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凸版印刷/「はたLuck」活用し商品サンプリング支援、売上目標5億円

2023年08月02日 13:52 / IT・システム

凸版印刷とHataLuck and Personは8月1日、商業施設で働くスタッフに向けた働きがい向上と企業の効果的なサンプリングプロモーションを同時に支援するサービス「店舗DXスタッフアプリ『はたLuck』活用サンプリング」を提供開始した。

<サービスのフローイメージ>

同サービスは、全国のショッピングセンターや商業施設のシフトワーカー約13万5000人(2023年8月1日時点)が導入している店舗DXスタッフアプリ「はたLuck」を活用することで、商品のサンプリングに加えて事前・事後のアンケート調査を可能にするというもの。商品サンプルを配布し、アンケートなどで継続的なコミュニケーションがとれる仕組みとなる。導入の第1弾として、三井不動産グループ、三井不動産商業マネジメントと協力し、三井不動産グループが運営・管理する商業施設内でサービスを提供開始するという。

<サービスの特徴>

サービスの特徴として、対象となるシフトワーカーを性別/年代/営業形態/地域/店舗などで分類して選定できるので、商品のターゲットに対して効率よくサンプリングを実施できる。より解像度を高める目的などで、最大5問の事前アンケートの実施も可能。「はたLuck」上で、施設やメーカーからギフトや贈答品としてサンプリング引換券を配信し、サンプル配布につなげることで、シフトワーカーの働きがいも支援する。登録販売者がいなければ交換できない特殊な商品や、冷凍や冷蔵が必要な商品もサンプリング可能になるという。サンプリング終了後もアンケートをとって購入意向の高いターゲットを絞り込み、サンプリングを実施した商品の割引クーポンを配信して購入に誘導したり、アプリ上での動画の配信などでコミュニケーションを行うなど、継続的なアプローチによって、商品やブランドに対するファンコミュニティの形成を促す。

販促プロモーションにおけるサンプリングは、多く実施されている手法のひとつだが、サンプルを配っただけで終わってしまうものが多く、配布者に対してその後の購買への誘導や、配布の効果測定などが出来ていない等の課題があった。そしてHATALUCKでは、シフトワーカーに給与以外でインセンティブ提供を行うサービスの構築を検討していたという。

2022年3月に資本業務提携契約を結んだ凸版印刷とHATALUCKの2社は、同サービス提供開始に向けて、「はたLuck」を通じたサンプル引換券配信の実証実験を開始。三井不動産グループが運営・管理する「三井ショッピングパーク ラゾーナ川崎プラザ」「三井ショッピングパーク ららぽーと沼津」「三井ショッピングパーク アーバンドック ららぽーと豊洲」にて2023年1~3月の期間中、商業施設のスタッフ2000名に対して日用品のサンプル引換券を配布し、施設休憩室での直接配布の有無やアプリ内の広告バナー配置等によるサンプル引換券使用率の変化などの数値分析を行った。

商品引換後に引換券利用者にアンケートを実施したところ、アンケート回答者全体のうち56%のユーザーが商品の購入意向を示したという。さらに、ららぽーと従業員で最も多くの比率を占める20代においては、83%が商品の使用感に満足し、72%が継続購入意向を示したことから、交換商品に対してのイメージアップや再購入意向度が高くなることが検証された。アンケートの結果を受け、サンプルを配布するだけでなく、配布した対象者がブランドに対してどのような印象を抱いているかを確認できるため、同サービスに一定の効果があることが分かったという。

2者は、食品・飲料・化粧品業界などのメーカー企業に向けて同サービスを提供し、関連受注含めて2025年度までに5億円の売上を目指す。

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