率が向上したほか、キャンペーンやサンプリングの投資効率の改善にも効果が見られた。

お客は、店舗に入店したらすぐ、入口に設置した液晶サイネージ付きの端末に店舗会員カード(セイムスカード)または店舗会員専用アプリ(セイムスアプリ)の会員バーコードをタッチすることで、AIが選んだ「その日に使える自分だけのクーポン」を入手できる。これにより、お得で特別な買い物を体験できる。そのほか、新規会員など、十分な購買履歴が存在しない場合でも、同様の購買体験ができるよう、専用の企画を準備している。

今後は、学習した購買傾向から把握したお客のニーズをふまえ、取引先メーカーと連携し、クーポンの拡充とより魅力的なパーソナルプロモーションを展開する。また、「セイムスタッチ」の認知と利用拡大に努め、2024年3月までにセイムス会員のタッチ率5割を目指す。

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